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僕と魔術師と究極者  作者: かずひこ
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第五話「人為的魔力暴走」G

あとは自身の器量を以て前足を踏み込もうとした時、



(ッ……!!)



相手が早い、前屈みで間合いに潜り込んだ月夜。

両手で構えた刀を間合いから突き詰めるようにエリスの胸部へ突き前足を踏み込む。

エリスは地面を逆に蹴り、間合いを取り直すと足下に魔術式を展開し。

手に集約された風の刃が暴風をう生んで、圧倒的な力で月夜の刀を下から上へ振り上げる。



しかし、



「どういうこと……?」



手を抜いた筈はない。寧ろ手応えがあって振り上げたつもりだ。

しかし、目を見開くエリスの頬に一筋の線が疾っていた。

月夜の刃は至近距離の暴風を難なく貫いたのだ。

ただ貫いただけではない。軌道を変え攻撃に衝突してきたが、衝突時の相手の軌道は変わりすらしない。

故に一方的に相手は何の傷も受けず貫いたのだ。



平静にただ口元がゆっくりと動く月夜の前からエリスの姿が消える。

足下に出現した魔術式は転移魔術。保険用に掛けておいたのが不幸中の幸いをもたらす……が、

三日月の鎌鼬が複数、エリスに突き進む。

とっさに魔術式を展開しこちらも無数の風の刃で対抗するも、状況は明らかにエリスの方が不利。



「(私の風魔法を完封……単なる腕力によるものか……いや絶対有り得ない。)」



鎌鼬を無数に集約させた風刃刀、

風による超振動を幾重に幾重を重ねたそれは竜巻をも両断する程の殺傷力を兼ね備えている。

しかし、月夜の刃はそれを難なくと貫いている。仕掛けはあるんだろうが……強い。

エリスの口元が綻んだ。



「とっさに避けるのね……やっぱりそう上手くいかないものなのかなぁ。」



子供地味たお気楽そうな声で生徒会長は言うと、走り出しながら刀を大振りし鎌鼬が無差別にエリスへ飛ばす。

遠距離には大した問題が無い、小規模の魔力を駆使した小さな風弾で邪魔な所を相殺する程度。

しかし、それでは不自然だった。

風刃刀の暴風を難なく完封しておいて衝撃には然したる問題もない。

それが腕力によって発生された事なら尚更。

それだけの腕力があれば音速を越えてただの衝撃を出すよりも、

もっと超越した因果でけた外れの事象を発生することができる。



しかし、それをしないのは何故なのか。

少なくとも解ることは……。



「貴女……魔術師じゃないわね?」



確信の一つは女のこれまでの行動から魔力自体の気配が無かったということ。

身体能力にも補助がかからない彼女自身の確かな力量。

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