第一話
初更新です!
よろしくお願いします!
『やったな、エリカ! 無事出産だ!』
何だろう? 誰かの声が聞こえる……
視界が揺らぐ中で俺が見たのはガタイが強い金髪の男性だった……
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俺の名前は明石英二な筈だった……だったっていうのも俺が目を覚ますと見たこともない赤ん坊になっていたのだ。元々は高校生だった俺だ。寝る前とは違う手首の感触…
明らかに日本に住んでいた明石英二の身体ではなかった。決めつけには聞いたことない
言語だ。それほどの証拠があれば否が応でも理解する。俺が異世界に転生したということを。異世界に転生したとして日本の俺はどうなった? 死んだのか…それともラノベにあるような俺の精神だけがこの世界に移動したのか……そんな仮説が浮かび上がるが多分前者だろう。異世界に転生したのだからラノベみたいに魔法を極めたりしたい。けれど俺はまだ赤ん坊だ。俺は考え過ぎたのかまるで気絶するかのように夢の世界へ旅立ったのであった……
☆☆☆
俺が生まれてから5年が経った。俺は母さんと父さんにエルガという名前を貰い日々生活を送っていた。ところで俺が住んでいるこの国はフィンセント王国と呼ぶらしい。これはメイドさんが教えてくれた。
「すいまちぇん。いいでちゅか?」その
呂律の回らない言葉でサラが来たことを理解する。サラは俺の妹だ。俺が3歳のときに
父さんと母さんが行為に至り産んだ最愛の妹だ。俺は扉を開け、サラを迎える。
「おにいちゃま。絵本を読んでくれまちぇんか?」そう言ってサラが持ってきた絵本はお姫様が王子様と出会うサクセスストーリーだった。
俺はサラに絵本を読み聞かせる。そして
サラが疲れたのか眠ったあと俺も寝るために目を瞑るのだった……
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「父さん、いや父上。魔法を習いたいです」俺がそう言ったのは6歳の誕生日を迎えた翌日の事だった。魔法……それは日本にいた頃では考えられない超次元能力だ。身体に
含まれる魔力を利用して身体能力を向上させたりすることが出来る。
「はぁ…エルガもそんな年になったか……分かった。魔法の講師を雇うことを検討しよう」父さんのその言葉を聞いて俺はニヤケが止まらなかった。遂に魔法が使える……
サラには悪いが俺は父さんと会ってからの事が全く記憶になかった。そしてその日から
一ヶ月弱、遂に待ちに待った魔法講習が やってくるのであった……
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ヘルメス視点
「なぁ、エリカ。エルガが魔法を習いたいってよ」 俺は妻であるエリカにそう言った。今から6年前に俺達の元に産まれてきてくれた息子……男なんだ。魔法に憧れるのは分かる。俺だってそうだった。けどまだまだ先のことだと思ってたな……そんな思いを馳せながら俺は伝書鳩にメッセージを書いて、彼女に向けて飛ばした。俺とエリカの元仲間で
あり魔法に関しては他髄を許さない魔道士のユリカに……