第一話 入学
初投稿です。よろしくです。
異能。
それは、世界中の人々が持つ、神から人間に与えられた才能の一つだ。
異能は誰しもが一つ持ち、その能力は千差万別。人の数だけ能力の種類があった。
しかしその分、異能を持った子供たちの勉強を教えるのはとても難しかった。さらに、国は法律の制定で忙しく、教育にきを回す余裕などなかった。
そんな中、日本のある地域にそんな異能を持った子供たちに教育を施すことをいち早く始めた学校があった。
その名も、日本異能教育学園。略して異能学園と呼ばれるこの学校は、学校側が指定した人しか入ることができないというありえない入学方式をとっていた。
この物語の主人公はそんな学校に選ばれた80人の内の一人。ここからはこの男の視点で物語をお楽しみいただこう。
♢♢♢♢♢♢
バサッバサッ
何かが飛び去る音がした。その場には赤黒く染まった一枚の羽根が残されていた。
その羽根を拾うといきなり光りだし、画面が空中に写し出された。
『おめでとう。君は日本異能教育学園への入学が認められた。〇月☓日朝6時、異能学園の前に集合してくれ。』
な、なんだと。この、俺が?まあいい。行ってみようじゃないか。
♢♢♢♢♢♢
で、でかい。何って?そりゃあ学園の門だよ。バケモンでも飼ってんのかってくらいでかい。具体的に言うと俺が4人分くらいだ。そんで周りに集まってるのが俺と同じように集められた同級生なのか?
この中の誰がクラスメイトになるんだろうか。
「お兄ちゃんお兄ちゃん!ここがあの異能学園だよ!楽しみだね!」
「そうだなっておい!前ちゃんと見ろ!」
「え?」
バンッ!
俺とその双子?の妹の方とぶつかった。
「すいません!お怪我とかないですか?」
「あ、ああ。大丈夫だよ。そっちこそ怪我はない?」
「はい!大丈夫です!」
よかった。さすがに入学前に怪我をさせたとなっちゃあ悪いからな。
おっと、もうそろそろ時間か。時計を見ると6時を指していた。
「諸君、今回は我が日本異能教育学園に集まってくれてありがとう。感謝する。
この学校に来たからには勉学、部活動に関して、最高の環境を保証しよう。」
おお!すげぇ!
「そして、卒業後の就職先にも、ね。」
ざわざわ……ざわざわ
周囲がざわつき始める。そりゃあそうだ。俺たちはここに来た時点で勉強と部活動、就職先が保証されているのだから。かくいう俺もとても興奮している。そりゃあね!こんなところに選んでもらったんだから当然だろ!と声を大にして言いたい。
「静かに!しかし、就職先に関して保証を受けられるのは卒業時点で成績がトップのクラスだけだ!
ちなみにこの保証というのはどんなところでも就職させてやる、という意味だ。この意味を理解したものはさらに進んで来い。更なる説明を行う。」
そう言い残して門の奥へと消えていった。
どこにでも就職させてやる、といった。その真意は自分にはどこにでも枠を開けさせるほどの権力がある、ということだ。つまり、あの人の気分次第で社会的に俺たちを抹殺することも容易である、ということだ。
周りは既に奥に進み始めている。俺も進むか。
♢♢♢♢♢♢
「ほお、80人全員とな。今年の生徒は豪気じゃのう。それでは改めて自己紹介と行こうか。わしの名はリーシア。この学園の理事長じゃ。ん?この喋り方か?こちらが本当の喋り方じゃよ。あの喋り方はどうも好かん。まあ、そんなことはいい。手元にスマホを届ける。」
パチンッ!
指パッチンの後、手元にいきなりスマホが現れた。これは?理事長の異能なのか?
「そのスマホはお主らの身分証、財布、連絡手段代わりとなるものじゃ。校則なんかもこれで見れる。失くすでないぞ?これからお主らはクラスに別れ、他のクラスと争ってもらう。争う内容は……定期テスト、体育祭、文化祭なんかじゃな。他にも突発的に開催するかもしれんから注意を怠るなよ。」
「そして校則についてじゃが、これは各自で見てくれ。しかし、破ってしまうとクラスの評価ポイントが下がってしまうから注意じゃな。説明は以上じゃ。では、解散!スマホに映った指示に従ってクラスに移動してくれ。」
みんなぞろぞろと移動を始めた。俺はAクラスか。早く移動しておこう。
♢♢♢♢♢♢
「みんなおはよう。私はこのクラスの担任を務める鹿原 楓だ。よろしく。さっそく授業っといいたいところだが理事長から今日は自己紹介と委員長決めをしろと言われているからな。さっさと済ませてくれ。早く帰りたい。じゃあお前から順に頼む。」
え、えぇ~俺からかよ。はぁ。
「ちなみに名前と自分の異能をな。」
まじか。まあいいけど。
「えーはい。俺は夜桜 京。異能は影だ。よろしく頼む。」
パチパチパチ
「次は私ね。私は石田 舞花。異能は制限よ。よろしく。」
パチパチ
「え、ええと私は柊 理央。異能は共有で、です。よろしく、です。」
「僕は柊 祥。異能は武器作成です。よろしく。」
「俺ぁ藤田 亮介。異能は変換だ。」
「僕は大空 翔。異能は憤怒だ。よろしく。」
「私は稲垣 尚大だ。異能は鑑定だ。よろしく。」
「私は山本 愛美です。異能は再生です。よろしくお願いします。」
「我は石堂 侑である。我が異能は気功術である。よろしく頼む。」
「僕は三宅 航大です。異能は氷です。よろしくです。」
「俺は灰田 義秀。異能は質問。」
「私は秋本 翔子ですわ。異能は合成ですわ。よろしくですのよ?」
「私は新名 麻子です。異能は憑依です。よろしくお願いします。」
「僕は岡田 一。異能は上昇です。よろしく。」
「妾は戸田 立花じゃ。妾の異能は身体強化じゃ。よろしく頼む。」
「私は深井 涼子です。異能は模倣です。よろしくね。」
「俺は神山 高河だ。異能は不死身だ。よろしく。」
「僕は山田 浩太郎です。異能は念力です。よろしく。」
「僕は礼羽 奏だよ!異能は誘導だよ!よろしくね!」
「私は谷坂 真です。異能は貯蓄です。よろしく。」
以上20名が俺と同じクラスメイトだ。なんやかんやあってクラス委員は礼羽奏ちゃんがやることになった。僕っ子だよ!いいね!えーゴホンゴホン。今日はこれで終わりらしい。全席個室の寮があるらしいからな。今日は早く戻って寝よう。
校則紹介
一つ、校内での暴力、殺人を禁ずる。
罰則:50万円以下の罰金、100pt以下の剥奪、社会的な抹殺。