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オラシオン  作者: とりあえず全国の山田に捧げる
2章 アルケニア
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7話 侵攻

--ロイター視点--



「子供が喰われたぞ!」


「どけっ!」



突然現れた魔物を倒そうとした。

が、逃げられた。



「クソッ!」


「なんなんだよこれ……」


「これ、さっきと同じ穴じゃないか?」


「なんで人間の技術が魔物に使われてるのよ……」



そうだ。

この穴から大型の魔物が現れてあの子を喰った。

けど、その穴は結界の外に行くための転移装置ととても似ているものだった。



「ちょっと待って……結界の外に出るための転送装置を、魔物が使った……?それで子供1人捕食したら逃げられた。なんでだ?」



サーディアには近くにいる魔物の検知の機能もある。

だが反応しなかった。


突然現れた魔物。

今までそんなこと聞いたこともない。


……まずは司令塔に連絡しなければ。



「先程異常事態が起こった!人類の技術が魔物に盗まれている可能性がある!大型の魔物が転送装置のようなものを使って突如出現!その後入団試験の受験者1名が捕食され逃亡!」


「いや、死んでないよ」


「……え?」


「飲み込んだだけ。まだ死んでない」



この子は確か、捕食された子と話してた子だっけ?名前は確か……

カイル・エルライト。



「……何で死んでないって分かるんだ?」


「いや、見れば分かるし」


「見ても分かんないんだが……」


「あっそ。まあ、生きてるから大丈夫。僕が言いたいのはそれだけだから」



まだ生きているというのが本当だったら、魔物は意図して生かせたのだろうか?

そうだったら魔物に性がある……?

いや、魔物を操る者がいる?


今は何も分からない。



『……分かりました。とりあえず試験を中断し、帰還してください。詳しい状況は後で聞きますので』


「分かりました。

皆!試験を中断する!一旦戻るぞ!」




--セントラルタワーにて--




「転送装置の技術が魔物に盗まれたなんてそんなバカな話があるか?」


「しかし、あの装置は我々人類でも未知な点が多く含む代物。この世界の神、ゼウス様が遺した物だ。魔物なんぞに分かるはずがないのだが……」


「やはり、前々から予想していた魔物を操る存在がいる可能性が……」


「魔物も未知な点が多すぎる。100年前突如現れて以降、研究があまり進んでいないのだから。大型なんて10年前に突如出現したばかりだ。小型や中型と違って2足歩行ができるものが多い、結界を破壊する可能性がある、コアを破壊しないと倒れない、分からないことだらけだ」



「会議中失礼します!」


「何があった?」


「結界外に大型の魔物が大量発生!数は確認できるだけでおよそ100から500体程度!正確な数は分かりません!」


「何!?」


「ただでさえ大型なんてBランク以上の冒険者しか倒せないってのに、これは……」


「至急Bランク以上の冒険者を結界外に配置せよ!現Sランク冒険者のレイドには任務を一度中止し、至急帰還するよう連絡しておけ!」


「了解!」




--カイル視点--




「ここが冒険者専用の寮か~」



冒険者ギルドは世界で1つ、ここアルケニアにしかない。

だから大体の冒険者は寮で暮らすことになる。


今は急遽冒険者の寮のエントランスに集められている。



「ギルドの人達もなんだか忙しそうだな……弟もギルドメンバーだから心配なんだよな~」


「え?ガイトさんの弟ってギルドメンバーなの?」


「うん。ってか、最初に案内してたノージン・オリスってやつがいただろ?そいつが俺の弟なんだよ」


「ふぅ~ん」


「興味無さそうだなおい……」



「すまん!俺は仕事に行かなくちゃならなくなった!しばらく待っていてくれ!」



ロイターさんもどこかへ行ってしまった。

何があったんだ?



--セントラルタワーにて--




「15時より大型の魔物の討伐作戦を行います。国王様、よろしいですね?」


「ああ…………もちろんだ」


「たった今レイド・ベルフェドラから連絡が来ました。しかし、“向こう“でも大型がやってきてるようでして、すぐには作戦に参加することができないそうです」


「人類最強は動けない、か」


「ですが、朗報もありまして。落ち着いて聞いてください」


「……分かった」


「実は―――」




--カイル視点--




あれから1時間ほどたっただろうか?

情報によると、大型が大量発生したからBランク以上の冒険者が討伐に向かうらしい。


Bランク以上の冒険者って何人いるんだ?

倒せるのか?


にしてもなんで大型だけ?

普段は小型と中型の方が圧倒的に多いはずなのに。

小型と中型はどこに行った?



「カイル君?大丈夫か?」


「ああ、ごめん。考え事してた。あと、俺のこと呼び捨てでいいよ」


「あ、そか。分かった」




ドオオオオン


そんな会話をした直後、大きな音がした。



「なんだ今の音」


「どこから聞こえた?」


「なんだなんだ?」



「なあカイル、聞き間違えかもしれないけどさ、今、上からも音が聞こえなかったか?」



そう言われ、上を確認した。

そして、“それ“が見えた瞬間、僕は叫んだ。



「早く外に出ろ!逃げろ!」


「何?どうした―――」


「いいから逃げろ!」



 咄嗟に叫んだおかげで、エントランスにいた人全員が外へと動き始めた。




そして、2秒後にさっきまでいた建物は崩壊した。



「……は?」


「何が……?」



あの時ガイトさんが聞いた音の正体。

そして僕が見たもの。



「え?何でこんな所に……」


「こいつ、魔物、だよな?」


「グルルルル……」



小型と中型の魔物はどこにいるかを考えていた。

けどまさか、この国に攻めるために待ってたとは。


結界外に魔物が大量に配置するとBランク以上の冒険者は全員戦うことになる。

これは10年前、3英雄誕生の戦争でも同じことをやっていた。


けど今回は少し違う。

大型を大量に結界外に配置し、小型と中型をこの国に配置して人を喰う。


間違いない。

魔物を操ってる奴はどこかにいる。



『冒険者志願者へ告ぐ、君たちは軍事施設へ移動、死守せよ』



突然サーディアからそんな指令が届いた。



「は?軍事施設を守る?こんな人が死んでるのに?」


「ここは人を助けるべきだろう!ふざけるな!」


「そうだそうだ!」



入団試験受験者たちが一斉に騒ぎ始めた。

気持ちは分かるが。



『軍事施設がやられると世界滅亡の可能性が大いにある。ただちに移動せよ』


「なんで世界が滅ぶレベルの兵器なんて持ってんだよ!」


「作るなよそんな兵器!」



『うるさい!私に言ったってどうしようもないんだよ!いいから行け!』



その一言で静かになった。


人か世界かでは流石に後者を守らざるを得ない。

全員しぶしぶ軍事施設へ向かった。




-----




「いやだあああ!!だれかああああ!」


「いやだ!はなせ!あああああああああああ」



人が喰われている。

助けられそうな人は助けているが、もう何人も死んでしまった。


仲間も何人も死んでいる。

このままじゃ軍事施設にたどり着けない。



「魔物が来るぞ!」



目の前に中型1体小型2体、計3体。



「どけェ!」



炎魔法を放ち、魔物を倒していく。



けど魔物は時間が経てば経つほど増えていく。

ビルの壁に張り付いてた魔物の存在に気付かなかった。

6体も魔物が降ってきて、そのたびに仲間が押し潰されていく。



「あっ……」


「終わった……」


「諦めるなあああ!!撃てえええええ!!」


「たすけてっ!たすけてぇっ!」


「ああああああッッッッ!!!いてえええよおおおお!」


「足が喰われたっ!足がッッ!!」



……来た。



「うおおおお!!」



空から降って来た。

俺の、友達が。



「お待たせっ!」


「待ってた!」


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