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オラシオン  作者: とりあえず全国の山田に捧げる
Chapter:Ⅳ Second World
54/61

Episode 52 resoluthion

「これ以上は危険です!増援呼びます!」


「待て!今は事を荒立ててはいけない!交渉が失敗したらマズイ!」


「交渉?へぇ~いいこと聞いた」



この話が本当だとしたら。

この人数相手は厳しいが、何とか出来たら逃げれる。



「ロイド!」


「了解!」



この場を何とかすれば。

だがどうしようか?

どうすればここを抜け出せる?



「クラウス!行くぞ!」


「……ああ!行こう!」



何でも試そう。

思い付く限りのことを。



「ロイド、氷壁作ってどさくさに紛れて逃げれるか?」


「……分かった。やってみる」



凄い頼もしく感じる。

いつもの威勢はどこ行ったんだ?



「うおおらあああ!!」



ロイドは氷壁を連続で出した。

俺達が相手の視界から消えるように上手く氷塊を作っている。


俺も負けじと氷塊を作り出すが、高さが足りなかったりして上手くいかない。

やっぱりロイドの魔法の精密さは凄い。



「キエエエェェエエ!!」


「あっ………!」



ゼアドラが単独で突っ込んで来て、ロイドの氷壁作成の邪魔をされた。


ロイドが言うには、

一度魔法の発動を邪魔されたら、それまで発動した魔法全てが解除される。

これが魔法最大の弱点。


それまで作っていた氷壁迷路は一瞬にして崩壊した。



「今だッッ!!ぶちかませッッ!!」



ゼアドラ含む敵全員が一斉にこちらに向かってきた。



「くっ………こうなったらヤケクソだっ!!」


「あっ!バカ!!」



ロイドが何も考えずに高火力魔法をぶっ放した。

案の定目の前にいる敵は吹き飛び、案の定爆風に巻き込まれ、案の定煙は天高く登った。



「あーやっべ。めっちゃ人来そう」


「………悪い。そのこと考えてなかった」


「アホ」


「煙で相手は私たちのこと見えて無いはず。今のうちにどこかに逃げ込みましょ」


「確か倉庫はこの先だよな。あそこ広いし丁度良いか」


「お前のせいだって忘れんなよー」



「なんで倉庫に……機械があんだよ………」


「うわっ!おっきい機械……なんでこんな所にあるんだろう」



そこには倉庫の大半を占めるほどの巨大な機械があった。

俺が知っている機械だ。



「転送装置?何で今ここに?」



なぜこんな所に転送装置があるんだ?


それに、やけに新しいというのが俺でも分かる。

ここに設置されたのはいつ頃だ?


それにこの形状。

アルケニアにあるものと全く同じだ。

エルドさん達の所にある転送装置とはまた違う。



「あれ?これ、いつ頃設置されたんだろう?」


「え?知らないんですか?」


「え?えぇ……少なくとも、1週間前まではこんなもの無かったはずだけど……」



1週間前?

想像してたより最近だった。



「俺、知ってるよ。ほら、ラインって奴だよ」


「………ラインさん?」


「ああ、昨日家に来て話しているのが聞こえたんだ。ほら、お前と話した後のこと」



ラインさんがいるのか?

さっきの交渉ってまさか………



「ごめん、俺、行かなきゃ」


「は?今逃げるの優先だろ!?」


「いやだって、でも………俺は……行きたいんだ。聞きたいんだ。色々と」


「ああそうかよ!勝手にしろ!」



怒らせてしまったか。

当たり前か。



「すぐ………すぐ、だから………!!」


『会いに来なくて良いぞ』


「…………!?ラインさん!!どうして!?」



サーディアからラインさんの声が聞こえてくる。

だが一体、どうして?



『一応、同じ“サーディア”だからな。通信くらいはできる』


「あ、そっか。だからか」


『随分暴れてるみたいじゃないか。相変わらずだな』


「ラインさん!聞きたいことがあるんです!エリスは………父さんは今どうなってますか!?無事ですか!?」


『無事………とは一応言えるな。状況が状況で、今なお無事なのかは断言できないが』


「え?今そっちではどんな状況なんですか!?」


『なんて説明すればいいか。一種の戦争みたいなものと考えてくれ』


「……は?どういうことですか?」


『俺もよく分かんないんだよ。戦いも始まったばかりだし。今は少しでも資材やら人材やらが欲しいって状況だ』



よく分からないって何?

戦争なら戦争と言えばいいのに。



『だから絶対にこの交渉は失敗できない。もう数日ここにいると思う』


「数日……?」


『クラウス。そこにある転送装置を起動すれば、アルケニアに帰れるぞ』


「………は?」



帰れるのか?

これを使えば。



「でも俺はまだここにいなきゃダメなんです。どれだけ時間が掛かろうとも、ここを何とかしたいんです」


『………分かった』



自分から通信を切った。


行かなきゃならない。

まだ、ダメなんだ。



「………ごめん。行こう」


「ようやくか。そろそろ敵に気付かれる頃だしな」



アストさんがいる所はどこか?

分からないが、ひとまずアジトの方へ行ってみる。

アジト自体は破壊されたはずだけど、近くにまだいるのかもしれない。


もしかしたら、下界にいるかもしれない。



「近くに敵はいないな。出口はこのまま真っ直ぐ。よし」


「……?」



ロイドが両側に氷壁を作り出した。



「早くこの中に入って。入ったら閉じるから」


「はー便利だねー魔法って。私は使えないけど」



俺もこのレベルまで到達する気がしない。

本当に凄い。



「ほら早く行くぞ」


「あ、うん」




-----




「敵は?誰も追って来てないね?」



出口を抜け、アジトの近くにまで迫っているが、敵が近くにいる様子はない。

チャンス。

敵はまだ、俺達があそこにいると勘違いしているのだろう。



「アジトはこの店の地下!急いで!」



にしても変だ。

アジトは破壊されたんじゃ?

アジトの近くにいるのではと思ったが、まだアジトに人がいる可能性が出てきた。



「えっと、確かこれをこうしてこうしたらエレベーターが起動して―――」



ガコンと聞こえ、何かが作動した。



「何も変わってないけど?」


「ここに乗ると地下に行くんです。とりあえず3人ずつ行きましょう。地下に降りたらボタンを押してください」


「………?うん、まあ分かった」



………あ、そうか。

ここではボタンなんて言葉無いんだっけ?

まあでも分かったみたいだし、大丈夫だろう。




---




結局追手は来てないようだ。



「来たみたいだぞ」


「分かった。じゃあ乗るか」



当然俺達が最後に乗ることになった。

エレベーターに乗って、地下へ行く。



「あ、どっちのボタンを押すか言うの忘れてた!」



2つボタンがあり、もう1つを押してしまうと、エレベーターはただの床に早変わりしてしまう。

だが1発でどっちを押せばいいのか分かるとは運が良い。



「結果オーライ、か。運良くて助かった」


「運が良いんじゃないよ」


「え?あっ!スコールさん!」


「よっ!待ってたよ」



スコールさんがいるとは驚いた。

だからどれ押せばいいのか分かったのか。



「にしても結構連れてきたね。想定外だよ」


「スコールさんはどうしてここに?」


「いやぁ~アストが『あの子達来るみたいだから助けてあげて!』ってさ」


「アストさんが?なんで分かったんですか?」


「さぁ~それは教えてもらえなかった。アストは下界にいる。さ、早く行きな」



そう言ってスコールさんは転送装置をを起動した。

下界に繋がり、穴の奥にはアストさんやソアラさん達が集まっていた。



「ほら来たろ?俺の言う通りになるんだって」


「マジか………」


「皆さん早くこちらへ!」



穴の奥にいる人達が手伝ってくれるようだ。



「じゃあ早く穴の中に入って下さい!」


「え?これ、大丈夫なの?」


「赤ちゃんもいるんだけど………」


「ダイジョブダイジョブ。ほら入って」



そう言ってようやく穴の中に入っていった。


そして、穴に入ったのが2人目になった頃、音が聞こえた。



「何の音だ?」


「エレベーターだよ!ほら、ウチの奴加圧式で自動で下がっちゃうんだよ!」


「嘘だろ!?他に人がいるようには見えなかったのに!!」


「早く入れ!早く!!」



急がないとマズイ。

あと8秒あるかどうか。



「ほら君で最後!!」



俺の番になり、穴を通って下界に移動した。



「スコールさんも!早く!!」


「……………………………………」


「スコールさん?」


「じゃあ誰が、この機械ぶっ壊すのよ……」


「………え?」



何をするつもりなのか、分かってしまった。



「動くな!!」


「来たなァ?」


「スコールさ―――」



穴は閉じられてしまった。

声は最後まで届かなかった。




--スコール視点--




「動くな!!」


「…………………」


「こっちに顔を向けろ!!」


「なあ」


「?」


「これなぁ~んだ?」


「………!!みんな逃げ―――」




--クラウス視点--




「反応が消えた。これは………爆発でもしたか?」


「自分諸共、か………」



スコールさんも、死んだ。

スコールさんがいなかったら、俺は………



「…………………!アストさん!」


「どうした?」


「話を、しましょう」


「そうだね。そのつもりで来たんでしょ?」



この人、どこまで知っているんだ?


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