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オラシオン  作者: とりあえず全国の山田に捧げる
Chapter:Ⅳ Second World
43/61

Episode 41 Rebel

痛い。

痛い痛い痛い。


それでも潰れた右手は治ってしまう。



「にしてもすごいねぇ~。こんなにも治っちゃうなんてねぇ~。そろそろ爪、剝がしちゃいます?」


「まだやるんですか?多分この子吐かないと―――」


「今言おうかどうか迷ってる。そうだよね?」



突然顔を近づけて言ってきた。

本当にこの人には俺の考えが全て見透かされてる気がする。



「爪全部剥がしても吐かなかったら次は指チョンパ。楽しみぃ~」



指を切られると恐らく再生はしないだろう。

以前両腕を失った時、両腕は再生せずに皮が被っている状態だった。

俺のこの体質は再生能力ではなく治癒能力の向上だろう。

体質と言っていいレベルかどうかは分からないが。



「ほれほれ~。話さないの~?いいの~?」



前世のこと、言ってしまおうか。

ただ、言ってしまったらどうなるのだろう。


前世の情報を今の世界の人に与えるのは危険だと思う。

だから言わないのがいいのは分かってる。



「ほら吐け吐けぇ〜。次に進んじゃうぞ?」



けど、考えしまったんだ。

話そうと思ってしまった。

まだ話してはいないが、大勢の人が死ぬ道を選んでしまうかもしれない。


俺は前世と今、どっちが大切なんだろう。

何のために生きているのだろう。

………いや、そんなに生きることが重要なのだろうか。



「んで、その左腕の奴、まだ取れないのか?」


「数人掛かりで取り外そうとしてますが、取れる様子はありません」


「じゃあ3つ目の質問だ。左腕のこれは何だ?」


「……………………………」


「聞いてるか〜おいぃ〜?」


「あっ、はい。左腕のは何だか良くわかんないんです。いつの間にかついていたもので」


「……嘘では無い、か」



分からないことだらけ。

俺はずっと、こんなよく分からない世界を、人を守り続けて、何がしたいんだろう。


……よく分からなくなってきた。



「って……」



さっきの左腕の話を聞き、自分の左腕を見て気がついたことがある。


このガントレット型の機械に描かれている模様。

これは北原さんからもらった、あの剣にも同じものが描かれていた。

そういえば、あの剣は今どこにあるんだ?

最後に持ってたのは……


確か、ここにくる前、大穴に落ちた時だったか。

ケアラさんを運ぶ直前には確かもうどこかへ消えた。


大穴に落としたのか?

いや、それだったら既に見つけているはずだ。




〜〜〜


「恐らくあれはただの剣じゃない!剣として以外に何かあるはずだ!」


〜〜〜



俺は、ガリアンさんが最後に言っていた言葉を思い出した。

剣として以外に何かある。


まさか、あの剣はこの左腕に付いているものに変形したのか?

とすると、あのコウモリみたいな生物を消し飛ばした謎の光はこの機械から?


あの謎の光が出た時、魔力を放出した感覚と非常に似ていた。

だとしたら……!



「うっ、何だこの光は!!」



魔力をこのビームみたいな奴にしてぶっ放す!!



「うわぁっ!」



想像以上に威力が強かった。

後ろに吹き飛び、壁に激突してしまう程に。


だがそのおかげで拘束されていた椅子が壊れた。



「これで逃げられる!」


「アイツを取り押さえろ!この場所が破壊されたらマズイ!」



とは言ったものの、どう突破しようか。

狭い場所に10人くらいの人。

もう少し時間が経ったら応援が来て危なくなる。

取られた荷物も回収したいし、一体どうしようか。


父さんも、仲間すら今はいない。

誰かに助けてもらおうなんて考えない。



「動くな!」



誰かがそう言うと、全員が一斉に銃を取り出した。

だが、これで本当に言われた通り動かない。

そんなことあるわけない。


左手を真上に向ける。

あとはもちろん、天井を壊すつもりで本気で放つ!



「ヤベェ俺ぶっ放してばっかじゃん。脳筋じゃん俺」



だがこれで天井は崩れ、さっきよりは十分広い部屋へと繋がった。

すぐに跳び上がり、開いた穴を通って新しい場所に移動した。



「何だコイツは!?」


「そのガキを止めてくれ!」


「え?りょ、了解!」



あの爺さん余計なこと言うなよ。

どんどん人が来てしまう。



「あっ」



俺の荷物を持った人を見つけた。

丁度荷物が金庫に入れられそうになる所だ。



「それ俺の!返せ!」



荷物を持ってる人目掛けて飛び出した。

もちろん、身体強化魔法を使って。



「よっしゃ!回収!」



幸い奪われた荷物は全て袋の中に入っていたようだ。

じゃあ後は逃げるだけ。



「絶対捕まえろ!」


「逃げ切りますよ!べぇーだ!」



近くにあった扉を勢いよく開けた。


俺がいる場所は、どうやら随分と特殊な場所だったようだ。

真ん中には穴があり、上にも下にも通路がある。

雰囲気は工場のようで、最下層には緑色の謎の液体が貯まっている。


構造だけで言えば大型のショッピングモールと非常に似ている。

ただ、最下層にある液体を見るだけでも危険な場所なのはわかるが。



「あれ?なんでこんな所に子供がいるんだ?」


「やだ!あの子剣持ってる!」



一般人もいるのか?

マズイ、目立つ。

今はすぐ逃げないと。



『武装した5名が侵入しました。各員、ただちに採掘場から焦らず速やかに逃げてください。尚、剣を所持している15歳ほどの少年を見掛けたら捕獲、報告してください』



他にもいるのか?

もしかしてエルドさん達じゃないか?



「剣を持ってる少年……」


「あの子じゃね?」



やっべ。

逃げないと。



……あ、そうだ。

もらったサーディアでエルドさん達と連絡取ってみるか?

いるなら合流しておきたいし。


袋からサーディアを取り出し、耳に装着して電源ボタンを押す。

すると、起動してすぐに何かが見えるようになった。

熱センサーも搭載されているようで、周りに人がどれくらいいるのかが分かる。



『ディゴード:ガントレットの存在を検知。描かれている模様を視界に入れてください』



突然機械音声のようなものが聞こえてきた。


ディゴードってなんだよ。

って思ったけど、模様って言ったよな?

なら、この左腕にある奴だと思うが……


言われた通り、描かれている模様を見てみるか。



『認証成功。対人戦闘、ロック解除』



何それ凄い。

もしかして俺専用のモードなのかな?



『ディゴード:レプリカの電撃攻撃を即死に設定しています』


「え?即死はダメって!設定のし直しってどうするんだ?」


『即死設定を解除しますか?』



音声認識なのか?



「即死設定解除で」


『即死設定を解除しました』



やっぱりそうみたいだ。

他に何ができるのかな?

逃げ切ったら試してみよう。

今やるべきは―――



「ええっとどうやって連絡するんだ?なんかUIまで変わってる……これか?」



少々分かりにくくなっていたが、それらしいものを見つけた。



「あーあー。もしもし、聞こえます?」


『その声、クラウスくんかい?』



誰だ?

聞こえてきた声は覚えがない。

知らない人か?


だが、俺のことを知っているからエルドさんの仲間なのか?



「そう、ですが……あなたは?」


『それは後。今から僕の指示通りに動いてね』


「分かりました。その前に1つ聞いていいですか?」


『何?はい か いいえで回答できる質問なら』



聞いておきたい。

何となく分かったけど、答え合わせをしておきたい。



「あなた達って、テロリ……国家転覆でもするつもりなんですか?」


『そうだ。まだ言うつもりはなかったけど』



間も開けず、すぐに回答が返ってきた。


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