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オラシオン  作者: とりあえず全国の山田に捧げる
3章 ソトノセカイ
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27話 可能性

入り口と思われる穴に入ると、奥に巨大な扉があった。



「扉開いてないですけど、どうやって入るんですか?」


『あ~ちょっと待って。開くのにもうちょっと時間が掛かりそう』



そう言ったのにも関わらず、8秒程ですぐに開いた。



「早いですねー」


『まあね。これから君たちは、出てくる魔物や白い奴を討伐、人がいたら拘束してくれ』



拘束……紐とか持ってきてないけど大丈夫だろうか?



『じゃあ頑張ってくれよ。僕は他のことをするからあんまり手伝えなさそうだけど』


「だからそういうの先に言って下さいよ!」



ホント自由だなーこの人。

この人本当に俺の将来の姿?

いや、将来の姿っていうのも違うか。



「じゃあ行こっか」



カイルがそう言い、扉の中へ走り出した。

中は思ったより広い場所だった。

ただ、何かがあるような感じではない。


ここは何の部屋―――



「危ない!」



魔物が扉のすぐ横、死角になっている場所から襲い掛かって来た。



「気付いてる!」



横に飛び、回避した。



「さっさと倒そうか」


「いや、ちょっと待って。試したいことがあるんだ」



今はまだ空を飛ぶことが出来なくても、他のことなら出来るかもしれない。


周囲にある魔力を集めて、体全体に溜め込むイメージで―――



「何、それ……大丈夫!?」


「だい、じょうぶ!」



魔力を自分の力に変えるということができるのではないか?

そう思って試してみたが、想像以上に力が湧いてくる。


魔力もエネルギー。

変換効率は100%ではなかったため、体が急速に熱くなり、周囲に電気が走る。

強くなる肉体とは裏腹に、今後制御できるか不安になってくる。



「はあああ!!」



けれども、普段よりも遥かに速く、普段より強く剣を振れた。

勢い余って天井に着地した。



「ハァ……ハァ……痛っ」



身体強化ともいえるこの魔法。

これはその魔法を使った代償だろうか?

それとも単に制御できていないからか?


体全身が痛い。



「残りは倒しといたよ!」


「あ、ありが――ーうおあっ!」



天井に着地したのだから、すぐに落下した。


上手く着地したため、地面には叩きつけられなかった。


にしても、体中が痛い。

やはり制御は厳しかった。



「力の制御は、まだ無理そうだな」


「初めてでそれとは、見事だ」



声がした方向を見ると、この前の連中のリーダー格である木原さんがいた。



「木原さん!」



木原さんか俺か、どちらが敵かは分からない。

今やるべきことはーーー



「俺達、話し合って解決出来ないですかね!?」


「……君にも分かりやすく説明しよう。君は核を未来永劫廃絶することは可能だと思うか?」


「……え?」



核を廃絶する。

俺が知っている単語で言われたから、よく理解できた。


一時的には核廃絶は可能かもしれない。

けど、核を作る技術はある。

未来永劫なんて―――



「分かるだろう?不可能だ。武力を使ってでも不可能なことを、話し合いで出来ると思うか?」



何も、言い返せない。



「それだけじゃないんだ。今この状況は、もっともっと、複雑なんだ……だからお前は、唯一の救いなんだ。頼む。こっち側に来てくれないか……?」



俺にはその状況ってのが全然分かっていない。



「俺には、まだよく分かってない……けど、俺の仲間に手を出せば俺は容赦しない!最後の最後の最後まで諦めちゃダメだ!」



こんな言葉で意見が変わるとは思っていない。

けれども、少しは俺の考えを分かってくれるとありがたい。



「あなた1人が協力してくれればいいんです!あなたが、この世界で1番の権力者ですから!だから!お願いします!」


「そうだ。今この中で一番権力を持ってるのはお前だ、木原」



後ろから声が聞こえる。

振り向こうと思ったが、



「動くな」



振り向かせてくれなかったが、この声は北原さんだ。



「お前……何を……」


「見てわかるだろ?」



北原さんは何をしているんだ?



「分かってるだろ?世界を救えるのは僕だけだ。だから木原、死んでくれ」


「……………………」


「はぁ!?北原さん!?何を言ってるんですか!」



信じられなかった。

聞こえてきた言葉が。


俺は、こんなにも変わってしまうほどのことが今後起こるのか……?



「今だ!一斉に解放しろ!」



木原さんは突然そう叫び、どこかへ去ってしまった。



「僕が追う」



先程まで様子を見ていたカイルが最速で走り出した。



「待て。追わなくていい。まだチャンスはあるさ」



チャンス……

まだ、何とか出来る方法は無いだろうか?

その為にも、一刻も早く詳しい状況を聞きたい。



「……本気で撃つつもりないのバレてたかなー?」


「撃つ!?」



遂に振り向き、北原さんは拳銃を持っていたのを確認した。



「ごめんごめ―――何か来る」


「え?」



木原さんはさっき、解放しろと言っていた。

今、木原さんが何を解放したのかよく分かった。



「魔物がこんな大量に……!」



白い奴ではないとはいえ、魔物は十分脅威だ。

魔物の最も恐ろしい所は、圧倒的な数。


人を喰らう化け物がこんな数がいるんじゃ、もうどうしようも―――



「魔物は俺に任せとけ!」


「父さん!」



魔物を倒すスペシャリストが現れた。

本当にいつも助かる。

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