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オラシオン  作者: とりあえず全国の山田に捧げる
3章 ソトノセカイ
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25話 世界は謎に満ちている

「それじゃ、そろそろ始めるか」



突然 北原さんがそう言った。

いや、さん でいいのか?

この人は将来の自分なわけだし……


……もうダメだ。

考えないようにしよう。



「それで、何を始めるんですか?」


「その前に、ここはどこでしょう?」


「え……?」



そういえば、ここはどこだろう。

今はどこかの洞窟にいる。

まだ外の様子は見ていない。



「……洞窟の中、としか」


「いや確かにそうなんだけども。天空都市!って僕が勝手に呼んでるとこ。君は一回ここに来たよね?」



その説明を聞いてようやく外を見る気になった。

ここは確か……確か父さんと4年振りに再会した場所だっけ?



「来ましたね。ちなみに、何で土地が浮いてるんですか?」


「あーこれも魔力が関係してるんだよね」



知ってた。



「詳しい原因は分からない。仲間が調べてくれてるよ」


「仲間、いるんですね。1人かと思ってた」


「……………………うん。本当にありがたいよ」



何故か凄い長かったけど、何かあったのだろうか?



「詮索したって、結局はいずれ分かることだし。あんまり意味無いんじゃないかな?」


「ああ、すみません……」


「いいんだよ。とりあえず君にはこれを渡しておくよ」



そうして渡されたのは、1本の剣だった。

初めて見る、新しい剣。



「この剣、魔力を少し流すだけでもう1本と同じ様な効果を発揮する特別な奴だから無くさないように。あと、今まで持ってた奴はもう自由に取り出せるでしょ?」


「あ、はい」



自由にかどうかは分からないけど。

あの感覚を、もう一度……



「……できた」



父さんから受け継いだ(?)剣、もう自在に出したりできるようだ。

じゃあ鞘は1つでいいかな?



「いけそうだね。その剣、絶対に誰かに渡したりするんじゃないよ?」


「分かりました。それで、これから何を?」


「さっきまで君がいた場所、あの研究施設に行って暴れる!以上!」



えぇ……

マジかよ……



「その上で重要なことはやはり、白い敵だね。アイツは君しか倒せないし」


「え?確か父さんが弱点を見つけたはず……」


「いや、アイツらは偽物だよ。あの滅茶苦茶デカいのも偽物。本物には弱点なんてものは存在しない」


「え?」


「恐らくどこかの誰かが魔物と白い奴を組み合わせたら、みたいな実験で出来た生命体かな?」



魔力とか白い奴とか、どれ程研究が進んでいるのだろうか。

何も分からない。


……いや、相手も分かっていないのかもしれない。

分からないことだらけで、分かる部分が少なすぎるのかも。



「白い奴って向こうではなんて呼ばれてるんですか?」


「正式名称はまだない。というか分からない、が正解かな?」


「分からない、ですか?」


「何かもう忙しすぎて決める時間が無いってのが1つ。もう1つは……ごめん。話せないな」



まただ。

話せない。


魔力というエネルギーを巡って世界中で争いが起きている。

根本的な原因が分かったけど、詳しいことが分からない。



「ごめんね、全然話せなくて」


「いずれ、分かるんですよね?」


「ああ。そのために、君にはいくつかの場所を回ってもらう」


「いくつかの、場所?」


「そ。その場所が今どんな状況になっているのか、僕には分からない」



……大丈夫だろうか?



「今度死んだら、本当に死ぬ。状況によっては、君が僕になれない可能性もある」



今度死んだら、本当に死ぬ………



「…………どんな世界だろうと、俺は人を助けたい。その上で、ちゃんと生きて帰ってきますよ」


「その意気だ」


「というか、本当は死んだら死ぬんですよ?」


「文字にしたら意味不明だね~」



北原さんは、少しずつ笑うようになってきた。

向こうの世界では、そんなに大変なことがあったのだろう。


家族も、恐らく死んでいるのだろう。

何となく分かる。



『すみません。人員も武器も何もかも足りず、人は集めたはいいものの、士気はあまり―――』



ラインさんの声だ。



「大丈夫。少なくて平気だから。というかそこら辺にいる動物放つだけでいいよ?アイツら生き物だったら何でも喰いに飛びつくぞ~?何なら植物でもいい」



何それ。

初めて聞いたんだが……



「じゃあ、行くか!」


『クラウス!無事か!?』


「父さん!?」



通話を切ろうとした直前、父さんの声が聞こえた。



『大丈夫なのか!?』


「生きてますよ。ほい」



北原さんが空中で手を動かし、透明なモニターのようなものが目の前に映し出された。



「何ですかこれ!?SFもので見ましたよこんなの!」


「そりゃもう、SFの世界に生きてるようなもんだから、僕達」



戦争状態とはいえ、こういうのを見ると何だかその世界を見てみたくなる。



『大丈夫か!?クラウス!?』


『お兄ちゃん!大丈夫!?』


「大丈夫!1回死んだらしいけど大丈夫!」


『え?何て?』


「1回死んだらしい」


『何言ってんだ?』



ごもっともです。

自分でも理解出来てません。



『とにかく、レイドも今回行くらしいぞ』


「ああ、そのレイドくんに変わってくれるかい?」


『え?分かりました……』



レイドさんがどうかしたのだろうか?



『もしもし』


「君、どこまで魔法使える?」


『……未来も見ることは出来ますよ』


「君がこれに参加する理由はそれか」


『…………………………』



未来が、見える?


レイドさんは、何の未来を見たのだろうか?


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