13話 新たな敵の存在
--クラウス視点--
地下への行き方…
なぜそれを教えてくれなかったんだろうか?
さっきみたいにどこかにボタンがあるのか?
だとしたらどこに?
思い付いたのを手当たり次第試しているが、地下への行き方は未だに分かっていない。
「なんで教えてくれなかったんだy―――」
一瞬、何かが見えた。
いや、頭に何かが過ぎったと言った方がいいか?
けど何があったかは思い出せない。
けど、そのおかげで地下への道がある場所が自然と分かった。
「ふぅ~……はああああ!!」
剣を思いっきり床に叩きつけた。
床は割れ、再び階段は現れた。
「…………………………」
階段を下りる。
何か嫌な感じがする。
何故だかは分からないけど。
階段を下りたが、暗くて周りが良く見えない。
5分ほど経って周りが見えるようになってきた。
近くに明かりをつけるスイッチを探し、見つけたらすぐに明かりをつけた。
そこに巨大なコンピュータが何百ほどの数があった。
この膨大な数のコンピュータの内、どれを再起動すればいいのか?
分からなかったが、とりあえず近くにあったレバーを引いた。
数秒明かりは消え、何か音が聞こえてきた。
『システム再起動……完了しました』
機械音声が聞こえ、再起動に成功したのが分かった。
再起動したとして、これからどうすればいいのだろうか?
『あーあー。聞こえる?』
「あれ?その声……さっきの?」
『そそ。再起動してくれたみたいだね。この行動はいつか君も役に立つが来るから。だから1つも壊さないでね』
いつか役に立つ?
さっきからこの人の言ってる内容が良く分からない。
「一体このコンピュータってなんですか?」
『う~ん……君には分からないと思うけど、それでもいい?」
「じゃあいいです。というか、なんで地下への行き方教えてくれなかったんですか!?」
『え?最初から階段があったはずだけど?』
「ありませんでしたよ!床を剣で叩きつけたらやっと階段が見えたんですよ」
『なるほど。まあいいや。とりあえず君はそこで待ってて。僕は君達の指揮系統と連絡を取ってくるよ』
「そんなことできるんですか?」
『まあ見てなって』
--ライン視点--
『あーあー、聞こえるかい?』
「!? その声、ゼウス様では?」
『正解。それで、状況とか教えてくれないかな?』
「分かりました。では―――」
---
『なるほどね。シリンダーの確保ができたらその部隊は一旦撤退させて』
「分かりました」
『それと、白い奴が現れたら気を付けて』
「白い奴……ですか?」
今の所はそんなものが来ているという報告が無い。
だがもし来たら……
『ああ。その白い奴は生物であって、魔物ではない。』
「あの、その違いがよく分からないんですが……」
『全ての生物は少なからず魔力の影響を受けてるのは知ってるよね?』
「はい。結界から染み出た微量な魔力の影響を受けているというのは知っていますが……」
『魔物は魔力の特性を生かして作られた生物モドキ。本当の生物の方が厄介なんだ。詳しい説明はすぐには出来ないけどね』
「はぁ……」
『その白い奴を倒すには一定時間魔力に一切近づけさせないという方法しかない。いや、なかった』
「過去形、ということは他にあるんですか?」
『うん。ある。ただ、君たちにとっては無いに等しい』
「どういうことですか?」
『僕が君達人間に渡した剣があるだろ? それを使う』
「人間に渡した剣……」
確か以前ルークが持っていたあの剣、伝承に伝わる伝説の剣とか言ってたっけ?
『僕が特別に指名した人間がいただろ?えっと名前は……クラウス・アレリウスだったか?』
「確かに今はあの子が持っていましたね」
『あの剣はあの子しか力を引き出すことはできない』
「……え?」
『だからあの子だけは絶対に死なせるな。頼む』
ここで通話は切れた。
あの子にしか力を引き出すことは出来ない。
もし本当なら、少しマズいかもしれない。
「聞こえたかレイド!出来るだけ早くクラウスくんの元に行ってくれ!」
『……しばらくは無理そうです』
「はぁ!? なぜ?」
『……今、魔物の本拠地らしき場所にいます。魔物を一気に倒すなら今だと思いますが』
「何!?敵の本拠地にいる!?」
『はい』
「そこは……今どこにいるんだ?」
『分かりません。魔力反応を追ったらここに』
魔力反応を追うってどういうことだ……
相変わらず俺達には出来ない事を平然とやってのけるなアイツは。
なんかもう、痺れもしないし憧れもしない。
にしても、敵の本拠地、ね。
「そこの様子を教えてくれ。どんな物があるかとか詳しく教えてくれ」
『詳しく説明できますかね?何か……実験施設のような、でもどこか違うような……魔物がズラッと並んでいますが、動く様子はありませんね』
「そう、か……」
『どうします?ここの施設ごと消しますか?』
「いや、戻って来てくれ。何か……嫌な予感がする」
『分かりました』
何か予兆があるわけではない。
だが何か嫌な予感がした。
ただの勘、ではあるんだが。




