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オラシオン  作者: とりあえず全国の山田に捧げる
2章 アルケニア
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12話 命を懸けた者達


この世界の神である存在が、俺を殺してこの世界に呼び出した……?

というかそもそもどうやって俺のことを殺したんだ?



「何……言ってんだよ!姿も見せずに!喋ってる暇あるならこっちに来いよ!」


『……今はそっちに行けない。だからこうして話してるんだ』


「じゃあ、なんで俺を殺した!そもそもどうやって殺した!?この世界は何なんだ!答えろよ!」


『君には話せない。というか、その理由を思い出せばいいじゃないか』


「ふざけんな!思い出すも何もそんなの分かんねぇよ!」


『すまないが、時間はあまり残されていない。とりあえず今は魔力について教えてあげるよ』



俺を殺した理由も、この世界についてのことも答えてくれない。

けど教えるのは魔力についてだけって……ふざけんなよ……!



『……君たちが魔力と呼んでいるものは、世界を大きく変える程のエネルギーだった。

一部の物理法則を無視、時空への干渉が可能、おまけにイメージの力で自在に変換できるときた』



……何となくそういうものだって考えていたけど、改めて説明されると魔力って凄いな。



『君をここに送り出した理由。なぜ魔物が生まれたか。なぜ僕達がこの世界を創ったか。全ての元凶はその魔力だ。……君のお母さんや友達が喰われたのも、全部だ。今僕が言えるのはこれだけだ』


「……え?」



何を言っているのかよく分からない。

魔力が全ての元凶?

魔力が無かったら、人が死ぬことは無かった?

魔力が無かったら、こんな世界を知らずに済んだ?


魔力が無かったら―――



「なんで……なんでだよ……全部話してくれよっ!こっちは何が何だか分からないんだ!」


『…………………………』


「俺は……こんな訳分かんない世界に生まれ変わって、怖かったんだ。でもその怖さを共感できる人も、相談できる人すらいない……!それでようやく慣れてきたら今度は母親があんな化け物に喰われて……っ!」



俺は……俺は……



「……母さんの写真は、今持ってる……これだけだ。これがあるから、まだ母さんのことを覚えていられてる。けどもう……母さんの声、忘れちゃったよ」


『………少しでもミスをしてしまったら計画は全て無駄になる。君は希望だ。申し訳無いと思っている。だがどうか、僕の言うことを聞いてくれないか?』



言う通りにしたら、誰も死ななくていいのか?

俺も、皆も、幸せに生きていけるのか?



「……分かり、ました」


『ありがとう。とりあえず、君は1人でそこから更に地下に行って、置いてあるコンピュータを再起動してくれ。

レイド・ベルフェドラ、だっけ? 君は魔物を倒しに行ってくれ』


「了解」



そこで会話が途切れた。

通話が終わったのだ。



コンピュータを再起動する?

なんでだろうか?


……どうせ考えたって分からないんだ。

行かなきゃ。



「じゃあ、僕は魔物を倒しに外に行く。まあその、死なないで」



死ぬ覚悟なんてとっくの昔にできてる。


さあ、仕事だ。

地下に行かなきゃ―――



「……地下って、どうやって行くんだ?」




--ルーク視点--




「魔物、多いな。減ってるのか、これ」


「やっぱりそう思います?国の様子も、数日前とあまり変わらない気がしますし」



何か妙だ。

それに、嫌な予感もする。


俺の場合、嫌な予感ってのは大体当たっちゃうしな……



「うわああああ!!やめろおおおお!!」


「嫌だッッッッ!!放せッッッッ!!」


「バカ野郎!闇雲に撃つな!うがっ……」


「落ち着け!……クソッ!誰かそいつを撃ち殺せ!」



……数が一気に増えてきた。

けど一ヶ所に集まってる今なら。



「爆弾はあるか!?」


「あ、はい!ここに!」


「あそことあそこの柱に投げつけて建物を崩壊させる!それで魔物を巻き込んで足止めする!」


「「「了解!」」」



これで何とか耐えてくれればいいが。



すぐさま爆弾は投げつけられ、建物の崩壊に巻き込まれ一部の魔物の侵攻を止めることができた。



「やったぞ!」


「今のうちだ!弾丸を撃ち込めえええええ!!」



これでかなりの数を倒せた。



「……嫌だ……もう……もう……!」



まだ魔物の数はいるってのに、この様子。

ちょっとマズいな。



「今ここで退かなければ恐らく死ぬだろう。だが退けばこの世界に未来は無くなるッ!なら掴もうぜ、俺達で!」


「「「おおおおおおおお!!!」」」




--カイル視点--




「あ、ここですよね?指令室って」


「そのはずだ。行こう」



指令室に入り、無数にコンピュータがある。

その内の適当に数台立ち上げ、メインコンピュータへアクセスを試みる。



「確か、ロックの解除は何台か同時にやるんだっけ?面倒くさい仕組みだよね~」


「そう言うなって。準備は出来たか?」


「大丈夫~」


「こっちも行ける」


「了解。じゃあ行くぞ?せーのっ!」



その直後、ロックが外れたかのような音がした。

音が聞こえて1秒ほど経ち、地面から大きい機械が現れた。



「これがメインコンピュータ?」


「みたいだね。行こうか」



そのままメインコンピュータに向かおうと思っていたが、気付いたのはたまたまだった。

1つだけ、他のコンピュータにはないファイルがあったのに気付いた。



「何だこれ」


「どうしたの?」



そのファイルを開いてみた。

音声データのようだ。



『―――ダメだ』


『しかしこのままだとこの国は滅びます』


『国の弾は国民に向けてはならない!ましてや威力も分からないミサイルなど使えん。何があっても使わない……!』



たったこれだけだった。

ただ、分かったことがある。



「何それ?」


「音声データのようです。アルケニアが襲撃された後に出来たものですね」



音声の中にあった声の主、1人は分かる。

このアルケニアの国王。


何故こんな音声があるのかなどの疑問は残る。

ただ、重要なことが分かった。


国王はミサイルを撃つという選択はしていない。

国王の急な心変わりは考えづらい。


アルケニアの崩壊は第3者の行動によるもの。

もしかしたら、魔物の襲撃だって人の手によるものかもしれない。

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