〜 悲劇のハジマリ 〜
自部屋に戻り、勢いよくベットに転がり込んだ。目を閉じるとあの悪夢が鋭く脳裏に浮かんだ。小学生の頃は、いじめの影すらなく" みんななかよし " という雰囲気の中生活していた。しかし中学校に進むと、尖り出す子や周りに劣らないように必死に威張り出す子が増えてきた。その中でどんどんいじめの影が見えてきた。見た目にかなりのコンプレックスを持っていた私は内面からも外面からも負のオーラが漂っていた。そんな中学1年生のある日、1人のクラスメイトが教室中に響き渡るような声で呟いた。
「 尾河って○○に似てねーか??? 」
それは誰もが知るような、あるアニメキャラ。決して可愛くない、周りから嫌われる卑劣な、そんなキャラだった。
「 確かに似てるかも!!! 」
「 ○○に似てるって事は超不細工だよな笑 」
好き勝手に口々と言うクラスメイトの声に私は耳を塞ぎ込みトイレに駆け込んだ。
そこからが悪夢の始まりだった。
中学2年生に上がり、そのいじりはいじめにエスカレートしていた。掃除中に真面目に掃除をしていると黒板消しが背中に直撃した。
「 尾河ごめん。コントロールミスった!わりぃわりぃ! 」
「 大丈夫だよ。 気にしてない。 」
私は必死に笑顔を作り、黒板消しをキャッチボールのようにして遊ぶ彼らに向けて言った。1度や2度なら、たまたまコントロールをミスって当たったというのも信じられるが、それも毎日だった。他にも、たまたま廊下を通り過ぎる他クラスの男の子達の片方が私の方を指差しながら笑いながら言った、
「 アレってお前の彼女だろ、?? 」
「 なわけねーだろ。笑わせんな。俺の彼女はあんなブスじゃねーわ。 」
たまたま教室の窓が空いていて会話が筒抜けだった事が災難だった。聞かなくていい事を耳にして私は机に顔を塞ぎ込んだ。外見に対する直接的な悪口や肉体的ないじめも毎日毎日受けてきて我慢出来ず今に至る。