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欠損少女  作者: 同時斬
35/36

第35話、それはチート能力やハーレムより大切なモノ

第35話、それはチート能力やハーレムより大切なモノ




 「うっ……んん……」


優が目を覚ますと、知らない場所にいた。

周りを見ると、床や壁が白い大理石で出来たいる。

どうやら神殿のような建物の中のようだ。

優は、ここに来る前のことを思い出す。




 優が番組で長縄跳びのチャレンジを成功させてから数日後……

優のところに来た番組の担当アイドルが薬物所持で逮捕された。

これにより優の映っていた画像のほぼ全部がNGになってしまった。

結果的に優は悲劇のヒロインや憐みで全国から観られることは無くなった。

近所の人たちとは、以前のように挨拶するくらいまでの関係に戻れたのだった。

おそらく裏でマリリンたちが動いていたのだろうが、優は知らないのだった。

そして優が最後に覚えていたことは、まんじゅう先生とレアチーズ、紫はんぺん、マリリンたちと一緒にREINをして楽しんでいたが、まんじゅう先生が実は締め切り1時間前だったのに隠れてREINしていたのがバレてスマホを浜口に没収された【浜口もマリリンだからね】。

それから先生が居なくなったので解散して、それから少し勉強をして……

そこから後の記憶が優には無かった。


『勉強中に寝ちゃったかな?』


優は立ち上がろうとして驚く。

無くなったはずの右腕と右足がある。

優は驚きはしたが、すぐに冷静になる。


『やっぱり夢だよね……』


そう納得して立ち上がると床が光る。

魔法陣のようなものが描かれて、中から白髪の老人が現れた。

老人が優に言う。


「目を覚ましたようじゃな。」


「どなたですか?」


優の質問に老人が自慢げに言う。


「そうじゃのう、お主の世界でいう神様みたいなもんじゃよ。」


優は、そう言われて理解した。

これは、まんじゅう先生が書いてる小説みたいなことなんだろうと……

ただ、先生の話は普通の作品より、かなり内容がアレな感じではある。


「実は君は本来あの事故で死ぬ運命だったんじゃが、誰かが助けてしもうたんじゃろうなあ。」


「先生……」


偶然だったにしても、まんじゅう先生が優の命を救ったのだった。

まんじゅう先生が応急処置をして救急車を呼んでくれたことは、母親から聞いていた。

優は先生に感謝してもしきれないくらいだ。


「お主が望むなら好きな異世界に転移、転生させてやろう。もちろん転移なら右腕と右足を元に戻してのう。好きなチート能力もお主に与えてやろう。いろんな人から少し行動するだけで感謝されてうやまわれ、れられて、ハーレムも作れるぞ。」


と老人に言われたが、優は即答で……


「お断りします。」


とキッパリ言う。


「すみませんが、元の世界に戻してください。」


「構わんが……それだと右腕と右足が無くなってしまうぞ、それでもいいかの?」


「構いません。先生やレアチーズさん、紫はんぺんさん、マリリンさん、お母さん、浜口さん、アズミちゃん、クラスメイトのみんな、他にも大勢の人、そして……お父さん。みんなとの関係を捨てて異世界に行くなんて、できません‼」


「分かったわい。」


老人が呪文を唱える。

すると、優の足元に魔法陣が現れて優を光に包むと、光が消えると同時に優の姿も消えていた。

老人は独り言で、


「異世界に送ったチート能力者たちより、よっぽど強い娘じゃのう……」




 優は目を覚ます。

机で左手で鉛筆を持ったまま寝てしまっていたようだ。

もちろん、右腕と右足は無くなったままだ。

やはり、あれは夢だったのだろう。

だが、優は無くなった右腕と右足を見て安心する時がくるなんて、思ってもいなかった。

それだけ大切なモノが出来たのだ。




続く

次回、最終回です。









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