第33話、自分の実力を理解していない脚本家はタチが悪い
第33話、自分の実力を理解していない脚本家はタチが悪い
撮影当日。
学校にはテレビ局以外にも撮影風景を見ようと野次馬が大勢押しかけていた。
学校の先生や警備員たちが人員整理する。
優のクラスの保護者や関係者を優先して校庭の応援席に入れる。
「フレーーーーフレーーーーーーーー優ちゃーーーーーーーーん、ンゴーーーーー!!!」
まんじゅう先生が学ランを着て、何故か応援団の団長をしている。
またフィーリングで行動してますね、先生。
レアチーズと紫はんぺんも学ランを着て応援を手伝わされている。
「先生……」
優は恥ずかしくて顔を赤くしていた。
「先生、優ちゃんにプレッシャーかけたらアカンで。」
「ウッホウッホホ。」
「コンニチワ先生。」
「浜口!!!!!!!!あと相方1号2号!!!!!!!!」
変酋長の浜口と絵師の武田【ゴリラ】とコミカライズ担当の金沢【ロボット】だった。
「勿論、優ちゃんの応援やけど、終わったら原稿の続き書いてもらわんとな。」
「うっ……嫌なことを…………………………(。´・ω・)ん?いいこと思いついたンゴーーーーー!!!優ちゃーーーーーーん!!!!!!!!」
まんじゅう先生が大きな声で優を呼ぶ。
長縄跳び用の義手と義足に替えた体操服を着た優が、まんじゅう先生に呼ばれて来た。
「なんですか先生?」
「ちょっと聞きたいンゴけど、あそこの二人は優ちゃんには、どう見えるンゴ?」
まんじゅう先生は指を差して武田と金沢を優に見てもらう。
優も二人がゴリラとロボに見えるか試してみた。
優は不思議に思いながら……
「体の大きい毛深い人と、少し青白い小さな人ですね。それが何か?」
「あっ、そう…………………………ありがとうンゴ…………………………」
「はあ?」
優の答えを聞いて、マジで凹む先生。
締め切り前の仕事が終わったら、本当に精神病院に行くことを考えて、ふと気付く。
「警備員が入場制限しているのに、どうして3人は入れたンゴ(。´・ω・)?」
紫はんぺんは旗を振り、レアチーズは和太鼓を叩いて応援の練習をしていた。
そこに変酋長の浜口が声をかける。
「よう、頑張っとるな、お二人さん。」
「……お前、マリリンか?」
と浜口を見て紫はんぺんが尋ねる。
「せや、まあ正確には、お前ら、やけどな。」
と答える浜口。
要するに、浜口、武田、金沢もマリリンだったのだ。
一体、マリリンは何人いるのやら……
「他にも大勢マリリンは来ているみたいやで、まあ警備員や教師にもマリリンは居るからなあ。」
「マジかよ……」
「事情は全マリリンに伝わっているからなあ。」
時間は前回の話の終わり後の時間まで遡る。
まんじゅう先生は、ムチを振り回して校庭を走っていたが、3周で倒れてしまう。
日頃の不摂生と運動不足が原因だろう。
生徒たちは自主的にランニングを続けていて、優が先生の看病をしている。
「先生、大丈夫ですか?」
「はあ……はぁ……なんか喘ぎ声ぽくって、エロい感じンゴね。」
よし、いつものアホの先生だ。
金髪ロングの女性のマリリンがメガホンを取り出して走っている生徒たちに使って言う。
「みんなー、ちょっと集まってー‼」
走っていた生徒たちは、マリリンの指示に従い集まってくる。
マリリンは咳払いをしつつ、みんなに1冊の本を見せながら言う。
「番組の台本が手に入ったから、みんな目を通しておいてね。」
そう言ってマリリンは番組の台本のコピーを皆に渡す。
どうやって手に入れたのやら……
内容は何度もワザと失敗させてやる気を失くし、アイドルがしっ咤激励させて、やる気を取り戻して目標を成功させる、というヤラセの内容だった。
「で、優ちゃんは、これのままでいいのかしら?」
とマリリンが優に尋ねる。
優は……
続く