第29話、珈琲ゼリーの美味しい喫茶店は至高
第29話、珈琲ゼリーの美味しい喫茶店は至高
ヤクザの男はスマホで誰かに連絡していた。
おそらく他のマリリンだろう、それもヤクザの男より上の上司的なマリリンに……
「そうですか、了解しました。」
ヤクザの男は会話が終わるとスマホを懐に入れてから、茂みから出てきたレアチーズと紫はんぺんに向かって言う。
「許可を貰ったから、2人に説明してやるよ。場所を変えるぞ、ここだと……」
「こっちだ、いたぞーーーーー!!!」
警備員や学校の先生が、見つけた紫はんぺんを捕まえようと集まってくる。
「なんで、俺ばっかり‼」
『『どう考えても、その格好のせいだよなあ。』』
とマリリンとレアチーズは思った。
まあ、レアチーズとマリリンもギリギリセーフな感じだけどね。
学校の外へ逃げていく紫はんぺんに、マリリンはREINで集合場所を指示しておいた。
中学校から少し離れた喫茶店に3人は集合した。
レトロな感じの喫茶店で、このマリリンの馴染みの店のようだ。
なので、多少の事はマスターも聞かないでいてくれた。
まあ、この3人の恰好をね……
店の一番奥の席に3人で座る。
紫はんぺんは珈琲を、レアチーズはチョコレートパフェを、マリリンは珈琲ゼリーを注文する。
それぞれ注文した物を口にしながら会話する。
「じゃあ、詳しく教えるか。お前たち2人ならいいと許可が出た。それだけ他のメンバーから信頼されているんだろうなあ。」
「まんじゅう先生が複数人説あるけど、マリリンが複数だったとは思わなかったお(*^。^*)。」
「先生の場合、酷い物忘れ……更年期障害の可能性があるけどな……」
「複数で活動を始めたのは、2年くらい前からだったかな。元々はどこかの会社の会長が趣味で活動していたんだ。」
「俺のイベントに投稿された作品って……」
紫はんぺんがマリリンに確かめる。
「会長が書いたやつだな。」
「やっぱり作風が違いすぎたはずだな。」
「その会長が亡くなったんだが、その時にマリリンを終わらせるか、継続させるかわからなくてな、取り敢えず人気が無くなるまで継続することになったんだ。ただ、引き継いだ者たちが、その道のプロたちだったんだ。元プロゲーマー、引退した動画投稿者、シナリオライターなどな……」
「マリリンさんもヤクザみたいな見た目だけど、違うのかお(。´・ω・)?」
「……ヤクザだよ。」
『『マジか!!』』
二人は目の前のマリリンは見た目はヤクザだけど、社長秘書みたいな人だと予測していたのだが……
見たまんまだった。
「色々あるんだよ、汚れ仕事とかな、裏では……。」
「1番聞きたいことが、あるんだけどよ。」
紫はんぺんが珈琲を飲み干してからマリリンに尋ねる。
「優ちゃんの、お父さんがマリリンの中に居るよな?」
ヤクザのマリリンは少し沈黙してから、紫はんぺんの質問に答える。
「……いるよ。」
「なら……」
紫はんぺんが尋ねようとしたが、マリリンが静止させる。
「焦りなさんな、全部答えてやるよ。ただ長いから順番にな。」
マリリンはマスターに珈琲ゼリーのお代わりを注文する。
レアチーズもチョコレートパフェをお代わりしたので、紫はんぺんも珈琲のお代わりをする。
マリリンが説明を再開する。
「それでマリリンの活動が思った以上に人気が出て、それに伴い規模も大きくなり携わる人も増えていった。今では何万人くらい居るのか……」
「「そんなにマリリン居るのか!?」」
「色々いるのさ、雑用、弁護士、報道関係者、政治家、俺のようなヤクザとかもな。そんな中に優ちゃんの父親もマリリンに関係していた。」
と、長くなりそうなので続きは次回です。
思った以上にマリリンの設定が凄いw
続く