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欠損少女  作者: 同時斬
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第27話、努力が報われるとは限らない

第27話、努力が報われるとは限らない




 参観日当日。

どこで拾ったのか、木の棒を突きながらフラフラしながら、まんじゅう先生が優の学校の前に現れた。

なんとか、いつもの外行きの洋服を着ていた。


「な……なんとか服を着れるくらいまで、や……瘦せれたンゴ……、血の出るような……、努力をしたンゴ……朝昼晩は優ちゃんのとこの食事のみで我慢し【いつもは他に10時のおやつ、3時のおやつ、夜食、寝る前に晩酌をしてる。あと優のところでも丼3杯くらいゴハン食べてた。】町を何周もランニングしたンゴ……【締め切り破って浜口から逃げて町中追い回されただけの自業自得。】努力が報われたンゴ……」


まず、まんじゅう先生にとって努力とは一体……

あと、それでも服がキツキツのパンパンな状態だった。


「先生、お久しぶりだお(*^-^*)。」


まんじゅう先生の背後から白いゴスロリ衣装のレアチーズが、まんじゅう先生を見つけて走ってやってきた。

やっぱりレアチーズは包帯に眼帯の中二病状態だった。

まんじゅう先生を見てレアチーズは言う。


「以前、遊園地行った時より、ふっくらしてますねw」


「ぐはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


レアチーズの言葉に、まんじゅう先生の精神にクリティカルヒットした。

レアチーズは、まんじゅう先生がダイエットしていないと思っていたようで……

まんじゅう先生は、もっと努力しようね。




 レアチーズと、まんじゅう先生は一緒に優のクラスにやってきた。

二人を見つけた優は笑顔で手を振る。


「先生、レアチーズさーん。」


振っている手は右腕、新しい義手だった。

見た目はマネキンの手に近い感じだ。

岩田が今日のために気を使ったのだろう。


「コラーーーーーーーーーーーー!!!待ちなさーーーーーーーーーーーーーーーい!!!!!!!!」


大きな声が校庭から聞こえたので、みんなが校庭を見ていた。

優や、まんじゅう先生たちも校庭を見てみる。

先生や警備員の人達に、紫の特攻服を着た金髪リーゼントの暴走族の男が追いかけられていた。

それを見て、まんじゅう先生が言う。


「あっ、紫はんぺんンゴね。」


「「えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!」」


優とレアチーズが一緒に驚く。

まんじゅう先生は以前動画の企画で会ったことがあるので驚いていない。


「元、暴走族のヘッドだったンゴ……あれが一張羅いっちょうらなんだンゴ、私に会う時もアレだったンゴねえ。」


そりゃ、こんな格好で来れば警備員に止められる。

納得する優とレアチーズだった。




 数時間後……

茂みに隠れて警備員達から逃げきった紫はんぺん。


「クソッ、保護者代わりで来たから怪しい者じゃないって言っているのに、全く聞かねえ連中だな。」


「いや、その格好で言われても説得力がないお(*‘∀‘)。」


紫はんぺんを見つけたレアチーズが、背後から話しかけてきた。


「うおっ、なんだレアチーズか……」


「あれ?初対面なのに、なぜわかるお(。´・ω・)?」


「まんじゅう先生や優ちゃんから聞いてたからな……本当にゴスロリ衣装だったな。もう授業参観は終わったのか?」


「うん、何事もなく終わったお。」


まんじゅう先生も猫を被っていたので、特に騒動も起こらなかった。

まあ、ギャグマンガか相当イカレたヤツでもないかぎり、授業参観で問題を起こすやつもいないだろう。

レアチーズの恰好は目立っていたが……


「今は、まんじゅう先生が保護者で三者面談をやってるお。どうして私は駄目だったんだお(。´・ω・)?」


「その格好が問題なんだろ。」


「おまいう。」


と二人が言い争っていると、紫はんぺんが他に人が来たのに気付き、レアチーズと一緒に茂みに隠れる。

警備員たちかと思ったが違った。

一人の中年の女性とヤクザのような男性の二人だった。


「あっ、あの女性、優ちゃんの、お母さんだお。優ちゃんに写真見せて貰ったから知ってるお。」


「そうなのか?なら、あのヤクザみたいなのは……」


二人が人目を忍んで会話を始めたので、紫はんぺんとレアチーズも隠れたまま会話を聞くことになった。




続く










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