第25話、良いことばかりじゃない
第25話、良いことばかりじゃない
前回に引き続き、マリリンがバトロワ系FPSをプレイしている。
今回も遮蔽物に隠れながら、最終局面まで生存していた。
マリリン以外に2人いるのだが、どの位置にいるのか不明だった。
「下準備完了ですぞ。」
まず、マリリンが仕掛ける。
移動しながら、持っている煙玉を投げまくる。
安全エリア全体が煙に包まれる。
音に敏感な敵がマリリンの足音に反応して、場所を予測して発砲する。
それくらいマリリンも考えていた。
被弾覚悟でしかけた作戦だ、マリリンは被弾したがやられてはいない。
発砲音で、もう一人が場所を特定して攻撃を始めた。
回復に専念するマリリン。
二人の戦いのあとに漁夫の利を得るつもりなのだったが、思ったより早く終わった。
マリリンを完全に回復させまいと、敵が急いでマリリンの隠れている場所に向かう。
「それも予想通りですぞ。」
敵はトラばさみの罠にかかり、動けなくなった。
そこを背後からショットガンで撃つマリリン。
チャンピオンのアナウンスが流れて……
「またチャンピオンになれましたぞ。」
「酷い、息をするように卑怯な戦法をする。そこにシビレない憧れない!!!!」
「ぐへへへへへっ、さて次はチーム戦の方を遊んでみますぞい。」
マリリンの呼び出しを受けて、二人のプレイヤーが現れた。
マリリンが二人を紹介する。
「こちらプロの高橋さんと、前田さんですぞ。」
「コラー、マリリーーーーン!!!お前プロゲーマーを雇う金があるのなら、ポルナレフにバーボンウイスキーを奢るのですーーーーーー‼」
「違いますぞポルナレフ。この二人は将棋のプロですぞ。ちなみに、高橋プロは2段で前田プロは4段ですぞ‼」
「なんでだよ!」
だが、この二人のプロ【将棋】が驚くほど強かった。
腰撃ちだけで、敵をヘッドショットしまくる。
「こいつら並の動画投稿者より上手いじゃんかよ。」
「対局や仕事が無い時は、寝ているかFPSゲームしているかだけなので、そこら辺のやつらより滅茶苦茶強いのですぞ。」
「もっと将棋の勉強しろよ、って言うかどうやって2人と知り合いになったんだ?」
「野良でマッチした時に雑談をして、愚痴を聞いているうちに親しくなったんですぞ。将棋を始める子供が増えたけど、指導が大変でセオリー通り打たない子が多いんだと。丁寧に駄目だよ、と教えてもアノ天才の人が、これで勝ってたって言うからね。実際、他のプロに勝っているし、説明できない打ちすじが多いから指導が大変なんだとさ。」
「アノ天才、小学生の女の子を内弟子にするラノベ主人公の数倍強いからなあ、有り得ない強さの設定にしたのに、しかもアニメ放送の時にワイドショーとかで取り上げられたから、比較されやすかったんだよなあ。」
とまあ、マリリンとポルナレフが雑談しているうちに、二人のプロ【将棋】がキル数を増やしていく。
マリリンがアイテムを管理しつつサポートに徹して、二人のプロが戦場を蹂躙していく。
シングル戦よりも早くマリリンたちのチームがチャンピオンを確定した。
「マリリン、ポルナレフは、このゲームのことを、もっと詳しく知りたいですーーーーーーー。」
「おっ、もう知りタイムの時間か、分かった分かった。このゲームは……」
細かい設定がめんど……ゲフンゲフン、長くなりそうなので紫はんぺんが動画を切った。
紫はんぺんが動画を見終わってから少し考えて……
「やっぱり、そういうことなのか?」
何かに気が付いた紫はんぺんだった。
続く