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欠損少女  作者: 同時斬
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第22話、宇宙の毒蛇

第22話、宇宙の毒蛇




 優と先生は、今回とある大学に来ていた。

大学に用事があるのは優で、先生は保護者代わりの付き添いだ。

ここを紹介したのは、REINで会話していたマリリンだった。


マリリン「優ちゃん、義手や義足に興味あるかな?」


と言ってきた。

確かにあると生活に便利ではあるが、とにかく値段が高い。

体に合わせないといけないし、使う用途で複数必要になるし、成長すると替えないといけない。

だから、普段の生活なら必要ないだろうと考えていた優だが……


マリリン「知り合いの大学で中学生くらいの義手や義足のテスター欲しがっていたんだよね。優ちゃんが良ければ、お願いしたいんだけど……」


アルバイト代も出るうえに、優に合う義手と義足が貰える。

あまりにも美味しすぎる話だった。


まんじゅう@人妻<ウソ〉「話が美味すぎるンゴーーーーーーー!怪しいンゴーーーーーーー!」


マリリン「じゃあ、先生も付き添いで行けばいいよ。『仕事サボって行く気だなあ。』」


という感じでマリリンに大学を紹介された。

そこでは、ロボットの腕や足の開発をしていた。

海外で地雷で手足を失った子供たちに義手や義足を寄付するなどの活動もしている。

白髪の恰幅かっぷくのいい老人が優と先生に挨拶してきた。

おそらく顧問こもんの先生だろう。


「どうもどうも、顧問の岩田です。」


「どうもンゴね。」


「お話は代理の方から伺っております。どうぞ、こちらへ……」


『またマリリンさん本人じゃないのか……』


優はマリリンが何者なのか気にしていた。

これだけ色々と調べて優のためにやってくれるマリリン。

謎は深まるばかりである。

優と先生は、試作の義手の置いてある部屋に招かれる。

テーブルの上に何本が義手が置いてある。

岩田は、そのうちの一つを手に取りながら説明を始める。


「主な目的は義手や義足のコスト削減と軽量化ですが、他にも便利なギミックを搭載とうさいしてみたりね。例えばこの義手だと手首のところを外すと中から……」


カランと音を立てて、義手の中から御箸おはしが出てきた。

どこかの漫画みたいな展開だったが……


「うわっ、凄いし便利ですね!!」


『えっ!?突っ込まないで褒めるンゴ!?????』


目を輝かせて驚く優と、戸惑う先生。

更に優はアドバイスをする。


「使う人が日本人とは限らないから、御箸より先割れスプーンとかの方がいいかも。」


「おお、なるほど確かに。」


岩田も優の意見に感心する。

二人が楽しそうに会話していると、まんじゅう先生は疎外感を感じる。


「私も話に混ぜるンゴーーーーーーー!」


と言いつつ先生も義手の一つを手に取る。

色々と義手をいじる先生。


「これは、どんなギミックが……ンゴーーーーーーー!」


義手からプラスチックの弾が飛び出して、先生の目に直撃した。

痛みで先生は床を転げまわる。


「痛いンゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


「それは痴漢撃退用ちかんげきたいようにモデルガンの弾を撃てる義手ですよ、元々はこういうのを作りたくて、この道を始めたのでね……いつかはビームライフルを仕込んだやつを作りたいんですよ。」


としみじみ説明する岩田に先生は床を転がりながら、


「それ、どこの宇宙海賊ンゴーーーーーーー!っていうか元ネタ知ってるやついるンゴーーーーーーー!かーーーーーー?」


と叫んでいた。




 優は義手のテストを受けることにした。

先生は優の部屋でどうだったか、優の話を聞くのだった。


「クラスのみんなに驚かれましたし色々と聞かれました。特にいつも包帯や眼帯をしている男子や女子に……」


「あ、なる……」


その時期特有の病気の人達にウケがいいようだ。

これをきっかけに、クラスでの距離も縮まるだろう。

ひょっとしたら、マリリンはここまで計算して優にテスターを進めたのか?




続く


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