第18話、その1日の思い出は宝物
第18話、その1日の思い出は宝物
この遊園地はマリリンがお薦めしてきて、色々と調べていてくれていたのだが……
楽しさだけでなく、バリアフリーが行き届いていた。
どの乗り物が優が乗れそうか、マリリンが調べておいてくれていたが、どのアトラクションでスタッフがどの程度体の不自由な人に補助してくれるのか、など細かく調べていた。
そのレポートのようなプリントを見ながら、先生は思う。
「よく調べているンゴねえ。お化け屋敷の地面が平らじゃないから、車椅子のままで入ったほうがいいとか…………………………」
「でも、絶叫マシン系はNG多いお、優ちゃんは絶叫系は好きかな(。´・ω・)?」
「特に好きでも嫌いでもないですね、とりあえずコーヒーカップ辺りを乗りたいです。」
「それはOKみたいンゴねえ……じゃあ、行くンゴーーーーーーー!」
という感じで、時間の許す限り色んなアトラクションを周る。
メリーゴーランドやコーヒーカップなどの定番のものから、優が乗っても大丈夫なジェットコースターやカート、大迫力の3DVRや巨大なステージでのショーなど……
優以上に先生が楽しんでいた。
「楽しいンゴーーーーーーー!!!!!」
お昼になったので、広場でレアチーズが作った弁当を広げて食べる。
唐揚げやハンバーグなど、肉類が多かったので先生のために作られた感じだ。
「やっぱりレアチーズの作る弁当は、旨いンゴーーーーーーーーーー!クチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャ。」
「先生とレアチーズさんって、よく会っているんですか?」
優がおにぎりを食べながら、二人に質問する。
二人のやり取りを見ていて、そうなのかな?と優も思った。
「うん、女同士ってのもあるンゴから、たまにオフで会うンゴね。」
「私もよく知らないけど、残り2人とは先生会っているのかお(。´・ω・)?」
レアチーズも、お茶を飲みながら先生に尋ねる。
「紫はんぺんとは、動画の企画で何度か会ったことがあるンゴが、マリリンとは会ったこと無いンゴよねえ。男か女か年齢も知らないンゴ。」
「あの人、色々詳しいけど自分のことに関しては秘密が多いお。」
優も色々と相談を聞いてもらっていたので、どんな人なのか興味はあった。
そんな話題をしながら、楽しく昼食を終える。
昼食の後は、モノレールで遊園地の周りを移動したり、観覧車に乗って遠くの景色を眺めたり、アスレチックで体を動かしつつはしゃいで楽しんだ。
帰る時には遊び疲れたのか、ぐっすり眠ってしまっていた……先生が。
お前かよ‼
「ンゴーーーーーーー!すぴぴぴぴぃーーーーーーーーー。」
「先生は、寝顔もイビキも素敵だお(*^-^*)。」
と、レアチーズが理恵の寝顔を見ながら微笑んでいる。
「遊園地は楽しかったですか?」
タクシーの運転手が優に尋ねる。
優は嬉しそうに……
「はい、とっても。私……右腕と右足を失って、色んなものを失って出来なくなって、もういいことなんて何もないと考えていたんですけど、先生やレアチーズさんや色んな人に助けてもらって、今回もまだ楽しいことあるんだって教えてもらえて、まあ学校ズル休みするのは駄目だと思いますけど、今日の一日はとてもいい思い出です。皆さんにはとても感謝しています。」
「そうですか……」
それから運転手は到着するまで無言になる。
マンションに着くと本来は優の移動の補助のために呼んだレアチーズだったが、眠った先生を運ぶことになった、運転手も一緒に運ぶのを手伝う。
優は遊園地に行ってから嫌な夢を見る回数が減ったそうだ。
まあ、結果オーライといったところだった。
遊園地の経費に関しては先生がゴネまくって、なんとか小説の取材費ということになった。
続く