第17話、経費で遊ぶ優と先生とレアチーズ
第17話、経費で遊ぶ、優と先生とレアチーズ
翌日、朝の9時くらいにマンションの1階の階段の前に集まる優と理恵。
優の格好は、白いワンピースに白い麦わら帽子、手足の白い包帯に合わさって、痛々しさを気にならないくらい可愛く似合っていた。
理恵は、珍しくシャツとスカートだった。
優が理恵に尋ねる。
「先生、駅に向かわなくていいんですか?」
「もう一人来るンゴ。それと…………」
理恵が優に何か説明しようとした時、遠くから走ってこちらに来る人がいた。
大きな声で手を振っている。
「まんじゅう先生ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
黒いフリフリのゴスロリ衣装、片目に眼帯、黒い日傘に黒い鞄を持っている女性だった。
漫画のように土煙をあげて、優と理恵の目の前で急ブレーキして止まる。
「先生、お待たせしましたお('ω')ノ。」
「まだ時間は大丈夫ンゴよ、レアチーズ。」
黒一色のゴスロリ姿の女性は、レアチーズの中の人だった。
優も驚きながら、レアチーズに挨拶する。
「レアチーズさんですか!?いつも大変お世話になってます。」
「気にしなくていいお(^-^)。」
「今日の思い出を、しっかり撮影するンゴ。」
と、使い捨てカメラで優とレアチーズを取る理恵。
レアチーズは疑問に思い、理恵に尋ねる。
「先生、スマホで撮影しないんですか?」
「スマホはツブヤイター用に、バッテリーの節約するンゴ。」
「あー、なるほどだお(*^-^*)。」
遊園地で、どれだけツブヤイターする気だよ……
「そろそろ来るンゴ……」
先生が時計を見ながら、辺りを見渡す。
時間近くになった時、道路の曲がり角からワゴン車のようなタクシーがやってきた。
車椅子も乗せれるタイプのタクシーだ。
「1日貸し切りでレンタルしたタクシーだンゴ。更に……」
タクシーの中から電動車椅子が出てきた。
優が車椅子を使わない理由は、学校に行くまでに大きな坂がある為、片手の優だと普通の車椅子では学校に行けない。
電動だと学校には行けるが、教室まで行けないし置いておけるスペースが、学校にもマンションにも無いため、ずっと松葉杖で移動している。
「試しに、これもレンタルしたンゴ。」
「ありがとうございます。でも本当にいいのですか?」
「いいンゴ。これも取材ンゴ。」
何でも取材ということにすればいい、ということでもないのだが……
まあ、車椅子の取材も何かの作品に役に立つかな?
優が車椅子に乗り、二人は座席に座る。
「じゃあ、遊園地に出発ンゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!あと運転手さん、あとで領収書お願いしますンゴ。」
そういうところは、意外としっかりしている先生だった。
平日だったこともあり高速道路を使って1時間も経たずに遊園地に到着した。
人気のある遊園地だが、平日だったので客は疎らだ。
運転手に車椅子ごと降ろしてもらう優。
「チケット買ってくるンゴ。二人は入場ゲートに行ってるンゴ。」
と言う先生にレアチーズが、
「私が買ってきますお。」
「いいンゴ。領収書も貰うンゴから。」
「あぁ……なるほどだお(*^-^*)。」
入場した3人は色んな嬉しそうに話し合いながら、どのアトラクションで遊ぶか選んでいた。
その様子を見たタクシーの運転手は少し嬉しそうだった。
続く