第14話、天才は凡人とは感受性が違う、多分……
第14話、天才は凡人とは感受性が違う、多分……
まんじゅう先生が珍しくツブヤイターをせずに仕事をしていた。
今日は調子がいいようだ。
先生は調子がいい時は物語を1時間に2万文字以上書く。
流石は書籍化作家といった実力だ。
調子よく先生が仕事をしていると、先生にメールが届く。
「(。´・ω・)ん?相方からか……」
相方とは、書籍の絵師さんのことだ。
次の書籍の挿絵の下書きが送られてきた。
先生のイメージ通りの綺麗なイラストばかりだった。
「うーーーーーん、いつも素晴らしい仕事をしてくれるンゴけどねえ……」
と、相方と初めて会った時のことを、まんじゅう先生は思い出していた。
就職活動を辞めて頑張って書いた作品が初めて書籍化される事が決まった日。
松書房の部屋の一室で、綺麗に着飾った先生が居た。
勿論、得意技の猫かぶりだ。
『ううっ、キンチョーーーーするンゴーーーーー!!!』
今日は書籍の挿し絵を描いてくれる絵師さんとの初顔合わせだ。
さすがの、まんじゅう先生も緊張していた。
部屋の扉が開き、変酋長の浜口が入ってきた。
それに連れられて入ってきたのが……
『ふおぉーーーーー!!!ゴリラだとうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!』
背広姿のゴリラだった。
ドッキリで誰かが特殊メイクしているのか?
じっくり見ても、本当にゴリラにしか見えなかった。
「ちょっと浜口ーーーーー!!!」
変酋長の浜口を引っ張って、部屋の隅で小声で会話する。
「これってドッキリンゴか?」
「はあ?何言ってるんや?ちゃんと書籍化しまっせ先生の作品。」
「じゃあ、アイツの見た目は?」
「はあ?少し毛深い大柄な人ですけど?あんまり初対面の人に礼儀悪いのは、あかんで先生。」
浜口が、惚けている感じは無かった。
まあ本当のゴリラがビルに居たら、もっと騒ぎになっているだろう。
どうやら、まんじゅう先生のみゴリラと認識しているようだ。
「ウホウッホウッホホ。」
ゴリラが名刺を先生に渡す。
名刺には武田つよし、と普通に日本語で書かれていた。
つよしは、最近実力をつけてきた新人の絵師らしい。
先生には、つよしの言葉もゴリラ語で聞こえていた。
「ウッホウッホホウホ。」
つよしはノートパソコンに自分の描いたイラスト表示しながら、何か熱心に解説しているのだが……
まんじゅう先生にはゴリラ語なので、訳がわからなかった。
「(* ̄- ̄)ふ~ん、なるほどね~~~~~~。」
なので、適当に相槌をうつ先生。
浜口は、いつもより大人しい先生に不思議そうに見つめている。
大人しかったので、特に問題なく書籍化の話し合いが終わる。
「ウッホウッホホ。」
「はあ、お願いします。」
つよしと握手する、まんじゅう先生。
仕事を終えた、まんじゅう先生は途中にあった公園のベンチに座って頭を抱える。
「マジかーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
と悩んだ先生だったが、家で御飯を食べて風呂入って寝たら、別にいいかと思うことにした先生だった。
まあ、会わずにメールでのやり取りなら、普通だったので。
昔のことを思い出した先生だったが、すぐに仕事に戻る。
つよしには、これでOKのメールの返事を出しておいた。
先生、病院に行ったほうがいいと思うよ。
続く