迷宮脱出なんてヨユーですよ!え、その後?知らないなぁ(汗)
遅くなりました・・・
とりあえず、最優先目標は瞬く間に達成された。
いや、ほんとにすぐに終わったんだよ。
脱出目指せ!と意気込んで少しして、俺は迷宮なのに崩落した場所に行き着いた。こりゃまずいと思って引き返しかけたのだが、ふとあるものに気付いてすぐ戻った。
「・・・光?」
迷宮内では赤い魔力灯が灯されていることは多いが、なんと白い光が漏れていたのだ。ものはためしと考え、剣を刺してみた。土があっさり崩れて外への通路が出来上がってしまった。
以上、ダイジェスト脱出劇でした。
恐らくはさっき俺が落ちたときにここも崩れたのだろう。実はこの迷宮は山の頂上が入口になっていて、いくらか降っていたために、脱出できた現在はその山の中腹あたりにいる。周りは背の高い木々に囲まれていて、木漏れ日がとても気持ちいい。
「・・・くぁ。なんか眠くなってきた」
小さな欠伸とともに目が閉じ始める。ちょっと前までは徹夜も日常茶飯事だったのにな。これも女体化・・・いや、若返りの方の影響か?
ともあれこのまま寝るのはまずい。目を覚ます為に鈍い頭を、回した結果は・・・
「そうだ、木登りしよう」
見た目に合うように、童心に帰るのも悪くないかな、という発想からだった。
最優先目標変更、目を覚ます(木登り)。
「んしょ、んしょ、んしょ」
近くにあるうちの一番高そうな木にしがみついて、登り始める。まだまだ先は長いが、思ったより楽しい。だが――――
「動きにくい・・・」
小さくなってバランスがまだ掴みきれていない上に、今の俺は少女なのだ。つまり、男にはない、その、僅かに膨らんでいる二つのアレがね、擦れるんですよ。何気に痛いんですよ。
木登り開始十数秒、はやくも後悔している俺だったが、意地と根性でてっぺんまで登りきって、歓喜した。
「ま、町だっ!」
木の上から眺めた景色に町が見えたのだ。
これでまともな衣服になれる!やったぁ!
だが、喜べたのはここまでだった。なぜかって?下見てみなよ。
「どうやって降りよう・・・」
ここにきて、間抜けな小猫のような失敗をしてしまっていたことなや気付いた。うん、なんとなくで動いたのが仇になったね。
はぁ。
これ、骨折程度じゃ済まないよねぇ・・・っ?
ご都合主義ですごめんなさいm(_ _;)m