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悪役になった元剣聖ちゃん  作者: ちゃとらねこ
3/17

元剣聖ちゃん

 コメディ多め?

 コツ、コツ、コツ。


 硬いもの同士が軽くぶつかり合う音が耳元で聞こえる。


「・・・ん、んぅっ?うるさいなぁ・・・」


 どうやら床か何かの上で眠っていたらしく、首が少し痛い。それを解す意味合いも兼ねて、周りを確認する。すると―――


「っ!なな何でこいつが!?」


 そこにいたのは、先程の音の発生源らしきやつ。まだそれだけならいい。だが、なんでよりによってこいつが・・・!


一角獣(ユニコーン)が俺の近くに!?」


 ユニコーン。魔獣に類するが、時には聖獣とも呼ばれる、あまり人間とは敵対することのない、比較的安全な魔獣だ。だが、広く知られる知識では、()()()()()が好みだったはず。なら何で男の俺のところに?


「いや確かに俺はまだ初体験もしてないけどさ・・・!けど誓って生娘なんかじゃないっっ」


 なんか、言っててちょっとむなしくなった。

 そんな、一人でウンウンと頭を唸らせる俺にユニコーンは近づいてきて・・・




ぺろっ




「ひゃあああああぁぁぁぁぁぁっっっ!!?」



 こそばゆいくすぐったい気持ち悪い何すんのこのユニコーン(変態角馬)!?お前実は性獣だな!?

 あまりに驚いた俺は床を転がるように退避してユニコーンと距離を取った。

 うぅ、頭ぶつけて痛いんだけど。



ん?



 何で俺、こんなに声高いの?普通なら裏返っちゃうはずなんだけど・・・?


 ユニコーンがまたも近づいてくる。

 くっ!もう舐められてなるものか・・・!

 だが、あるものを目にして俺は固まった。ユニコーンが口に咥えているそれ。あまりに見覚えのあるそれ。


「ステータスボードと服返せぇぇっ!」


 飛びかかろうとして――――


「ふぎゅっ!」


 思い切り顔から石畳に突っ込んだ。

 へたり込んで痛む鼻をさすりながらユニコーンを睨むと、やつは俺のある部分を凝視していた。え、お前って実は男色家・・・?

 一応、視線の先に目を向けて絶句。数秒の後に。




「ひぎゃあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!?」



 所謂、息子というやつがなくなってつるつるになったそこを目にして、俺は本日二度目にして最大音量の悲鳴をあげたのだった。



 つか、視姦すんなこのへんたい〜〜〜〜〜っっっ!!



変態馬には気を付けましょう。

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