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拍手 098 百九十五 「新しい剣」の辺り
「振ると火が出る……」
「火事だけはおこすなよ?」
「振ると氷が出る……」
「出した氷、その後どうなるんだ? 辺り水浸しかねえ?」
「振ると雷が走る……」
「どっかに落ちるのか?」
新しい剣には、何やら色々と機能を付けられるらしい。他にも折れにくくなるとかさびにくくなるとか手入れを軽減してくれるものや、切れ味の向上や振り抜く際の速度上昇なんてものもある。
中でも、この手の面白機能……火が出るだの何だのに気を取られていて、なかなか先に進まない。
「振ると風を巻き起こす……」
「ヤード、いい加減その辺りから離れねえか?」
「振ると光がほとばしる……」
「おーい、俺の声が聞こえるかー?」
「振ると……」
結局、選択肢の多さに決められず、頭を抱えるヤードであった。




