表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
80/177

拍手 080 百七十七話 「地下都市探索」の辺り

 病院に集められたエルフ達は、見た事もない機械類に怯えていた。

「大丈夫よ、何も怖い事はないから」

 そう皆を説得するのは、エサレナだ。彼女の体は大分よくなっていて、今では日中の多くを起きて過ごしている。徐々に体を慣らしていこうという方針だそうだ。

 その一環として、健康診断の為に新しい里から連れてこられたエルフ達の案内役をしている。

 同種族の彼女の言葉なら、傷ついたエルフ達も信じてくれるだろうというのが、ティザーベル達の読みだ。そしてそれは当たったらしい。

 エサレナと同じ王都アデートから救い出されたエルフのうち、未だにベッドから起き上がれない者は半数以下だ。それを多いと取るか少ないと取るかは、人それぞれ。

 動ける者は、エサレナ同様案内役としてそれぞれの場所にいた。

「一番の検査を受け終わった人は、二階に移動してくださーい」

「あ、こっちは三番なので、先に二階の二番検査を受けてね」

「手元の検査表を見て、番号に判子が押されていない検査はまだ受けていないものですよー」

 アデートにいたエルフ達は、治療のついでに既に検査を終えている。一番心配だった性病感染はなかったらしく、影でティザーベルが胸をなで下ろしたのはまた別の話。


 この健康診断で、一番顕著に出てきたのは栄養失調だった。かなり偏った食生活を強いられていたのと、やはり日光不足が主な原因である。

「やっぱりか……」

「でも、このくらいなら栄養補助と運動の支援程度で何とかなるって」

「じゃあ、健康増進プログラムの方、よろしく」

「はいはーい」

 一番都市の機能を使う事なのに、何故か五番都市の支援型であるパスティカがやる気を見せている。

 支援型同士は、主たる支援型の許可があれば、ある程度都市の機能を使えるという話だった。

 この場合、許可を出すのは一番都市の支援型であるティーサで、許可を受ける側がパスティカだ。ティザーベルの知らないところで、ティーサから許可を得たらしい。

 これで新しい里のエルフ達が、健康に幸福に過ごせるといい。あとは、男女比の事くらいか。

 何せ救出したのが女性ばかりなのだ。聞けば、男性も捕まるには捕まるのだが、彼等はある街にまとめて送られるそうで、女性のように数も多くないという。

 いつかは、男性達も救出しなくては。エルフが捕まっている街の情報は入手しているので、しらみつぶしに回っていけばいつかは救出出来るだろう。

 とりあえず、今は健康診断を終えた彼女達を、里まで送らなくては。その辺りをティーサに頼んで、ティザーベルは私室へと戻っていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ