拍手 064 百六十一話 「注文」の辺り
「うーんと……どれにしようかなあ?」
モニタを見ながら、作る服のデザインを選ぶ。意外と細かいところまで指定出来るようで、ちょっと面白い。
「へえ、刺繍もオーダー出来るんだ。まあ、今回はいいか。お、ワンポイントの染めも出来るとか。レベル高いなあ」
「ベル殿」
「うーん……パンツスタイルでもいいけど、ここはやっぱりキュロットタイプにしておこう。本当、デザインの幅が広い。てか、何でこんなスカート広げたドレスまで選択出来んのよ」
「ベル殿」
「下着はオーソドックスなものでいいか。てか、いいなあこの機能。帝国に戻ったら、セロアにも教えてみようかな。絶対作りたがるはず」
「ベル殿!」
「ああ、何? ネル。てか、復活したんだ?」
「先程からベル殿が何やら訳のわからない事を言いながら、その、『もにたあ』とかいうものとにらめっこをしているから、少し怖くなって……」
「これはね、これから私達が着る服を作る為の準備なの」
「それは、先程聞いたが……服を作るなら、まず仕立屋に行くべきでは?」
「ここがその仕立屋よ。縫製工場って、聞いたでしょ?」
「え?」
「え?」
「ここが……仕立屋?」
「みたいなもの、かな? 人はいないらしいから」
「人のいない、仕立屋?」
「裁断から縫製から仕上げまで、全部機械任せみたいだからね。逆に、ここに六千年前の人が生き残っていたら、そっちの方が怖いでしょうが」
「それは……そうなのだけど……『きかい』とは、一体何なのだ?」
「そこからか……」
説明に困ったティザーベルは、ティーサ達に丸投げする。その結果、翌朝には機械を怖がるフローネルいた。
「きかい……こわい……」




