拍手 124 二百二十一「エルフの魔力」の辺り
「そういやあ、なんで魔力の質が違うと、動力炉の再起動が出来ないの?」
「そりゃあれだ。日本と海外じゃ電圧が違うのに近いよ」
「でも、それならアダプタ使えば何とかなるじゃない?」
「近いってだけで、同じじゃないんだよ。そうだねえ……鍵穴が違うって言えば、わかるかい?」
「鍵穴?」
「そう。エルフの持つ鍵はディンプルキーで、人間が持つ鍵はカードキー。種類が全く違うから、そもそも鍵の作りそのもの違う」
「ああ、なるほど」
「質もそうだが、魔力量自体も足りていないよ。あの様子じゃあ、百人連れてきても間に合わないかもねえ」
「それ、病院にいたエルフが特別魔力が低いって訳じゃなくて?」
「逆に、魔法士になれる程の魔力を持った人材が、エルフには少ないって思った方がいいよ。初代の連中も、魔力量が低くて病気になりやすかったんだから」
「え? 魔力量と病気になりやすい体質って、関係あるの?」
「研究はされていたけど、確定はしていなかったかなあ? とはいえ、外部から魔力を照射する事で、ある程度病気回復に繋がったって研究結果もあったし」
「知らなかった……」
「あんた、これまででかい病気にかかった事、ないだろ?」
「そういえば。でも、周囲でも風邪くらいしかはやらなかったし」
「この先も、同じだと思うよ。元々の持っている魔力量が桁違いだ。てか、あんた本当に人間かい?」
「失礼だな!」




