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拍手 107 二百四「助け手」の辺り
焼かれていく。何もかも、全て。
「どうして?」
『あの者達は、神に逆らったのです。当然の結果です』
「どうして?」
『そう、神がお決めになりました』
「どうして?」
『神こそ、真に尊き存在。その神に逆らうなど、存在してはならない』
「どうして?」
『そう決まっているのです』
神なんて、どこにいるの? 目に見えないものを、どう崇めろと?
そして、神の名を唱えながら、彼等がやっている事は罪ではないと?
では、彼等の言う「神」とは、どんな存在なのか?
スンザーナの問いに答える者は、誰もいなかった。
だから、彼女は疑い続ける。だから、彼女はあらがい続ける。あれは、神がなさる事ではない。
あれは、人だからこそやる「おぞましい事」だ。




