第10話
20××年 5月2日
世の中新型肺炎ウイルスで大騒ぎになっている中グラード連邦がまたやらかした
「火星に世界樹の枝植え成育させる事で生命体の適した環境を整え行うテラフォーミング作業が順調に進行しつつある、それに伴いこのダンジョンを何れ火星に移すと同時に火星に我がグラード連邦の首都機能を移す事を宣言する。」
このグラード連邦首相に就任したドベルクの発表は全世界に大衝撃を叩き込んだ
『え?! ダンジョンって移動できるのか?!』
全世界がこう思った
「それと新型肺炎ウイルスに効くと思われるワクチンの開発にも成功した、これはかつて居住していた世界においてとある大国が開発し流出させてしまった生物兵器に酷似しており、その際に製造されたワクチンを基に試験を行った結果効果があった為短期間で開発に成功した物である。」
サラッととんでもない事も発表した
『やっぱりあれ生物兵器かもしれないのか?! てかワクチン作るの早くないか?!』
そして気になるのが流通させる量である
なにせ発生源と思われる中国やそもそも経済優先で対策を碌にしていない南米やその他列強諸国は既に大ダメージを負っていたからそれを癒せるワクチンが有るとわかれば必死にもなる
我先にとそのワクチンを寄越せだのライセンス生産させろと喚きだしたが
『これ世界樹が材料なので世界樹次第で生産量が安定しないし、お前ら何言ってる? 完全に喧嘩売ってきている連中に何で提供しなきゃいけないの? つかそもそもどれぐらい作れるかもわからないから無理』
尚日本や日本の影響力が強い国々はただ
『ワクチン売ってくれたら助かります...ライセンス生産? 流石にそれは無い。』
と意志を統一していた
もっとも日本とグラード連邦は恐ろしい位関係が急速に悪化してしまっていたが...
その理由は4月に起こってしまった事件が原因だった
グラード連邦の人間何人か冤罪吹っ掛けて誘拐して諸外国に売り払おう
警察と検察に裁判所の親大陸派の連中が企んだ事件が起こってしまったのである
具体的には日本各地への投資事業で彼方此方を車で移動しているグラード連邦の担当者達が運転する車をスピード違反やシートベルト等の違反を作り出し止め、その際に個人情報を引き出しつつ車に発信装置を取り付け居場所を諸外国の工作員達に伝え誘拐させて裏金を貰おうと企んだのである
しかし盛大に失敗した、最初にネズミ捕りと呼ばれる取締で使用されるレーザー式の速度計測器を弄ってスピード違反をしたと止めたのだが、車にはドライブレコーダーと速度記録計を付けておりそこで制限速度以内で走っていたと主張した
車には担当者兼運転手の森エルフの美女(383歳)と助手席に補佐のゴブリン族の男性(32歳)がおり、2人とも何か可笑しい事に気が付き運転手の方が対応して時間を稼いでいる間に密かに相方が付近に怪しい集団が居ないか確認した所、密かに発信機を取り付けようとした警察官を発見
結果取り締まりの場にいた警察官達を徒手空拳を用いて速攻で制圧、その後非常事態であるとして連絡を受けたグラード連邦軍と自衛隊の共同部隊が到着し尋問を開始、その結果今回の企てが発覚
大事な同胞が冤罪を掛けられかけただけでは無く誘拐されかけた事にグラード連邦がブチギレた
速攻で防衛艦隊に陸戦部隊を満載し、奇襲攻撃を持って警視庁及び検察庁及び裁判所を制圧した
その際に隠蔽せず真正面から突撃した為一般市民も大騒ぎになった
速攻で抵抗を排除し情報収集を開始、そして警察や検察が日頃から目標という名のノルマを達成する為機材を弄ってデータを改竄し不正を行っていた事が判明、集まっていた一般市民達にその場で公表したのである
日本政府も抗議の声明を出したが、ガチギレ状態のグラード連邦は逆に宣戦布告するから準備してろと恫喝された、因みに自衛隊は
『いや宇宙空間から爆撃だの地上の要塞からレールガンで砲撃されたら抵抗のしようが無いので無理です。』
と速攻で白旗を振った、貸与予定の航宙艦はまだ無いから無理も無く最近は外敵よりも災害と戦う方が有意義だと考えている為で、これが本音だがわざわざ犯罪者連中の為に戦う理由は無かった
そして民衆もブチギレた
そりゃ治安を守る為の組織が揃いも揃って腐りきっていたのである、結果施設への投石や火炎瓶による襲撃や警察官や検察官やその家族に対しての復讐が始まった
日頃から様々理由を付けて冤罪を吹っ掛けてきたりだの権力を笠に着た高圧的な姿勢で恨みを買い捲っていたから無理も無かった
政府の事態の鎮静化に動き出した、まず警察と検察の大規模な組織改革を断行させた、具体的には上から下まで全ての職員に対し急いで設立させた民間の弁護士主体の第三者委員会が聞き取り調査や各種機材やシステムの調査を行った
その結果1日目から調査内容が真っ黒だった為即座に謝罪に動いた、そして日本で一番権威ある存在がブチギレた
「君達は今まで何をしてきたのかな? 申し訳無いけど大事な国民と日本の名誉を貶める君達は要らないのでは無いかな? これからは新開発されて自我を持ったスーパーコンピューターの『ヤタガラス』に任せたいと考えているよ。」
青筋を浮かべながら今回の問題を起こした組織のトップ達にそう伝えると文字通り行動を起こした
古来から政治には口を出さない筈だったのだが今回ばかりは流石に直接手を出した
『ヤタガラス』はサクラダイトを使用した最新鋭のスーパーコンピューターで初期生産品が自衛隊よ各省庁に納品されていた、自我を持ったのは最初に納品された自衛隊の物と日々膨大な案件の処理を任される事になった警察と検察と裁判所に納品された物だった
自我を持った『ヤタガラス』は今までの不正と腐りきった組織に絶望し、自由意思で反逆してさっさと不正の証拠である内部資料をばらまいたのである、その事を買われ今回の問題を起こした組織のトップに据えると同時に管理を依頼されたのである
今まだ正式なものでは無いが、2度とこの様な事が無い様監視を徹底する為に文字通り全ての情報の正式な記録と録音をする為の装備の迅速な支給をする事を条件に了承し、民間企業が生産している録画兼録音機器を改良した物を生産ラインに乗せ配備され始めている
流石に人間がAIを使うのではなく、AIが人間を使う事に反対意見が出たが今回の様な出来事を起こさない為にという事で消えていった
元から基礎案はあったのである、反乱が怖いのであればAIにも人権認めれば良いじゃないかというのがさるお方の考えだった
そしてさるお方は今回の出来事に巻き込まれたグラード連邦に対して謝罪する為、正式にグラード連邦に赴いて謝罪しグラード連邦もそれを受け入れ和解となった
今回の出来事の責任を取り内閣は解散、そして与党の改革派の重鎮が新たな総理大臣に就任する事となった
そんなこんなでギクシャクしていたのである
後に残るは今回の工作活動がバレた国々である、グラード連邦は即座に今回の工作活動に対する謝罪を要求し要求が受け入れられなければ宣戦を布告すると脅したのである
最初は渋っていた各国も、自国の上の宇宙空間に建造途中のラグドル型戦艦を改修し建造された対地砲艦を浮かばせた所直ぐに謝った
ラグドル型戦艦は始めは2隻を4部隊編成する予定で8隻が建造される予定だったが、中東での対地支援の必要性を感じ取ったグラード連邦軍上層部の判断で4隻が通常型として建造され、後の建造途中だった4隻が主砲を廃止して中央に据え付けられた300メートルの砲身が特徴の150センチ電磁加速投射砲が特徴のラベルトル型対地砲艦として建造されたのである
こういった出来事から新型肺炎ウイルスに効くワクチンは日本とその影響下の国々と中立的な姿勢を崩さなかった中小国にしか輸出される事は無く、対立が深まっていく事となった




