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ファンタジー世界のバランスブレイカー  作者: 駅猫
五章 バランスブレイカー勇者決定戦編
24/34

二十二話 後半。陰謀と運命とバランスブレイカー。

エキシビションマッチ後半。

既に戦ったことのあるレンジ、タケヒトは倒した。

そしてスイハクも魔力切れ(酸欠のようなもの)で倒れた。

残るは、亜人国家ナザムのライアン。

デモンデのシャドウ。

ウッドエイの大樹。

ジャーメンのアロイ。

レルムニッドの博士。

今の時点で五対一。

ハンデは少し減った。

だが、まだだ。まだ、終わった訳ではない。簡単には終わらない。

なぜなら勇者だから。

 

視界が暗転。相手のターンのようだ。

後ろに敵意を感じる。相手は恐らくシャドウ影移動でここまできた...か。

何にせよ勝てば良いのみ。残りの四人は魔力を溜めている。

...まさか、勇者が仲間を犠牲にするなどないよな?

だが、予想は的中。デモンデが俺の首を絞める。だが、窒息はするが力が入りきってない感じ。

ーまだ何かがある。そんな殺しのプランが立てられているのだろう。

もし勝ったら特例で勇者長が交代になる。そんなことに期待してるのか?

だとしたら、レンジ、タケヒト、レーンが先に攻めたのは。

 俺が“そういう系”の勇者ではないことを知っていたから。

なんか腑に落ちないと言うか、イラつくと言うか。

とにかく一度ぶっ飛ばしてやりたくなる。

だが、こんなことを考えている間にも俺はピンチなのだ。

シャドウの腕は首に感覚があるけど触ることが出来ない。

なぜか?

A. 影だから。

ならばそれを消すのみ。

俺の体にはトカゲがいる。

大樹に向かってそのトカゲの尻尾を発射。同時に口からは大きな爆発で目標に向けて加速していく。

その瞬間体が軽くなった。

またも疑問が生まれる。 なぜか?

ー使い魔が消えたから。いや戻されたから。

だがどうやって?

その疑問は直ぐに答えが出てきた。目に入ってきた。

レルムニッドの博士。白服にメガネ。両手にはレーザーソード。

しかし腕輪のような時計のようなものからは特大とも表現できる、魔力が。

一体どこから?

それは自分以外の勇者に、生け贄魔法をかけていた。

ならばいつ?

最初から。レルムニッドは科学が発展したため魔法はほぼ消失した。

魔法を使わないから、いざ使うとき時間がかかる。

「どうですか。仲間を失った気分は?ま、私もですが。

それでお互い様と言うことで一騎討ちになりました。」

「もしかして作戦はお前が考え、生け贄魔法であえて一騎討ちに持ちこもつもりだったのか?最初から?」

「半分正解です。半分は察してください。」

「作戦を実行させ、勝手に生け贄魔法を使った?」

ジュッ!と音をたて右手が溶け落ちた。光の反射を何回もすることでレーザーソードを構成している。

俺のエネルギー弾を反射させるのとは違う。

レンジもそんなこと言ってたな。

ーだがなぜ誇り高き勇者が仲間に許可なく生け贄魔法を使ったのか?

ーレルムニッド。アレバンズの件もある。

そうか!そう言うことか!!

「さすがだな。魔族の勇者様。」

「気づかれたか。なぜわかった?」

彼はレルムニッドの勇者、博士は現在進行形で魔族に体を蝕まれている。

なぜ俺がそれに気付いたか。いや気付けたか。それはー

「レルムニッドで魔王は出たとき一番真っ先に来てもおかしくない、レルムニッドの勇者は来なかった。

 それに覚えているぞ。たしか博士を召喚したのはアレバンズだったはずだ。」

「察しのいいのはこうもめんどくさい。だがお前になにが出来る?」

「お前の弱点はその腕輪だ。いやそれが正体だ。そうだろ?」

「それを知ってなんになる。お前は両腕がないではないか。」

まだ一本残っている。そう言おうとしたがあまりにも不可思議な光景が広がっていたため言葉が出なかった。

腕がいつの間にか無くなっている。

気付けば感覚もない。

「全ては計算どうり。ムラマサんはただの麻痺毒が塗ってあった訳ではない。神経も麻痺していたのだよ。」

「なるほど、なら。」

「敗けを認めたまえ。楽にしてやるぞ?」

「人の話を聞け。あぁ、お前は魔族と人の間でとても醜い。

 俺の話を聞けるような状況ではないな。すまないな。」

「こしゃくな。」

俺は話を(一方的な罵り合い)してる間に魔力を操作していた。

人間にあって魔族にないもの。

科学的な勝利だ。この世界は科学で説明出来ないものが多すぎる。

例えば。レーザーソード。これがなぜ発動されているのか。こいつは知らない。

だから負ける。

「良いことを考えたぞ、人間。このレーザーソード。射程を伸ばすにはどうすればいいとおもう?」

魔族は慎重で怯えて正直になったものが吐く言葉を信じる。

俺の演技力...ねぇ。

「れ、れ、レーザーソードは反射の魔法を何回もかけてある。それを全部解けばいいんじゃないか?」

怯えた表情。うん。及第点。

「ハハハハハハハハッ!馬鹿か!?俺の勝利に貢献するとは。来世で会ったら祭りにでもしてやろう。

それは血祭りだがなっ!!」

素直に受けたのか、[継続魔法解除]で反射を消し去る。

「これでお前の負けさ。」

「こっちのセリフだ。」

「その口から切ってやる。」

頭をめがけて横払い。体を反らして避ける。

縦切りからの右斜下から不意を付く一撃。

俺はあえてそれを大袈裟によけ、転倒を演じる。

「くっ!?」

「グハハッ!勝負ありだな。」

「浄化せよ。」

「効かぬ。この心臓に傷がないかぎりな。」

「なら、貫いてやるよ。」

「楽しみに待っている。来世でな。」

俺の心臓を貫通する突き。

勝機は。ここに懸けた。

魔法[召喚]。取り出したのは鏡。

それは光を反射し、一定の角度で進行方向を変え直進させる。

なにが言いたいか。それは...

「お前が反射を解いた時点で勝ちだ。俺の。なぜいくつもの反射がかけてあったか?それは、相手に反射をされたときに自分に被害が出ないようにだよ!!」

俺は器用に鏡を操り、お腹を貫通してる光を胸まで持っていく。そして円を描き、心臓のみを奪取する。

「ダメだ!!心臓は。心臓だけはァァァァァァァァァ!!!!!」

ドス黒い心臓は禍々しい。

直ぐに浄化してやる。そしてもとに戻し直ぐに回復させる。

だが良かった。勇者で。精神まで支配されなくて。

精神支配による[魔族化]を遂げてしまうと理性を完全に失った魔人。もしくは理性を保った破壊神である、

魔王や魔神になってしまう。

そうならなかったこの博士は凄い事だ。

っと。そろそろ種明かしか。

俺は何かハプニングがあると踏み、最初から観客には投影で映し出した、“普通の勝負をしているかのような”

ものを見せていた。

だから、普通に俺が勝ったかのような状況になっている。

だから言ったんだ。全ては計算どうりってね。

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