蛇神ヨルムとガチャチャレンジ〜ユキチ達よ、永遠に〜
かつて、とても、とても古い話になるが、天にすら届くだろう鉄の塔がそびえ立ち、科学というものを手にした人間たちが支配していた時代があった。
盛者必衰の理で、かつての繁栄した時の名残りはもうない。
今はもう、一匹の封印された古い神が夢の中で見るだけである。
我、蛇神ヨルムは、嘆きの時代というものに出くわしてしまった。
そう、これは封印されてからの最大の試練
その名も、ガチャの極悪ピックアップである、、、、、
多くの戦士達が、相棒のユキチを失くしながらも、果敢に挑戦し、時に勝利し、時に敗北し、時に破産する憂き目にあう、試練。
果たして我は引けるのだろうか?いや、覚悟を決めろ、引くと決めた時、すでに行動した後というのが、一流、悩んで引いて敗北し、後悔するなど、三流よ。
一流は、勝利以外手にしないのだ!
我は常勝の蛇神ヨルム、ガチャなんぞに遅れはとらん!
ゆけ、我が戦士ユキチ達よ、我に勝利をもたらせ!!
「ふふふ、ヨルム様ー聞いてくださいよー」
このあざとい感じでウザそうな子分の声は、我が子分にして、リストラしたいランキング堂々たる一位、ナッツルーラーではないか。
「ヨルム様、ヨルム様、全部聞こえてるっすよ、というか、ひどくないっすか?こんなにも、可愛くて、有能で、できる子分をぞんざいに扱うなんて!主としての資格ないっすよ!」
「いやいや、よく裏切り、主を主と思ってない言動、お前をまだ子分にしている、我の方が偉いし苦労してるからな!それで要件は?我は忙しいのだ。」
「ふふふふ、ヨルム様、みてくださいよ」
「そ、それは、バカな!」
「ヨルム様が話題にしていたので、ちょいと引いたらすぐにご登場っすよ!しかも、単発です!無課金大勝利です。ヨルム様、引けましたぁ?」
おのれ、子分の分際でよもや無課金単発大勝利なんてものを見せつけるとは、おのれーおのれーおんどれー
許さん、許せるものかー
ユキチ達よ!我に勝利を!
「ああっと、ヨルム様の精鋭たるユキチが一人爆散したーこれは、グロイ!反吐がでるくらいのグロ画像です。これは爆死!まさしく爆死です。」
「まだだ、まだ終わらんぞ、我の勇者ユキチ達よ!我に勝利を!」
「おおっとーヨルム様祈りを込めてタップしていく、これは、まさか、まさかの無心スキップだ!演出をスキップして、一喜一憂をしない荒技を繰り出していくーしかし、それでいいのか、ヨルム様ーユキチの消えゆくスピードが、光の如しっすよー」
「だまれ、だまれ、だまれーー」
「ヨ、ヨルム様」
「我は、我は散っていた、ユキチ達のためにも、ここで退かぬわけにはいかぬ。引かねばならんのだ。もし、ここで諦めたら我はユキチ達に、どんな顔をすればいい?」
「ヨルム様、そうやって新しい犠牲者を出すのは、やぶ蛇なのでは?天国のユキチ達も泣いてるっすよ。あと、ヨルム様のユキチ達は、転職したのです。運営の資産になったわけで死んではいないっすよ。」
「貴様ー情緒というものを考えぬ貴様に、我の渾身のセリフをバカにしおって、もう、許さん、我渾身のストレートをお見舞いしてやる!」
「望むことろっすよ、ヨルム様、ヨルム様がやけにクール系美少女の姿になってるので、私の人気が出ないっすからね!下克上系子分の力見せてやるっす。」
「貴様、今その話はかんけいないだろう!」
「お覚悟ー」
映像が乱れております。少々お待ちください。
「はぁ、はぁ、やるじゃないか、ナッツルーラー」
「ヨルム様こそ、いいパンチっすね。」
「ふっ、ユキチ3人散っていった。もうこれでいいだろう。」
「良いのですか、ヨルム様?」
「ああ、時に子分の諫言も、聞かねばいい主では、ないからな。時に子分が、うざく自慢をしようとも。」
こうして、常勝の蛇神ヨルムは、ガチャ爆死の蛇神ヨルムとランクアップしたのであった。
完
「たわけー、我は常勝の蛇神ヨルム、ガチャごときに敗北してたまるかー」
「ああ、ユキチが散っていく、辛い勝利になりそうっす。」
「勝利に犠牲はつきものだ!」
登場人物
蛇神ヨルム
ファンタジー世界で封印されてしまい暇になったので、夢の中の世界で、堕落生活を送る黒髪ロングの傲慢系美少女
ナッツルーラー
ヨルム様の子分、あざとい、うざい系の小動物系うざかわ美少女、よく裏切る。
爆死は財産です。強きくじけぬ心を育む経験値です。