幽霊さんといっしょ。
ふぅ、荷物はこれで随分まとまったかな。
俺はこの度、家族会議にて一人暮らしが決定された。
実を言うと追い出されたのは好都合だ。
何故ならば…
夢の空間が待っているということだ!!!
「さぁ!明日から俺だけの世界へ!夢の世界へレッツエンジョイだぜ!」(ベッドイン)
~引越し中略~
数日後
そうして、引越しを終えた俺は新居となる家に改めて入ることにした。
ガララッ
???「おかえりなさぁい。」
・・・。
俺「・・・。」
「失礼しました。俺の家と間違えたミタイデス。」
・・・といいつつ置いてある家具は俺の家具。混乱してきた。
「違うんです!これは!!」
「お前!不法侵入者だなぁ!?」
「これはぁぁぁ!!」
「なんだぁぁぁ!!」
「こちらに引っ越してきた ゆう と申します。
あいさつが遅れてすみませんっっ
これ、今日作った煮付けです。よかったら食べてください!」
「合格!!」
…って違ぇだろ。はやい所あいつを追い出さなきゃな。
なんだ。よくみたら子供じゃないか。
「失礼ですね、あなたよりは随分年上ですよ。」
「心の声漏れてた!?」
家の電球がチカチカとなりはじめた。
「あれ、ここだけ引っ越す時チェックし忘れたかな…。」
「つかない。ついた。つかない。ついた。つかない。」
「そうそう、こんな状況の事、俺の家では"お化け電球"って呼んでた。」
「お、おばけぇぇ!?それは嫌です!怖いです!!」
そうか、怖がればこいつがちゃんと家に帰ってくれるんだよな。
「いつでも明かりを照らせるもの欲しいです…あ!非常用の懐中電灯とか!」
「残念ながら、電池切れだ。」
「不安で眠れないです!」
「家に帰れ。な。」と触れたその時。
ふわりと俺を避けたのか?感覚がなかったでも一瞬触れたような。
「うぐぅ…(泣)」
「悪い悪い。でもな、引越ししたてで球も金もねーんだよ。また買いにいくから。」
「でも今日は家に帰れ、な?」
「でもゆうは…ここが家…なんです…!」
「は?ここは俺の家だぞ」
「ここの管理人さんと一緒に来てましたよね。ゆうは真正面から見てました。」
「・・・は?」
「ゆうがここで死んだことも、なかったようにされて。
安くていいからこんな物件早く売り払えって、上司にどやされてました。」
「お前は…本当に…」
「…っ。」
「盗聴器でもつけてんのか?」
「幽霊なんです!!!!!」
そんなこんなで幽霊さんとの生活が始まった。
数日後
「おい、乾電池。お前が欲しがってた奴。会員まとめて買うと500円引きのセールしてるぞ。」
「えぇ!?損しちゃうじゃないですか!今週のお小遣い全部使っちゃいますよぉ…」
「逆だ。500円キャッシュバックされるんだ。お前そんなことも分からないのか…って」
「っ!!」「おい!どこ行くんだ!」
数分後
笑顔を絶やさないゆうは中身が入った白いポリ袋を握り締めて帰ってきた。
「お待たせしました!買ってきました!」
「お前…俺の事嫌ってじゃ…?」
「いつもお世話になってるから。これ。」
「ゆう…!」
渡されたのは両手で持ちきれない程の大量の単1電池。
「単1乾電池こんなに買ってきてどうするんだよおおおおおおおおお!!」
「懐中電灯沢山使わせてください♪
あ、でもゆうは単3ですよ?おそろいがよかったですか?」
「そういう問題じゃねーよ。」