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獣の傭兵  作者: オリバー・スミス
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002

謎の施設で目覚めて早4日。ロッカールームのロッカー全て調べたが自分の物であろう12番のロッカー以外は開かず、唯一開いたロッカーもよく病院で入院患者が着ている白衣的な何かと下着、手首のソケットにちょうど装着する様になっている腕輪以外は何もなく、おそらく作業員用の備蓄と思われる僅かなパック詰めされたゼリーと水で施設内を彷徨ったが、人の一人どころか生き物の気配すら無い。

(……どう足掻いても絶望。)

施設の動力は生きているし、謎の言語で表示される案内も読めたが、悪いことばかりが分かってくる。途中拾ったメモ(日記?)に依るとどうやらこの施設は一種の研究施設らしい。当時は戦時中のためか何か危機的状況にあった様だ。

度重なる襲撃と施設内での事故により研究を断念し、施設は破棄されたようだ。現在居る被験体の保管エリアをご丁寧に隔離閉鎖した上で……。

(そもそも何の被験体なんだ?隔離する理由があるって相当やばくないか?)

可能な限り施設内を漁ったが見つけたメモ以外に書類はなく施設の表示も意図的に一部消された跡があった。現状無傷なのはロッカールーム位でその他の部屋はもぬけの殻か徹底的に破壊された後だった。

 他のエリアに行くための扉はこれまた丁重に封印した様である。とにかく外に出たい一心で辺りを探索し、唯一外につながっているであろう通気用のダクトは途中で塞がれていた。

(奇跡の生還から4日の命かよ……いっそ隔離じゃなくて被験体エリアごと爆破でもしてくれればこんな苦しまずに済んだのに。)

 中途半端に希望を抱いた分、どうしようもない現実に直面した時の絶望は大きい。腕輪からバイタル異常の警告音が絶えず響いている。

(お腹、空いたなぁ……)

何とか保っていた意識も朦朧としていき、やがて途絶えた。



 4時間ほど探索したところで見つかるのは白骨とゴミばかり。見つけた記録によればどうやら破棄施設らしく使える資材は当時の関係者が持ち出してしまったらしい。また、この施設はかなり古いらしい。歴史的価値はあるかもしれないが度重なる領土戦で荒廃した現在ではガラクタでしかない。最近まで一部の動力が機能していた形跡があるが、今ではそれも機能しなくなり専門外の私にはどうしようもない。

 唯一お宝が眠って居るとすれば不自然に封印されたこの扉の奥である。

(……見た所かなり老朽化してるし、そこまで厚みはないみたい。)

 そう思い、せっせと携帯高出力溶断機で無理やり入り口作って70分。

(あったわ、厚み。思った以上に頑丈だったわ。)

「さてさて、どんなお宝があるのかしら……ん?」

 扉の向こうには人が倒れていました。


ようやく2話目。書くのは思った以上に難しいです。

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