波乱の予感!
社交ダンス。
付き合い、又は親睦の目的で、
男女2人で踊る踊りのこと。
センパイ達とは踊りたくないし、
(まぁ、宇島センパイは
別だけど〜)
黒瀬? 無理!
けど、睦月センパイに聞いたら……。
「え? 女子同士で踊っていいかって? 」
「はいぃ!」
「だ〜め!俺と付き合ってくれるなら
いいy))」
って言われたしな〜……
諦めるか。
「よっしゃー!
みんな集まったか!!」
睦月センパイは、
とても張り切っている様子だ。
「じゃ、ペアを決めるぜ!」
「おー!」
ペア決め!
これは、多分今日で1番大切なものだと思う!
「クジ?それとも、
暗闇で手をつないだ人と?
あ、ただし女子同士は無しなw」
暗闇……か……。
楽しそう!
殆ど(ほとんど)全員が
暗闇の方に手を挙げた。
(宇島センパイは挙げてなかった
けどw)
無論私は暗闇にした。
「よし!じゃー、ペア決めスタート!」
一気に視界が暗くなった。月の光で、
屋敷の大まかな形は分かる。
人の顔なんて、分からない。
フラフラ歩き回ると、
ドンッ!
誰かにぶつかってしまった。
そのぶつかった人は、
私に手をのばしてきた。
ギュッとその手を握りしめる。
誰だろう。
結構ゴツそう。
恐らく、相手は私が女ということは
気づいただろう。
(手の細さとかで)
「はーい!みんな、ペアは決まった?
決まってない奴は、
オ・レ・な? 」
「うぇーー!やだ!
あんな気色悪いのと!」
どこからか、優の声が聞こえる。
可哀想に……
パッと明かりがつく。
視界が一気に明るくなり、
目がチカチカする。
目の前の人は……だれ?
「う、宇島センパイィ!? 」
驚きすぎて、声が変になってしまった。
「おー。白瀬か」
顔面が日に炙られてる
感じで、熱くなっていく。
嬉しい!
黒瀬の方をチラリと見る。
古田華センパイと、笑いながら
お喋りしている。
2人の笑顔を見て、
フフっと笑ってしまう。
「よーし!始めるぜ!」
うわー!緊張するな!
全身が心臓になったみたいに、
ドックンドックンする。
♪〜〜
音楽が流れる。
全然出来ないはずなのに、
自然と足が動いていく。
これが、リードされてるって
いうのか……な?
薇人形みたいに、体が自動で
動いてるみたい。
ジャンッ!
音楽が止まった。
あぁ。楽しかった。
「じゃぁ、最後は、、、
パートナーの男の人に、
ドキンとするような
言葉をかけてもらいましょう!」
は? ? ?
「耳かして」
もうこの時点でドキドキしてるんだけど!
宇島センパイの息が、
私の耳にあたる。
全身がぞわっとする。
「頑張ったな。可愛かったぜ。
響」
ー響ー
いつもは白瀬なのに、
響って……!
「わ、私も……」
「ギャァーー!気色悪りぃんだよ!
追いかけてくんな!KaSu!」
……。
ゆ、優〜!
もう!せっかくいい雰囲気だったのに!
「キャア!しびれるわ!黒瀬君❤️」
え?
く、黒瀬のペアって……。
古田華センパイ……。
「よーし!じゃあ楽しかったか?
じゃ、それぞれ部屋にかいさーん」
ほんの数分だったけど、
すごい楽しかった。
今日1日は本当に充実してて、
いい日だな。
「優〜」
もちろん、いくら睦月センパイでも、
男女同じ部屋で過ごせなんて言わない。
優と同じ部屋だから、なんか
嬉しいw
「んー? 」
「あの……さ、この後……。
いや、なんでもない」
優は不思議そうな顔をして、
「あっそ」と、
特に好奇心はなさそうな反応をした。
優には言わないでおこ。
なんか、めんどい事になりそうだし。
この後、睦月センパイと……
どっかいくなんて、
死んでも言えない!
はぁ。最悪!
なんであの、響と黒瀬の恋を邪魔する
睦月野郎と、パーティーのペアに
なったの!
なんか追いかけてくるし!
ま、響と睦月が一緒にペアに
なるってよりは、マシかな?
「優〜」
ん? 響か。
急に呼ぶなんて、どうしたんだろ。
「んー? 」
「あの……さ、この後……。
いや、なんでもない」
は? なんでもないってなによ!
さ・て・は、
睦月に呼ばれたのか?
響って、分かりやすいもんねw
ま、ここは興味ないですよ〜
って感じでなんか言っとこ。
「あっそ」
はぁ〜。おい、響、顔に書いてあるよ、この後睦月センパイと
2人でこっそり集まるんだ。ってw
そろそろ、優寝たかな?
一応、「おーい、優」
うん。大丈夫。寝てるね。
確か、ここを右に曲がって、
そしたらこのカフェに入って……。
バキッ!
「ん? 」
なに今の音。
バキ?
木材が折れた、、、みたいな?
「ヤッホー!来てくれたんだ」
「あ、睦月センパイ!」
なんだ。睦月センパイがなんか
やらかしただけか。
「で……、話ってなんですか? 」
「それが……ね?
恋の話なんだけど」
はぁ。またでた。
もう睦月センパイは嫌です!って、
はっきり言おう。
「睦月センパイ、
いい加減諦めてください。
私、睦月センパイ嫌いです!」
ふん!
白瀬が睦月の顔を見ると、
睦月は、頭の上に、? マークを
浮かべている。
「へ? あ、
違う違う!もうそれは、この前のビンタと『ロリコン!』で、
諦めたから」
なーんだ。
すっごく安心した。
「じゃなくって、
優ちゃんのこと」
優? 優がどうしたんだろ。
「その……、
す、好きに……、
あっ。えっと!その……」
「優を好きに!? 」
「う、うん」
ビックリした。
睦月センパイが優のことを
好きになったことも、
私に告白した時よりも、
真剣な顔だっていうことにも。
「わ、私!手伝います!」
「ありがとう!
心の友、響ちゃん!」
「おーい、優」
うわ。用心すぎでしょ。響ww
やっと行ったか。
ん? カフェ? なんでここ? ww
バキッ!
な、ゆ、床が折れたぁ!
この床ボロすぎ!
「ん? 」
ヤバイヤバイ!バレるバレる!
「ヤッホー!来てくれたんだ」
「あ、睦月センパイ!」
ナイス!睦月!
ん? ん? この場所じゃ、声がうまく聞こえない……。
なんつってんの?
会話がわかんな……
「優を好きに!? 」
は?
私が好き?
ひ、、、、
響が!? www
「う、うん」
え?
なんで睦月が返事してんの?
てか、睦月の顔赤いしww
つまり……。睦月が私のことが好きなの!?
「わ、私!手伝います!」
て、手伝うぅ!?
高1の春は、いろいろあって忙しそうだ……。