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やっぱり私は、君が好き  作者: クールホーク
2/14

バスケ部は楽しいが……

「ふぅ、つっかれたぁ。もうはぁやく寝よう」

「ねぇ、ねーちゃん、今日の夕飯なに〜? 」

「もう!少しは隼人も家事手伝いなさい!」

「しょーがねーじゃん。ねぇちゃんはすごすぎんだよ!」

「ったく、褒めてんだかなんなんだか」

こいつは私の弟のくせにダメダな野郎の、隼人(はやと)だ。

なんで私が家事をやっているかというと、お母さんはもう……。まあそういうことだ。

「はいはい。ちょっと待ちなさい」

「はぁーい!」


「おぉ、UMASOU!肉じゃが、小松菜のおひたし!ごぼうのサラダまである!

さっいこ〜!」

「ありがと〜。絶対美味いぜ!」

あーあ、こういう生活に不自由はしないけど、もうちょっと、らくしたいなんて思う。

せめてお父さんでもいればなぁ。




「優、おっはよ〜!」

「おっはよ〜!今日チャリじゃないんだ〜」

「うん。なんか今日はバスって気分で……」

「あっそ〜。ま、響の家から学校ってかなり距離あるもんねぇ」

「うん。毎日チャリ通って厳しい」



「ふうー、今日も響選手、頑張りまぁす!」

「おう。頑張れw」

「ようし。まずは靴を履きまぁ……す……。何コレ」

「え? どうし……って、え? 」

2人の靴箱は、大量のゴミと、『しね』『学校くんな』などの落書き

で溢れかえっていた。

「は? 意味わかんない」

「おっはよー」

「おはよ、響ちゃん……と、優ちゃん」

「おはよ」

「おはよう」

(お、おはようって言ってもらえたぁ!)

「あ、あのの、あの、なんか、靴箱が……」

「……な、、、なんだよこれ。誰がやったんだ? 」

「……」

「わ、これはひどい……」

「イジメか」

「おはよう。子猫ちゃんと最バスたち。どうしたの? 」

最バスとは、『最強バスケットチーム』の略で、

この宇島センパイたちのことである。って、今はそんな説明はよくて、この状況!

「あ、美香さん!あの、これ……」

「俺、教室戻るわ」

「あ、ちょ、睦月センパイ……!」

「あ、睦月!なぁに帰ろうとしてんのよ!この状況で!」

はあ、睦月センパイ、ひどすぎ……なぁんて思わないな。

だって、睦月センパイって、モテるけど、女ったらしで、

相手によって性格変わるって知ってるもん。

「いいよ、睦月なんてほっとこうぜ、白瀬。それより、誰がこんなことしたんだよ」

「ほんとだな。犯人見つけたら俺らの権力で、その犯人の親の会社

潰そうぜ」

そうだわ!宇島センパイも金持ちだった!そしてカッコいい!!

「おお、怖いよ、宇島wwま、僕も同じこと考えてたw」

「私も!」

「俺も同じくw」

「みなさん、ありがとうございます!」

「いやぁ、少しは白瀬も俺に惚れ……」

「てねぇよ、クズ黒瀬」

「泣ける!」

「けど、みなさん本当にありがとうございます!私も嬉しいです!」

「いや、何も優が頭下げる必要はねえぜ? 」

「あ、ハイ!」

「んじゃ、犯人探しでもする……」

キーンコーンカーンコーン……

「至急、高等部、一年A組、神奈月 弥生、一年B組、花道京子、

放送室にツラ貸せ……失礼。放送室に来てください」

この声は……、睦月センパイ? なんで放送……?

確か、神奈月(かんなずき) 弥生(やよい)花道(はなみち) 京子(きょうこ)って、

仲いいよね。そんで、みんなを引っ張ってる存在で……、性格クズなんだよね。

「いやあ、相変わらず睦月は行動が早いな」

「だね」

「昔からそうなのよねぇ」

「ですよね〜」

「なんのこと? 」

白瀬と優はまた口を揃えて言った。

「2人とも、放送室いってみ」

う、うわぁ、カッケェわ!

「は、はいぃ!」



「こ、こっそり覗いてみよ」

「うん」


「おい、てめぇら何した? 」

「な、なんのことですかぁ? 睦月センパイ❤️」

「京子、わかんなぁい」

「おい、そのキモい声ねじ伏せてやろうか? 」

睦月は腐ったものを見るような目をして、神奈月たちを睨みつけた。

「えぇ、なんでぇ? もしかして、うちらたちが可愛すぎるから、

いじめたくなっちゃったって感じですかぁ? 」

「あ? てめぇ、何言ってんだ? てめぇみてえなブス女、

いじめたところでなんの得にもなんねえぜ? 」

「きゃん!ひっどぉい!」

「ほんとだわぁ、ひどぉい」

「……。いい、てめぇらもう戻れ」

「えぇ、もうですかぁ? 」

「いいから目の前から消えろっつってんだよ!!!」

ビクッ

「は、はい……」


「おい、見てんだろ? こいよ」

「あ、は、はい……」

白瀬は重い足取りで放送室に入った。

「ちょ、優も来てよ!」

「こ、怖い!」

「あぁ、いいよ、別に無理に来なくて」

「あ、はい。ゴ、ゴメン!響!」

「おい!」

優は逃げるように走って行った。

「んじゃ、ちょっと話すね」

「え? あ、はい……」

「あのさ、気づいてっと思うけど、犯人、今のキモい女」

「そ、そうなんですか!」

「気づいてなかったのかよwで、今からあいつらの会社潰すわ」

「え? そんなことできるんですか!? 」

「あー、えと、睦月財閥って聞いたことない?

あれの社長が俺の親なんだ」

「睦月財閥って、あの、世界一の石油の……

あの……? あれ? 」

「そうそう」

「や、やば!確か他にも睦月ホテル予約サイトっての、パソコンで見たこと

あるんだけど、睦月って名前の人多いんですかね〜」

「あぁ、あれもうち」

「マジで!? 」

「うんうん」

「年間いくらぐらい稼いでるんですか!? 」

「そんなでもないんだけど、ま、少なくても100億は、いってんじゃん? 」

「!?」

「俺と結婚したら毎日がバラ色……だったりしてね〜」

「はは、結婚できた人、幸せ者ですね〜」

「じゃあさ、俺と付き合わない? 」

「え? 」

白瀬は、目をまん丸く、大きく見開いた。


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