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やっぱり私は、君が好き  作者: クールホーク
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バイト、ムカつく、ダメ絶対。

心からって……、どういう……。


何? 私ですら、好きな人なんかめったにできないのに……。

いや、薄々感づいていたのだが……。


私こう見えても、恋とかには、結構敏感だから、

そういうの分かるんだよね。


よく、昔の地元の友達とかにも、恋の相談されたし、

睦月センパイとかにも相談されてたしね〜。


けど自分自身が恋をしたこともあまりないわけで……(宇島センパイが初めてなわけで……)


弟が姉に惚れるって、どういう……。


混乱しっぱなしのまま時間が過ぎていく。

お互い一言も喋らぬまま、時間が過ぎる。



隼人が急に口を開く。


「あ〜!今のナシね!もう寝よう!」


はぁ〜!? こんだけ人をドキドキさせといて、

今のナシ……だぁ〜!?


それは無しだろ!


隼人の寝息が聞こえてくる。

もしコレが嘘だとしたらリアルすぎるから、

多分マジで寝たのだろう……。


私だけドキドキしても仕方ない。

もう寝よう。


「おやすみ。隼人」




朝だ。目がくらみそうになるぐらい、強い日差しが照りつける。


いきなり隼人と目があう。

私の顔が火照っていくのが、自分でもわかる。


「お、おはよ……」

最後の方は、もう聞こえなくなるぐらい小さい声になってしまった。



「うん。おはよ。どうしたの? 下ばっか見て……。

もしかして!具合でも悪いの!? 」


具合が悪いのはてめえのせいだよ、コンチクショウ!


隼人は、清々しいぐらい爽やかな顔で、私のことを見つめてくる。

そんな隼人を、顔を真っ赤にしながら見てる私って……、

なんなんだろう。


昨日のことなんて、なんもなかったみたいに平然とした顔をしている。


「ねぇ、昨日のことだけど……。その……、何だったの? 」


思わず尋ねてしまう。

もしかしたら、昨日のおかしな事件が、

単なる私の夢とかなのかもしれないから。


「あ? 昨日のことって何だよ」

ぶっきらぼうな言い方で、何もなかったかのように返事をする隼人。


なぁんだ。やっぱり夢だったんだ。


ホッとしたような、悲しいような、不思議な感覚になってしまった私。


ふと隼人の方を見る。


隼人の顔が……、特に耳が、その部分にだけ血液が

いっているみたいな、そのぐらい真っ赤になっている。


途端に私の顔も赤くなる。


顔から火がでた。


急いで視線をそらす。

隼人も我慢ができなくなったらしく、急いで視線をそらして、

「ご飯作ってよ。俺も手伝うから」


なんて言った。


いつもの言い方とは違い、(いや、ぶっきらぼうな言い方には変わりはないけど)

少し優しかった。


いつもと同じ朝ごはんで、いつもと同じ感じで食べた朝ごはんだったけど、

なんだかとても美味しかった気がする。


「んじゃーそろそろ家出るよ」


ドアを開けはなつ。


のんびり自転車で、風をきっていく。

とても気持ちいい。



学校の下駄箱で、靴を履き替えている途中、優にあった。

(まぁ、同じ学校だから、会うのも当然といえば当然だが……ww)


「お、おはよぉ〜」

いつも通り、挨拶をした……つもりだった。


「おはよう。どうしたの? 弟と何かあったの……? ww」

!?


なんでわかるの!? 天才か!?


「優……、エスパー!」


優はなんか知らないけど、こういう時だけ、その……、すごいのだ!


私は優に、全部を話した。

優はニヤニヤしながら私のことを見てきた。


「な、なによ!」

少し怒鳴り気味に言った。


そうなるのも当たり前だ。


いまの優のした行為は、私をけなしたことにもなるし、隼人をけなしたことにもなるのだから。


「モテモテ女はいいねぇ」

そう優は言って、自分の教室に向かっていった。


モテモテ女……? 私って、隼人にだけモテてるんじゃないの……?

まぁ、モテることは嬉しいから、

別にどうでもいいけどネ!



「えー、この問題は、以前の方程式を応用すれば求めることができるので、

答えは32.6401となる」


私にとって数学は、一年生の問題レベルに簡単だから、

ポンポンスラスラ解いていく。


一応中間テストとか、期末テストでは、毎回学年10位以内には入っている。


そろそろ期末テストの時期だ。


毎回優が点数悪いから、

よくうちん家にこさせて、一緒に勉強をしている。

(ついでに隼人も)


黒瀬は、あいつ授業中寝てるくせに、

毎回一位常連だし、教える必要はない……はずなのに……。




やっと終わった。


早く帰ろう。


最近私はバイトとやらを始めた。


今まではおじいちゃんに任せたり、

近所の人から食べ物をもらったりしてたけど、

今は近所の人とかに頼ってなんかいられない。


最近入ったバイトは、”レストラン アイゼリサ”


今日が、人生初のアルバイトになるわけだが……。



アイゼリサにつく。


アイゼリサの店長さんが、私の顔を見るなり、

「お〜!響ちゃんじゃないか。さあさあ、こっちにおいで〜」

と言ってきた。


店長さんの年は65歳ぐらいだろうか。


ヒゲをあごあたりまで伸ばしてて、目が細め。

フレーム無しのメガネを、少し目の下あたりにかけている。

面白くて優しい、いいおじさんだ。


「あ、はい!よろしくお願いします!」


私のお得意の作り笑顔で、ニコリと店長に笑いかけた。


厨房に続くドアを開け、早速店長の説明を聞こうとした……その時だ。


「今日からもう一人、新人アルバイトの子がいるんじゃが……。

その子も響ちゃんと同い年なんじゃが……。

その子の名前も響というんじゃよ。すごい偶然じゃなぁ」


背筋が凍りつくような寒気を、私はその瞬間に覚えた。

まって。同い年の、響って名前の人なんて、

あいつしか思い浮かばないんだけど……。


「こんにちは。新人さん。俺も新しく入ったから、

仲良くしてね……って、白瀬じゃねぇか!? 」


やっぱね。

こいつと放課後にも会うはめになるなんて……。


最悪だ……。


店長がなんか言っている。

おそらく、親父ギャグとか、そんなくだんないことなんだろうけど。


今すぐにでも、このアルバイトを辞めたい。

けど、このバイトは給料がそこそこ高いから、

やめるなんてもったいないんだよ……。


「私、頑張ります!」


店長の言葉を(親父ギャグを)さえぎるようにして、

大きな声で頑張る発言をする。


黒瀬は私の声に圧倒されている。


ドカドカと厨房に入る。



店長さんは、淡々とお客さんへの接し方や、

1日の流れなどについてを説明する。


真面目にメモを取る私。

黒瀬は、なんかボソボソ独り言なんかを言っていて、

うるさい!


「白瀬……、キセキ……、神様からのご褒美……」


はぁ? ご褒美ぃ? 何言ってんだこいつ。


きちんとまとめられた、わかりやすい店長さんの説明も終わり、

いよいよお客様と接する時がきた。


注文をとるという仕事が、一番最初の仕事である。


「ご注文、承ります」

「アボカドのサラダと……」


!? どこそれ!

アボカドのサラダぁ!?


みつかんないよ!


私の困っている様子をまるで気づかないで、淡々と注文を言っていく客。


ストレスが溜まりそう。


するとその時だ!


「はい。アボカドのサラダ、チーズインハンバーグ、パイン入りスパゲッティー、カラメルなしのプリン。

以上でいいでしょうか」


黒瀬だ。

不覚にもすごいと思ってしまう。


その瞬間、黒瀬が私のことを軽く睨みつけ、指をクイクイっとさせて、

私のことを呼んできた。


黒瀬についていく。

すると突然、黒瀬がめいいっぱい息を吸い込み、怒鳴ってきた。


「なんでアボカドのサラダもできねぇんだよ!あんな初歩的なこと!」


プチンッ。


何かが切れるような音がする。


どこからなったんだ?


あ、私の頭からだぁ!


「あ? できなかったら悪いのかよ!

要領が悪くて悪かったな!

人には向き不向きがあるの!

そんなことも分からねぇで

人に散々怒鳴り散らして!

てめぇみてぇなやつ、大っ嫌いだよ!

話しかけんなカス!

いっぺん地獄に落ちて、

自分の言い方のどこが悪かったのか、

反省してこい!」


はぁ。スッキリした。

黒瀬はすっかり気が抜けたような顔をしてる。


店長の元へ駆け寄り、

あの機械の使い方を詳しく教えてもらった。


黒瀬は棒になったように

レストランの厨房へ続くドアの前で

突っ立っている。


「じゃま」

そういうと、スルスルっと

厨房の中へ入って行った。


なんなの?


黒瀬のことなんか放っておいて、

さっき店長に教えてもらった方法で

注文を取ろうと、客の元へ向かう。


「ご注文、お伺いしま……!」


目の前の光景を、必死に脳内で否定する。


ありえない。

ここにこいつがいるなんて。


相手にバレる前に注文をさっさと取ろうとする私。


「ひ、ひーちゃん!」


気づかれた。

黙れ糞直也!


直也。

ナンパ野郎どもの1人。


すんげーうざい!


こんなレストラン、今すぐにでも辞めたい!


そんな気持ちを抑え、

これから起きる大波乱に耐える私って、すごいエライ!

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