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脳移植で女にさせられた俺は  作者: ハル
第二章 高校生活
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第八話 よろしくな

夏休みの宿題が終わりません。助けてください。

「お題は、卵を使った料理。準備はいい?よーい、スタート!」


碧樹君の叔母さんの号令で調理開始。卵を使った料理か。そうだね…………


どーも、優希です。今、料理をしております。どうしてこうなったのかと言うと…………





〜数分前〜

「ちょっと、僕は初心者じゃないんだけど。」

「んじゃぁ、見せてくれよ。初心者じゃないってところを。」


初心者と言われて頭にきた俺は、


「いーよ。何か一品作ってあげるよ。」

「もし不味かったら?」

「そうだね…………何でも一つ、言うことを聞くっていうのはどうかな?」


もし、不味かったら何でも一つ言うことを聞くっていう男女間ではあまりよろしくない約束をしてしまいました。

ま、俺は男なんだからどうせパシりとかでしょ?大丈夫だろ。


「ちょっと、優希ちゃん!ダメだって!」


雪平がすごく動揺している。え?なんでそんなに焦ってんの?


『何が?もし負けても大したことは言われないでしょ。俺は男なんだし。』


碧樹達に聞こえないよう、小さい声で雪平に話しかける。


『優希ちゃんは女の子なんだから何言われるかわかんないよ。それこそ、エッチなお願いされちゃうかもしれないんだよ?』


あ…そうだった。俺、今女じゃん。


「それでいいぜ。俺に美味いって言わせられるだけの品が作れるならな。」

「面白いじゃない。審査は私とあと二人でやるわ。祐哉君は審査しないでね。」

「は?俺が見定めるし。勝手に決めるなよ。」

「祐哉君、そないなことゆうててええん?兄さんにゆうて手伝いの量を倍にしてもろてもええんやで?」


関西弁?この人、関西の人だったのか。


「うぇ、それだけは堪忍や。審査は任せるさかい、それだけは辞めてくれ。」


祐哉君も関西の人か。うわ、なんか新鮮だなぁ。

ま、会って一日も経ってないんだけど。


「それじゃぁ、審査は完全下校時刻になったら、ここでやるから、また後で来てよ。」


あ、標準語に戻った。器用な人だな……


関西弁と標準語を使い分けるよりも心で男言葉、現実では女言葉の方が難しいことに優希は後から気付いた



回想終了。


「さて、どんな料理が出てくるのかな?楽しみだね。祐哉君?」

「そうだな。」


家では俺が飯作ってるから女の子の料理風景って何気に初めてだな………小学校の時の調理実習も俺一人でやってたし。


「鶏肉を細かく切ってるね。他は、人参にタマネギ、あ、分かった!チキンライスだね。」


いや、オムライスって手もあるぞ。でも、乗っける卵焼き、難しいんだよな。乗せるのが。

てか、手際良いな。あいつ。





「オムライスです。」


んで、オムライスかよ。しかも、乗せる卵焼き、失敗してるし。破れてる。ま、美味いなら良いか。叔母さんのちょっと貰お。


「ん!美味しい!」

「でも普通過ぎないですかね。」

「ん?これ、卵の殻じゃん!駄目ですよ。この子!」


うん、確かに至らない点はある。人参、火が完璧には通っていないから少し堅い。それに味も薄い。ケチャップでごまかしている。


だが、


「俺は採用してもいいぜ。」

「祐哉君?何を言ってるの?まだまだよ、この子は。」


俺は不味かったらこいつの負け、と言う風に聞いている。だが、それ以前に俺は、こいつに、初心者じゃない所を見せろ、と言った。俺にはわかる。こいつの動きは熟練者の動きだ。


「審査は任せるって言ったけど、決定権まで渡したつもりはないんだけど?」

「でも、この子はまだまだよ。至らない点があるわ。」

「あんたはその子に俺の手伝いを命じたんだ。必要なのは手際の良さだろ。それに、今回は緊張して失敗したのかもしれないしな。」

「え、それじゃぁ……」

「悪かったな。初心者呼ばわりして。明日からよろしくな。」






「優希ちゃん、よかったね。採用されて。」

「卵の殻が入ってたって言われたときにはもうダメかなって思ったけどね。」


本当、ビビった。殻が入ってたことなんて小学校の調理実習で卵焼き作ったとき以来だったし。


バサバサッ


「何これ?」


靴箱から流れ出てきたのは、

封筒?なんだろうな。しかもこんなにたくさん。

雪平が横で『もしかして…………』って言ってるけど、なんなんだ?この封筒。


内容は、『ずっと前から好きでした。付き合ってください。』や、『一目惚れでした。付き合ってください。』など。宛名にはうちのクラスの奴の他にも、他クラス、二年の人もいた。

え、もうクラス特定されてんの?早くない?


「まさか………ラブレター?」

「優希ちゃん、すごい!もうラブレター来たんだ!」


全然うれしくない。ってか、この、

『ずっと前から好きでした』って書いてるやつ、絶対馬鹿だな。だって、うちのクラスで同じ中学だったやつって雪平しかいないから、ずっと前からじゃないし。


「で!返事はどうするの!?」

「いや、断るに決まってんじゃん。焼却炉って確か裏口にあったよね。」


まだ三、四通も開けて、まだ七通もある。

書いてくれた人には悪いけど、焼却炉行きね。


「さて、焼き終わったし、帰ろっか。」

「そうだね。」


なんか後ろから『やっぱり手紙じゃ古いかなぁ。』とか、『今度は呼び出して告白するか?』などの会話が聞こえてきた。他の女子にしてください。

早く季節ネタを持ってきたいですね。今のところ、夏休み、バレンタインを考えてはいますが、出せません。

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