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脳移植で女にさせられた俺は  作者: ハル
第一章 女になりました
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第五話 制服を着てみた

ちょっとHな要素が入っちゃいました。ごめんなさい。そういうの苦手な人は次の第六話を期待してください。

「はぁ、疲れた…………」


入院している間に壁紙は青から白に、布団も女の子らしいものに、部屋の中には熊やら猫やら犬のぬいぐるみが置かれ、本棚の漫画や小説は恋愛小説や少女漫画に置き換えられていた自分の部屋でため息を漏らす。

それもそうだ。今日、女になって初めて銭湯の女子風呂に入ったのだ。精神面で疲れてもおかしくない。さらに………


「何言ってんの!疲れるのにはまだ早いわ!届いた制服を試着してみなきゃ!」

「何でそうなんの、てか、姉ちゃんは何でそんなに元気なん?」

「【姉ちゃん】はダメ!【お姉ちゃん】か【お姉さま】って呼んで!」


制服が届いていると知って必要以上にはしゃいでいる姉の相手だ。疲れる。

いや、お姉さまはないんじゃない?


「何で俺が今更姉ちゃんを【お姉ちゃん】って呼ばなくちゃなんねぇの?」

「【俺】もダメ!【私】にして!」

「何でそうなんの………」

「優希は女の子でしょ!」

「俺は男だ!!」


これだけは譲れない。ここを譲ったら他のすべてが許容できてしまう。


「んじゃぁ、男言葉使ったり、【俺】って言ったら小遣い100円減らすわよ。」


母さんもか!

仕方ねぇな………


「じゃぁ、せめて【僕】じゃダメ…かな?お姉ちゃん。」


上目遣いで姉ちゃんを見る。

上目遣いって女の武器だよな。これでたいていのやつは甘くなる。可愛い子限定で。


「お姉ちゃん………あれだけ頑固で可愛くなかった弟が私のこと、お姉ちゃんって言って可愛く上目遣いする妹になるなんて………いいよ!【僕】でもいいよ!」


おし!とりあえずこれで乗り切れるんじゃねぇの?


「というわけで、制服着てね♪」

「はぁ、仕方ないなぁ………」


観念して制服が入っている箱を開ける。


「へ〜、海陽の制服ってこんなんだったんだ………」


灰色のチェックのスカートに、白のブラウス。1年だということを示す赤いリボン。あと、クリーム色のセーター。


「着てみてよ。異論反論抗議口答えは許さないよ!」


『ふぇぇ、お姉ちゃんが怖いよぅ…………』って母さんに泣きそうになりながら言ったら止めてくれるかな?止めそうだな。うん。でも言えるわけないから却下。


「仕方ないなぁ………」




「どう?こんな感じ?」

「…………………………」

「何?何か変なとこある?」

「いや、ないけど。でも、優希があまりにも可愛くて。優希も見てみたらいいよ」


姉ちゃんはそう言って姉ちゃんの部屋から鏡を持ってきてくれた。全身が映るような大きい鏡だ。


「何これ?これが僕?」


姿見を見た俺は正直ビックリした。セーターがぶかぶかで、萌袖状態になっていた。

か、可愛い。自分に言うことじゃないのはわかっている。けど、この萌袖がなんか異常なまでの可愛さを放っている。

こんな人がうちの学校にいたら速攻で告ってふられるとこだった。え、ふられちゃうのかよ。


「可愛いでしょ?モテること間違いなしね。友達に自慢しよーっと。」

「え?ダメダメダメ!!なんで携帯出してるの!?」

「友達に優希の写真送って自慢してやるの。」

「ダメダメダメ!恥ずかしいし………………」


あまりの恥ずかしさで後半ほとんど声が出てなかった。


「観念したら?どうせ学校行ったら隠し撮りされるんだし。」

「隠し撮り!?それって法的にどうなの?僕のプライバシーは!?ねぇ、僕のプライバシーはどうなるの!?」



そんな叫びも虚しく、シャッター音はなった。

ちなみにこの場合、ネットにアップしなければ問題なかった、はず。




「はぁ…………疲れた。」


誰もいない風呂場でため息とともに呟く。

あの後、なぜか制服から今日買った服や姉ちゃんの服に着替えさせられ、写真を撮られた。途中、帰ってきた父さんも混ざり、さらにシャッター音が増えた。


「この体になってから毎日疲れてる気がするな…………」


鏡に映った小さい女の子を見て、そう思った。

入院中は体になれるので疲れ、退院したら家族の雰囲気が大幅に変わっている。疲れないわけがない。


バサッ

服を洗濯機の中に放り込んだような音がした。

父さんかな?こんな時間に入るのは父さんしかいない。母さんと姉ちゃんは寝ているはずだ。


あ、ちなみに今午前3時ね。


「優希〜!!!」

「お姉ちゃん!?なんで起きてるの!?」


入ってきたのはまさかの姉ちゃん。おい、一応明日から学校なんだが…………俺たち新一年生は入学式だけだけど二、三年は授業だろ?、と思ったけど、海陽はそこまで特殊じゃなかった気がする。やっぱり明日は入学式だけなんだよな?


「ほら、私、勝負で勝ったじゃない。一緒にお風呂入ろうって言ったじゃない。」

「え?銭湯はノーカウントなの!?」

「勿論。」


はぁ…………本当に勘弁してほしい。いくら姉ちゃんでも、女の人の裸を見るのは変わらない。自分の体は慣れてきたが、他人の裸はまだ慣れない。


「そんな堅くならないの。いずれお友達と一緒にお風呂入るんだから。その練習だと思って、ほら。肩の力抜いて。」


そんなことを心配していたのか………確かに修学旅行では嫌でも女子風呂には入り、嫌でも女子の裸を見ることになる。他人の裸にも慣れておかなきゃならない。堅くなりすぎてたかな。



「お、その調子その調子。じゃぁ、女の子同士の裸のお付き合いを教えてあげる♪」


前言撤回。やっぱりろくなこと考えてなかった。ただの変態だった。


「ひゃん!」


胸を揉まれた。人生二度目だよ、胸揉まれるの。


「お、可愛いね。これは弄られちゃう側かな?弄る側にもならなきゃなんないよ?」


弄る?俺が女の子の…………その………胸を揉まなきゃなんないの?


「ほら、触ったら?弄る側にもならなきゃ、弄られるだけだよ?優希、可愛いから。」


姉ちゃんが言ってるんだから、仕方なくなんだ。俺はやましいことは何もないんだ!

そう自分に言い聞かせ、思い切って触ってみることにした。だって、姉ちゃんのことだからやらないと怒られちゃう。


「あ、やっぱり僕のよりも大きい、かも」

「そりゃ、数値で出てるからね。私の方が大きいって。」


やべぇ、やみつきになるわ。この感触。

あ、変態じゃないですよ?


まさしく変態だった。


「優希、上手じゃない。こんなことされたらお姉ちゃん、何かに目覚めちゃいそうね。」

「その【何か】を具体的に答えたら僕まで変態になっちゃいそうだからやめてね?」

「あ、わかっちゃった?」


やっぱりか。ところで、ここで一つ疑問。


「ねぇ、大きい人って肩凝るんでしょ?」

「うん。そうだよ?」

「お姉ちゃんはどうだった?肩凝った?」

「うん。凝ったよ?優希もすぐわかるから。」


男だったら絶対聞けない。こう言うのは同性同士の特権なのだろう。







「ちょっとのぼせちゃったかな。」

「そうね。とりあえず明日から学校だから、早く寝ましょう」

「うん。」


気づいたらかれこれ30分は姉ちゃんとおしゃべりしていた。

ちなみにこのお姉ちゃん、昔は弄られる側だったという設定です。

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