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来世になるけどまた会いましょう。  作者: ひさなぽぴー/天野緋真
第三章 涼編

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第50話 神々の遊び

総PV5000、ありがとうございます。

本編も50話行きましたし、これからさらにがんばりますのでよろしくお願いします!

「大まかに言えば、時空の狭間っていうのは世界と世界の間にある空間だ」


 三途の川から出港した船を操りながら、マーシュ(マティアス君のことな。そう呼んでくれって言われた)が言う。


「言い方は悪いけど、監獄の通路みたいなものかな。それぞれの世界は牢屋みたいなもの。互いの部屋には当然行き来でいないし、通路に出ることもできない。

 そしてその壁を通り抜けることができる存在……それは監獄で言えば看守だけど、それに当たるのがボクたち神と呼ばれる存在なんだよ」

「監視してるってことか?」

「当たらずと言えど遠からず、ってとこかな。見てると言えば見てるけど、別に監視してるわけじゃない。

 街に繰り出したとき、自分以外の人間は当然視界に入るけど特に気に留めたりはしないだろ? そんな感じかなあ」

「神様はどこにでもいるってことか……」

「ん、そんなところ。そうじゃない世界もあるけど、それはその世界の主神の方針で違うからまちまちだね」

「色々あんだなあ。世界ってどんだけあるんだよ?」

「それこそ数えきれないほど、だよ。一つの世界と一口に言っても、細かな違いを持つパラレルワールドが無数に集まっていて一つだからね。

 君たちの世界も、宇宙規模で見れば億兆では済まない数の『もしも』で重なってるし、もっと視点をマクロにしても日本という規模だけでも億万の『もしも』が重なってるんだ」

「うぐ……ぜんっぜんわかんねえ……」

「世界線の話は小難しいからねえ……理解できる人はそこまで多くないから気にしなくていいよ。もしそれでも気になるなら、エイジに聞けば教えてくれるかもね」

「そうか、空さんならその手のことにも詳しそうだ……」


 世界に関する話を、船のへさきで並んで立ったマーシュに俺は聞いていた。

 別に暇というわけじゃない。俺はマーシュの護衛なのだ。常に近くにいる必要がある。

 神にそんなものが必要なのかと聞かれれば、もちろん必要ない。しかし、かといってマーシュに手を出されても困るから、俺も護衛としてここにいるわけだ。


 なぜか? それは、マーシュが神としての力……いわゆる神通力のほとんどを、俺たちの防御に回しているからだ。


 彼が言うには、この時空の狭間にただの魂が紛れ込んだら、程度の差こそあれ一時間程度で消滅してしまうらしい。それを防ぐために、彼は船全体に対してバリアを張っている……というわけ。

 このバリアを、マーシュには死守してもらう必要がある。彼自身は別に死ぬわけでもなんでもないが、彼がバリアを維持できないと、俺たちが危ないのだ。


 そして、俺が思っていたよりも頻繁に、この船は襲われている。


「……また来たな」

「来たね。上部やや右舷側、数は三。タイプはどれもスピードだね……一発くらいもらうのは覚悟しといたほうがいいかな」

「へっ、いらねー心配だぜ!」


 薄く笑うマーシュを尻目に、俺は指を鳴らしながら言われたほうへ目を向けた。

 そこには、透明な壁に突っ込んだような形で空中に固定されている砲弾のようなものがある。

 いや、固定はされてねーか。少しずつこちらに向かって動いているから、壁を貫通しようとしている、って言ったほうがいいかも。


 砲弾のようなもの、とは言ったけど、具体的どういうものかはわからん。生前の世界にあったどれとも違っていて、しいて言えば見た目の上では砲弾が一番近い、っていうだけだ。

 表面のデザイン? から言えば化け物、が一番近いとも思うんだが……あれに意思はなくって、ただ知性を見つけ次第手当たり次第に襲ってくるだけの存在らしいだから、それは違う気がするんだよなあ。


 一応、マーシュたち神様が呼んでいる名前を日本語にするなら、「機雷」になるらしいからそう呼ぶけど。なんつーか、それも違和感ある気がしてならない俺だった。


 ってか、そもそもなんだってあんな物騒なもんが時空のはざまにあるかっていうと……て、悪い、時間切れ。

 バリア突破された、ちょっくら戦ってくるわ。



▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽



 ふう。


 ……え? どういうふうに戦ったかって?


 いや、その……ただ単調に同じことが何度も繰り返されるから、ぶっちゃけもうあまり感動というか感慨というか、そういうの残ってなくてだな。


 機雷そのものは、簡単な動きしかしない。動くものに直進、それだけなんだ。その辺は、マジで機雷って感じ。

 だからこっちとしては、自分が動くなり飛び道具使うなりでおびき寄せてからブッ飛ばす、基本的にはそれで終わりだ。


 機雷にはいくつかタイプがあって、それによって多少取るべき行動が変わるけど……根本のところは変わらない。

 今じゃ交代制にして、一人いくつ撃墜できるか数を競ってるレベルだ。……競ってるのは俺と空さんだけだけどな。

 なお、カウントはマーシュの役目だ。さすがに神様、数え間違いはないし公平である。


「おーつかれーん」

「うぃっす」


 そんな、どこぞのバイトみたいな感覚で空さんと見張りを交代する俺たちである。


 正直、時間を無駄にしてるような気さえする。これから先、湊さんとオーディンを止めるためには頭も体も心も、最大限に使っていく必要があるってのに、これじゃなまっちまうよ。

 マーシュは、ほとんど何もせずに神の周りにいるだけで十分って言うんだが、ホントかよ?


 老界王神に能力覚醒させてやるからって言われて延々じっとさせられていた悟飯の気分だ。……伏せられる場所がなかった。スマン。


「上から来るぞ、気をつけろ!」


 ……後ろから聞こえてくる声から察するに、空さんはとても楽しそうなので何よりです。


 さてそんな俺が部屋に戻ってみれば、そこでは残りのメンバーが大富豪に興じている。前回俺が抜ける時は七並べだったな。そろそろ一周してやることがなくなってきてるっぽい。


「六の……ダブル……」


 その垣根の中に、しれっとまざってるのが我らが日本の死神、イザナミ様だ。


 あの後、意識が戻った彼女は素直に俺たちに同行してくれた。イメちゃんとマボロシ君が絶句してたが、そんなに意外なことか?

 と思って尋ねたら、イザナミ様は「最後にいつ仕事したのか記憶にない」と答えてくださった。


 にもかかわらず、なんで今になって動く気になったのかというと、単純にお尻ぺんぺんが嫌だということと、それから人間と一緒に行動したかったということらしい。

 ゲームみたいにパーティを組んで団体行動をしたい、と……。表現はあれだが、要するにさみしいんだろう。


 少なくとも俺はそう思ったので、船の見張りは交代制にしたのだ。その間、残りのメンバーはイザナミ様と一緒に過ごすってわけだな。


 まだゲームの途中ということで、俺は邪魔することなく隅のほうで待つ。


 そうやって眺めていると、ただ子供たちが遊んでるだけにしか見えないから不思議だ。


 うん。


 イザナミ様は、ちっちゃい女の子なのだ。もちろん、今の服装がそれに見合った子供服でコーデされてるからというのもあるだろうが……ともあれ、ちっちゃい。

 見た目で言えば、真琴と同世代かなって感じ。そして道端で通りすがったら、二度見不可避のかわいさだ。真琴も相当レベルが高いが、彼女にはかなわないだろう。いや、性別が違うだろっていうのは置いといてだな。


 ちなみに、元々日本の神様は全体的に幼い見た目のものが多いと言うのは本人の談。こんな子が何人もの神様を産んでるんだと言われた時は、さすがに耳を疑ったもんだがな……。


 ともあれ、ゲームの行方は……っと……。


「ダブルジョーカーにござる」

「……!?」

「ええ……!?」


 織江ちゃんのミラクルアタックで場が凍りついた。


「五のトリプルにござる」

「きゅ……九の、トリプル……」

「ジャックのトリプルにござる」

「ふわああん!?」


 どうやら、この場を制したのは織江ちゃんらしい。

 その後、真琴とイザナミ様の一騎打ちは真琴が制し、神様が見事びりっけつという面白い結果となる。


「お疲れさん」


 終わったタイミングで、俺は三人に声をかけた。そこに、イザナミ様がカードをぶちまけながら飛び込んできた。


「りょ、亮……二人がいじめる……!」

「うわ。いや、ただのゲームだろって……」


 よしよしと頭をなでながら、これが本当に神様かと内心で不敬なことを考える俺である。

 今、俺の身体をぎゅーと抱きしめ涙目で見上げてくる女の子の、一体どこが神様だと言うのか……。


「お館様」

「お兄さん」

「はい、なんでしょう」


 俺が複雑な心境で考えていると、織江ちゃんと真琴から同時に声がかかる。

 そちらに目を向けてみれば、そこでは二人がじとっとした目でまっすぐ俺を見つめていた。


「女子にうつつを抜かすなど」

「お兄さんってそういう子が好きなんだ」


 そうして、なぜか二人からフルボッコにされる俺だ。

 なあ、こういうのって理不尽って言うんじゃね? なあ?


「おーしわかった、そうまで言うならチーム戦で決着をつけてやろうじゃねーの」

「が、合点……」


 俺の視線を受けて、イザナミ様がどこからともなく花札から始まったゲーム会社の大乱闘ゲームを取り出した。

 友達同士でやれば最大限に盛り上がり、そして時にリアルファイトを起こしてその友情を砕きかねないアレである。


 そんなゲームの出現に、織江ちゃんと真琴の目つきも変わる。


「良うござります。その戦、受けて立ちましょうぞ」

「手加減しないからね」


 こうして、仁義なき戦いが幕を開ける。


 ……平和だ。平和すぎる。

 これが生前の現実だったら、よかったんだけどな。できれば、湊さんも一緒に。


 ゲームを起動しながら、俺はふとそんなことを考えるのだった。


当作品を読んでいただきありがとうございます。

感想、誤字脱字報告、意見など、何でも大歓迎です!


日常回……と言っていいんでしょうか。つなぎの意味合いが強いですね。

こういうシーンの描写がどうも苦手だなあ。うーん……。


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