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来世になるけどまた会いましょう。  作者: ひさなぽぴー/天野緋真
第二章 本選編

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第43話 本選 6

総PV4000突破ありがとうございます!

これも皆様のおかげです、これからもがんばります!

「うおおお……」


 俺は目の前の光景に呆然と立ち尽くしていた。

 SFエリアという名前からして、つまりは未来的な様子のバトルエリアなんだろうとは思っていたが……。


 今、俺の目の前に広がるのは、そびえたつ巨大なビルの間を縫うように飛び交う空飛ぶ車。その動きは速いが制御された速さで、事故が起こるような気配は微塵もない。

 街並みを行きかうのは人間(あれはきっと地獄落ちした魂なんだろうけど)だけではない。人間とは別の種族なのは間違いない人たちが、大勢闊歩している。みんながみんな、見たこともないような服を着ている辺り、彼らは宇宙人ということだろうか。

 夜なのか辺りは暗く、その人たちの顔など詳しいところは見えないが……その暗さが実にいい雰囲気を演出しているようにも思える。


 なるほど、SFである。宇宙を旅するような映画で見たことがある感じの、いかにもと言った雰囲気だ。


『驚いてないで、そろそろ動きなさいよ』


 そんな俺を叱咤するのは、もちろん湊さんだ。


「お、おう。いや、マジびっくりしたんだって……」

『……エリアの解説するわよ』

「はい」


 往来の邪魔にならないように、そして見通しのいいところを避けるように、俺は物陰へと移動する。

 ついでに、マップを開いて真琴の位置を確認。


『SFエリアは、文字通りSFがモチーフのエリア。土や水がむき出しで出ていることはないから、アクアロードは使いづらいかもしれないわね。常に』

「そうだな……見た感じ、ここも空中にある足場の上って感じだし……」

『それから、ダンジョンと同じく道具の現地調達ができるんだけど……ここで手に入る武器の類は、光線銃とかそういうやつばっかりだから、使われないように気を付けて。逆にこっちから使うなら十分選択肢に入るはずよ』

「光線銃! そりゃちょっとわくわくするな」

『わくわくはいいけど……弾切れのない武器らしいから、くれぐれも気をつけなさいよ』


 湊さんにから返事をして、俺は周りをもう一度見渡す。SFチックないかにもという道具がないかと思ったのだ。

 ……まあ、うん。そう簡単に見つかるものでもないか。


『次に肝心のフィールド効果について。まず、そこは常時夜よ。視界が悪いから足元には気をつけて。周りにたくさんいる人間は、シティエリアみたいに襲い掛かってはこないけど、動くのに邪魔なのは間違いないから、なんなら蹴散らしなさい』

「……俺がんなことすると思ってんのかよ……」

『言ってみただけよ。……で、それ以外に、いくつかの区画に分かれてる。居住区、商業区、行政区、工業区。区画ごとにそれぞれ効果があるから、それはそこに行くことになったら改めて説明するわ。

 ちなみに今あんたがいるのは居住区で、ここの効果は邪魔でしかない住民の群れね』

「四つに分かれてるのか……動くのがめんどそうだな」

『ええ。区画を移動するには、ステーションにある専用ラインを使う必要があるみたいね。……まあ、あんたに限って言うならオーラロードで飛んだほうが早そうよ』

「……おお、なるほど。そっちのほうがよさそうだな」


 ライフの使い方もそう多いわけじゃない。移動の前に、例のバグ技で回復用の食べ物を仕込んでおけばいいだろう。


『最後に……マスラが動いてる。もうここに向かってるわ。すぐに臨戦態勢を整えて』

「……はっ!? マジで!?」


 言いながら慌ててマップを見れば、確かにマスラさんの名前が書かれた赤い点がかなりのスピードでこっちに向かっていた。

 だが、その周りに真琴を示すマーカーは見当たらない。完全に別行動をしているってことだろうか。


『龍治真琴は移動用ラインでそっちに向かってる。マスラは、飛んでる。二人がそろうまではそれなりにかかるでしょうけど、どっちにしても面倒でしんどいことには変わりないわ。

 マスラを倒した直後、もしくは直前に龍治真琴が来れば、二連戦になるってことだからね』

「それは嫌だな……っていうか、マスラさん倒せるのか?」

『補助人格にもライフ設定はあるわ。ゼロにすれば攻撃はしてこなくなる。もちろん、本体である龍治真琴に対するアドバイスは続くけどね』

「きっついな……」


 ため息をつきながら、俺はアイテムボックスを開く。まずは、水筒を……。


『待ちなさい。それを使うのは後よ。まずは狙撃銃で迎撃するの。水筒は仕込んでおくにとどめておいて』

「……あ、なるほど」


 言われてみれば確かに。マスラさんは飛んできているって話だから、その方向に気を付けていれば狙撃も可能だよな。


 というわけで、ひとまず狙撃銃を取り出す。それから、例のバグ技でいつでも取り出せる状態にしておく。


「向かってくるのは……あっちからだな」


 マップを確認。マスラさんのマーカーが動く方へ向き、俺は狙撃銃を構えた。


 スコープを覗けば……うわあ、本当にこっちに飛んできてる。周りの車よりは遅いだろうけど、それでもかなりのスピードだぞ。

 雷神そのものって感じの見た目の人が、こっちに向かってまっすぐ飛んでくる。その迫力は相当なものだ。っつーか、ぶっちゃけ怖い。


「念のため音は止めるぞ。空さんのスタンバイは?」

『万全よ』

「うっし。それじゃ……行きますか!」


 そう言うと同時に、俺は引き金を引いた。それに応じて、銃口からすさまじい速度で弾丸が発射される。

 だが、音はない。中央集権レヴィオンにより、それは動きを封じられて拡散するのだ。


 そしてその弾丸は……見事、マスラさんの肩辺りに被弾。ゲージが少し減り、マスラさんが少し顔をしかめたのがスコープ越しに見えた。


「……よーし、これはいけるかも?」


 手ごたえを感じつつ、俺はコッキングする。

 そして二発目を……と思ってスコープを覗くと、その先ではマスラさんが何やら腕を勢いよく振り下ろしているところだった。


 なんでそんなことをするのか、どういう意図があるかはわからない。

 だが、どうにも妙に嫌な予感がして、俺はとっさに横に跳んだ。


 その瞬間だ。強烈な風切り音と共に見えない何かが飛んできて、直前まで俺がいたところに縦一直線の深い亀裂が走った。

 そしてその余波によるのか、それを回避したはずなのにもかかわらず、俺の身体はしたたかに打ちつけられて、意図していたよりも遠くに身体が飛ぶ。


「な……なんだ!?」


 かろうじて着地を成功させて、俺は思わず口にした。

 そんな俺の脳内に、湊さんの声が響く。


『ごめんわからない! でも、あんたの身体を吹っ飛ばしたのはきっと衝撃波よ。音速を超えるスピードの遠距離攻撃ができるのは間違いないわ!』

「マジかよ! いくらなんでもそりゃきつ……うおああっ!!」


 湊さんとの通信を容赦なく遮りながら、二発目が飛んできた。さすがに、感覚系のスキルを相当持っているおかげで気づいて反応はできるので、よほどのことがない限り直撃はなさそうだが……。


「うひいぃ!」


 衝撃波とやらの二次被害はどうしようもない。耳をつんざく音はめっちゃでかくて思わず耳をふさぎたくなるし、猛烈な風みたいなそれは、生前なら間違いなくかなりの痛みを覚えるはずだ。

 とくれば当然、俺のライフはちまちまとだが減っていく。


 こんだけドンパチ騒ぎやってるのに、周りの人たちに逃げる気配がないのも妙な話だが、フィールド効果のうちってことかねえ。


 と、そうこうしているうちにマスラさんが俺の目の前に降り立つ。はええよ。


「……まじすか」

「もちろん」


 応じるマスラさんの周辺では、風の刃が輪になっていくつも舞っていた。

 風の刃、という表現はなんとも奇妙な感じだが、そう見えるんだから勘弁してくれ。こう、竜巻がわっかみたいになってるっていうか? そんな感じだ。


 なんて考える間もなく、その刃が俺めがけて飛んでくる。とっさに思考を加速させたが、すべてを回避するのは不可能だった。


「ちょおぉぉっ! と! 問答無用かよ!?」


 物陰に隠れてやりすごすも、受けたダメージはあなどれるものではない。

 そしてそんな俺に、マスラさんは容赦なく回り込んで攻撃してくる。今度は、風の刃そのものが俺に突っ込んでくる。


「でぇいくっそう!」


 それらに絶対王権ロイヤルガードをかけて攻撃をかいくぐると、例の技で水筒を取り出し一気に聖焔剣モードセイバーを作る。

 そして突っ込もうとするが……。


「進めねえし!!」


 猛烈な突風で、動けなくなる。この状態じゃ、焼夷弾モードバレットそのほかの遠距離攻撃もたぶん届かないだろう。どうすればいいだろうか……。

 ってか、もうここまでくりゃわかる。この人の能力、風を操る能力だな!?


 見た目超雷神なんだけど! 太鼓とか背負ってるんだけど! 風神じゃねーかそれじゃ!


『背に腹は代えられないわね。オーラロード行くわよ』

「は!? いやでも、あれは後遺症があるかも……」

『あんな使い方しなくても、普通に気弾飛ばすとかあるでしょ! それくらいなら妙なことはならないと思うわ』

「そ、そーか……!」


 その答えと同時に、聖焔剣モードセイバーが活躍のないまま崩れ去る。

 そしてやはりそれと同じく、俺はライフを使って手の中に金色のオーラの塊を創り出す。


「波ーっ!」


 それを前に突き出しながら、マスラさんめがけて発射!

 オーラの塊は、風の動きをすべて無視してまっすぐマスラさんに飛んでいく。


 風での防御ができないと判断したのだろう、マスラさんは攻防一体の暴風を一時解除すると、大きく跳躍してそれを回避した。だが……。


「甘いぜっ!」


 俺は言いながら、この隙に出しておいたライター片手に弱い焼夷弾モードバレットを乱射する。

 アクアロードで灯油を介した奴に比べれば威力はかなり下がるが、今はそれでも十分だ。


 そしてそれと並行して、闘之飛翔ヘルモーズで追いかける。その速度は、俺のほうがやや上。

 マスラさんも、追いつかれると悟ったのか逃げるのをやめて正面から向かい合う。


「そりゃああー!」


 目前に迫るマスラさんめがけて、破焔拳モードナックルで殴りかかる。

 だが……。


「――ッ!? かってえぇぇー!?」

 俺の拳は鈍い音を立てただけで終わった。明らかに生き物の硬さじゃなかったぞ!?

 って、考えてる暇はないな! 目の前をソニックブームが通り過ぎて行った。


「どうなってんだ!?」


 思わず言わずにはいられなかったが、マスラさんからの返答はない。

 さすが補助人格、会話なんてせず黙々と戦うか……。人間なら駆け引きができるんだろうけど……。


 そんなことを考えている間にも、俺とマスラさんは攻撃の応酬を続ける。俺は焼夷弾モードバレット焼殲滅モードグレープを。マスラさんは風の刃や輪を。


 しかし、互いの攻撃は決定打にならない。俺の攻撃は単純に毛ほどのダメージにしかならず、マスラさんの攻撃はグロウロードと思考加速によりほとんど当たっていない。

 局面は一進一退……だが、ライフを使わないと空中戦を維持できない俺のほうが不利と言えるだろう。


 実際、俺のライフは既に半分近くまで減っている。これを抑えるためには、まず食料にありつく必要があるが……とてもそんな悠長なことをしていられるような状況ではない。

 とはいえ、ただ意味もなく戦い続けているわけでもない。湊さんと交信ができる状態ではないが、それでも俺だって考える時は考えるのだ。……というか、考えざるを得ないというか。


(今だ……!)


 一瞬、ほんの一瞬だけ、グロウロードの対処なしで相手の攻撃を受けるスキがまったくない状態ができた。

 その瞬間を見計らって、俺はつい先日完成したばかりの権利章典コンスティテューションを発動! と同時に一気にマスラさんの背後へ回り込む!


 マスラさんは、さすがに目の前でいきなり敵が消えたことに驚いただろう。補助人格にそんな感情があるのかとも思ったが、俺が技を発動させた瞬間に、わずかに攻撃の手が完全に止まったことを見るに、イメちゃんみたいに人間らしい感覚をちゃんと持ち合わせているとみていいだろう。

 そして俺はそのスキをついて、後ろからマスラさんの大柄な身体にとりつく。はた目には、おんぶされているような感じになったかな。


「何を……」


 マスラさんがいぶかしげな顔を後ろに向けてくる。そんな彼に、俺はにやっと笑うと枝之破滅スルトを発動させた。

 瞬間、俺の身体から猛烈な炎が湧き上がる。そしてそれは、俺のフレアロードに操られる形でさらに強大な炎へと一瞬で成長する。赤を越え、青すら帯びた炎が俺とマスラさんを覆うのに、そう時間はかからなかった。


 俺の狙い。それは、こうして密接した状態で共に炎上することだったのだ。


 前にも一度触れたが、俺はフレアロードの特性により、火によるダメージは一切受けない。それは、炎が発するなら熱に対しても同様だ。だから、この状況で俺にダメージが入ることは有りえない。

 炎を出すのに枝之破滅スルト、すなわちオーラロードを使ったのでその分ライフは減ったが、それは一瞬のことで、その後の火の扱いはすべてフレアロードが行っている。ゆえに、俺に痛手はほぼゼロだ。


 だが、すぐ後ろでガスバーナーレベルの青い炎を直接浴びせかけられた形のマスラさんはたまったものではない。そのバイタルゲージが、見る見るうちに減っていく。

 もちろん、マスラさんはそれを阻止しようとしている。猛烈な風が俺を襲う。

 しかし、別に俺は長々とそこにいる必要はない。なので、風に便乗してさっさとマスラさんから離れてビルの中へ突っ込む。


「よし……逃げるか!」


 周りのことは無視して、俺はそのままビルの中を走る。


 戦わなくていいのかって? いいんだよ、あのままで。


 いや、もちろんあまりマスラさんから離れるわけにはいかない。離れすぎると、フレアロードの制御が効かなくなるからな。

 でもある程度の距離を維持していれば、俺は火を操り続けられる。これが何を意味するか……つまり、先ほど仕掛けてきた炎は消えることなく、今もなおマスラさんを焼き続けている、ということである。


 俺が逃げを選んだ理由はもうわかるだろう。これ以上、マスラさんと正面切って戦い続ける必要なんてどこにもないのだ。ある程度の距離を維持しておけば、マスラさんはKOできる。


 土壇場で思いついただけに、なかなかえげつない戦い方ではあるが……少なくとも真琴と戦わなかければ話にならないのだから、これくらいしゃーなしだろ?


 俺は逃げながらもアイテムボックスを開くと、そこからカロ○ーメイトと紙パックジュースを出して一気に口の中を満たす。ライフ大事、マジで。


 いやしかし、久しぶりの○ロリーメイ○のうまさマジはんぱねぇマジで。


 禁食でポイント節約もいいけど、たまにはちゃんと食事するのもありだろうかと、本気で思い始める俺であった。


当作品を読んでいただきありがとうございます。

感想、誤字脱字報告、意見など、何でも大歓迎です!


◆アイディアを提供してくださったみなさん◆

・空気を操る能力:ジョニー・デブ様

風はあくまで空気の流れですからね。涼ならもっと悪辣な使い方をしたのは間違いないでしょう。

・全身を固くする能力:サワハト様

一瞬ですが、身を守るのに使いました。素手が武器の亮には効果抜群。


なお、SFエリアもモデルはスターウォーズEP1~3のコルサントです。

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当作品の異能力バトルにおいてキャラクターが使う特殊能力と、彼らが戦うバトルエリアのアイディアを募集しています。
もしアイディアがございましたら、規定をご確認の上提供していただきたく思います。
【急募】能力とエリアのアイディア【来世に(ry】
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