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来世になるけどまた会いましょう。  作者: ひさなぽぴー/天野緋真
第二章 本選編

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第37話 本選 2

 薄暗い部屋の中で、ゲンさんと向かい合う。

 少し前にドラゴン退治で共闘した俺たちだが、それとこれとは話が別なのだ。


 だが、ゲンさんに「何が何でも勝ってやる」というような剣呑な雰囲気はない。どちらかというと逆で、正々堂々納得のいく戦いをしようという感じだ。


 俺としては、こういうバトルのほうが嬉しい。勝つために何でもする、というやり方を否定するわけではないが、やっぱり同じ土俵で正面からぶつかり合うほうが好きなのだ。


「うっし! そンじゃやるか坊主!」

「うぃっす! おなしゃっす!」


 そこそこ離れているはずだが、ゲンさんの声はめっちゃ通る。職業柄なのか生まれつきなのかはわからないが、今の場所が場所なので、いい感じにフロア内に音が反響している。


 ちなみにゲンさんの声は、渋い。往年の映画スターみたいな声質で、見た目、たたずまいと合わさってまさにいぶし銀のかっこよさである。こういう年の取り方をしたいもんだ。


 ……なんて考えていると、ゲンさんは姿勢を整えて丁寧にお辞儀をしてきた。これはあれだな、武道の試合である礼ってやつだな。

 俺は何か武道をやっていたわけではないので詳しいところはわからないが、礼には礼をだ。ゲンさんをならう形で、お辞儀を返す。


 そしてその瞬間、ゲンさんはやや後ろに下がりながら刀を抜いた。薄暗い部屋の中で、明かりなどないはずなのにその切っ先が光った気がした。


 構えはない。刀を持った手はだらりと下げられていて、一見すると戦う気がないようにも見える。

 しかし、先ほどのドラゴン退治を間近で見ていた俺にはわかる。あれは、ああいう構えなのだ。構えない、そういう型なのである。

 構えていないからと考えもなしに突っ込めば、手痛い……ってゆーか即死級の反撃を食らうことになる。


 作戦会議の段階では、一番スキルを振っている素手ならなんとかなると思っていた。湊さんが剣道三倍段とかいう話をしてくれたが、そこまでのもんでもないだろうと思っていたのだ。

 だが、ゲンさんの動きを見た今ならわかる。そんな大それたことができるわけがない。あの刀の間合いを突き抜けてゲンさんの懐に飛び込むなんて、どう考えても不可能だ。


 もちろん、今の俺が持っているスキルでは、武器を持っていたとしても抵抗は難しい。ここは素直に、能力に頼ることにしよう。いや、元々使うのが前提のトーナメントなんだけどね。

 というわけで、俺はボックスから水筒を取り出す。以前、織江ちゃんが俺とのバトルで使ったのと同じ、ハンディタイプのものだ。


 中身は油。織江ちゃんと空さんに、能力のスタンバイを頼みつつ栓を開ける。

 そして、怪訝そうな顔を向けるゲンさんに見せつけるようにして、俺は水筒を目の前にかざした。そして、後ろ手にライターのフリントを回す。


聖焔剣モードセイバー!」


 そしてその声と共に、水筒から油を剣の形に固定。それと同時に火を送って油の剣に点火する。

 構造としては単純だが、今俺ができるもっとも威力の高い武器。それがこれだ。


「ほっほーう……最近の若ぇのは凝ったことすンな」


 聖焔剣モードセイバーを見て、ゲンさんが感心したように言う。

 そして、にやっと笑いながら静かに腰を落とした。


「しかし火の剣か……こいつぁうかうかしてっと、まさに火傷しちまうな」

「ガチンコ勝負じゃたぶん勝てないんで!」

「いいぜ、死ぬ気で来いよ! おっさんの力ってのを見せてやらぁな!」

「おうよっ!」


 返事をすると同時に、俺は地面を蹴った。体勢は低めに、相手の反応速度よりも速く攻めることを意識する。

 ゲンさんは動かない。……いや、わずかに前へ出ているか。足をするようにして、少しだけ前に出ている。が、その刀は動いていない。


「はあっ!」


 気合一声、燃え盛る炎が尾を引いて、聖焔剣モードセイバーの切っ先が一直線にゲンさんを狙う。

 だが直前、その一撃は刀に弾かれて不発に終わった。勢いを殺されて、体勢が崩れかけたところに下段から逆袈裟の斬撃が報復に来る。


 その瞬間、俺の思考が一気に加速した。ちょうど、極度の集中状態によって時間がものすごく遅くなる現象に似ている。身体はそれについてこないが、頭だけはそれに追随するのだ。


 動けるか? 動けなくはない。だが、動く方向を間違えれば直撃は間違いない。

 後ろは? 無理だ。前へ突き進んでいた勢いはまだ残っている。後ろに下がろうとするのは最悪手。

 横は? 弾かれたのは右に向かってだ。そしてその勢いのまま、俺の向かって右下から斬撃が来る。


 となれば……動くのは左だ!


 そう判断した瞬間、時間が元に戻る。それと同時に、全力で地面を蹴って左に跳ぶ。そのすれすれのところを、刀が通り過ぎて行った。


「ほおー、よくかわしたな?」

「スキルのおかげっすね!」


 嘘偽りのない本心である。


 あの時間が止まったような感覚。あれは恐らく、思考速度アップの影響だろう。

 湊さんがレベル8まで上げていたこのパッシブスキル、ぶっちゃけ使い道がよくわかっていなかったが……なるほどな、こういうスキルか。確かにこれは、取っておいて損のないスキルかもしれない。

 これに加えて、俺が元々育てていた反射速度や動体視力のパッシブのおかげもあり、なんとか回避に成功したのだろう。


 しかしさて、どうするか。案の定、バカ正直に正面から切り込んだところであっさりとさばかれて終わりだったな。何かスキをつくことができればいいんだろうが……。


「おし、じゃあ今度はこっちの番だ」

「え、あ、ちょタン……」


 全部は言わせてもらえなかった。ゲンさんは言うや否や、ものすごいスピードで踏み込んできたのだ。

 もちろん、銃弾に比べればそれは大したことはない。だが、人間が出しうる速度でもない。ボルトでもこんな速度で走れねーぞ! ゲンさんどんだけスピードにスキル振ってんだよ!?


「うおおあぁっ、くぅー!」


 初撃は思ったより楽に防げた。今の俺は、狙撃すらかわせる身体能力を持っているのだ。この速度なら防御はたやすい。が、それで終わるほど世の中甘くはない。


「まだまだ!」

「うひいぃーっ!」


 猛烈な勢いで、何発もの斬撃が右から左から飛んでくる。そう、飛んでくるのだ。

 もちろんそれは錯覚でしかないわけだが、とんでもないスピードで放たれる一撃一撃は、まるで衝撃波か何かでも放っているかのように感じるのだ。


 そんなゲンさんのラッシュを、思考速度アップの力を借りてなんとか一つずつさばく。

 考えようと思った瞬間時間がほぼ止まり、どちらから攻撃が来るのか、フェイントの有無はどうか、どれくらいの力で応じればいいのかを考える余裕が生まれる。なるほど反則だが、これくらいないとゲンさんの攻撃は防げないだろう。


 むしろ、これを駆使してもなお反撃する余地がまったくない辺りに、ゲンさんがいかにすごいかご理解いただけると思う。スピード関係のパッシブスキルは、最低でもレベル5くらいはあると見ていいだろう。


 なお、この思考速度アップ。加速するのはあくまで思考だけなので、身体はついてこない。頭ではこれが最適解だと思って動こうとしても、物理的に絶対不可能だったりもする。

 そういう時は、もうどうしようもない。考える時間はたっぷりあるので次善の方法を探ることになるが、それすらもままならない時は、かわせるとわかっているのに攻撃を食らうことになる。


「くっうぅ!」


 今みたいにな。防ぐためにどう動けばいいかはわかっていたのに動けず、右腕を切り裂かれてしまった。


 しかし、俺は何も守りに徹していたわけではない。アホみたいに長い思考時間の中で、相手が攻撃を続ける以上攻められないことは分かっていた。だからこそ、このダメージは覚悟していたダメージだ。


 そう、今の俺たちには痛みなんてないし腕が飛ぶこともない。当然、戦意が落ちることもないのだ。カウンターをするには、これ以上の条件はないだろう。

 ありがとう、死後の身体!


「……たあーっ!」


 生前なら、これで勝負ありとなるところを、俺はダメージを気にすることなくそのまま踏み込むと、全力で剣を振るう! ゲンさんを見習って、攻撃直後のスキを狙う一撃! どうだ!


「むんっ!」


 ……さすがだよ、さすがすぎるよゲンさん!

 つばぜり合いになって、俺は目の前のゲンさんをにらむ。向こうも、まさに鬼のような形相で返してくる。


 俺はうまくいくと思ったんだが……いや、想定していなかったわけではないんだが、こうも見事に合わせてくるとはね。きっと、ゲンさんも反射速度などにポイントを振っているんだろう。


 だが、つばぜり合いは俺にとっていい状況である。なぜなら、俺の剣は文字通り燃えているのだ。そしてその熱量は、俺の思うがまま。今までは普通の火だったが、この状況に持ち込むと俺は同時に一気に熱量を上げている。

 そうするとどうなるか? 目の前で超高温の火にさらされれば、熱や火への耐性を持ってない限りライフは減り放題というわけだ。

 加えて、相手の得物にもダメージが入る。下手な金属剣くらいなら、数分接触し続ければ溶かせるレベルの温度を出しているのだから。


 さすがと言うべきか、すぐにゲンさんはつばぜり合いをやめて後ろに跳びすさった。聖焔剣モードセイバーの秘めた危険性に、いち早く察したのだろう。

 俺たちは熱を感じない身体になっているにもかかわらず、この判断速度は素晴らしいの一言に尽きる。


 さて、それに対してどうするか? 思考を加速させて、追うべきかどうかを考える。

 心情としては追撃したいところだが……ゲンさんが刀を鞘に納めるのを見て思いとどまる。嫌な予感がしたのだ。


 時間が元に戻る。 


「思ったより厄介だなァー、その剣」

「でしょ? みんなで考えた自慢の武器っすよ」

「オレの攻めにあそこまで対応できるたぁ思わなかったぜ。それに、よく今の状況で追わなかったな?」

「なんか嫌な予感したんで」

「正解だ」


 なぜか嬉しそうに、ゲンさんは笑った。笑いながら、刀の柄に手を当ててぐっと腰を落とす。

 ……なんか映画とかで見たことのある構えだな。なんだっけこれ、えっと……。


「あのまま近づいてきてたら、こいつで迎え撃ってたぜ!」

「――っ!?」


 言葉と同時に、刀が目の前に迫ってきた!

 俺はとっさのところでのけぞり、かろうじてその一撃をかわす。


「ははッ、この距離ならかわせるか! やるな坊主!」


 豪快に笑いながら、ゲンさんはもう一度刀を鞘に納めた。……居合い抜きか!

 いや、っつーかどういうスピードだよ!? 確かに居合い抜きって、めちゃくちゃ早い一撃必殺の技ってイメージだけど! にしても早すぎるだろ、拳銃より早いんじゃねーか!?


 いやー、追わなくてよかった、マジで!


「しっかし、そうなると剣だけじゃお前を負かすことぁ難しいな。ここはひとつ、仲間の意見に従ってオレも何かお披露目するとすっかい」


 げげっ、遂に使ってくるか! 剣だけでこの強さだろ、これで能力を使われたらどうなるか……。

 っておい、能力一切なしでこの強さかよ! 湊さんとは方向性が違うけど、これ予選で当たったらそりゃ勝てないわ!


「行くぜ、おらァ!」


 俺がおっかなびっくり剣を構えるや否や、ゲンさんは目にもとまらぬスピードで地面を賽の目状に切り裂く。何を、と思った瞬間、立方体になった土が弾丸となって俺に襲ってきた。


 思考加速!……うん、数は大体百二十ってところか。が、範囲はそこまで広くない。速度も、さっきの居合いに比べてたら止まっているようなものだ。ここは素直に退かせてもらおう。


「……おあっ!? ちょっ!?」

「はっはっは、甘いぞ坊主!」


 ゲンさんの笑い声がフロアに響く。

 ……なんと、土弾は横に避けた俺めがけて一斉に軌道を変えたのだ。まさかのホーミング!


 迫りくる弾丸を叩き落としていくが、いかんせん数が多い。そして何より、これは間違いなく露払いだ。ゲンさんが、しっかり俺の真横に潜り込んでいる。


 ……ダメだこりゃ、こいつは避けらんねーわ。

 俺は考えるのをやめて、もう一つの頼れる能力を素直に使うことに決めた。だが、タイミングは弾丸に合わせない。止めるのは、ゲンさん本人だ。


ィっ!」


 来た! 容赦のない突き! これ生身で食らったら即死だよね絶対!

 でもさせない、思考加速だ!


 タイミングを見計らう。まだだ、まだ動かない。身体は引き続き、土弾の迎撃に専念。だが、この数をさばききれず、数発が俺の身体を撃ち抜いていく。

 それでも、まだだ。まだ引きつける。俺の身体に、突きが刺さるまさに直前……ここだ!


絶対王権ロイヤルガード!」

「っ!?」


 ゲンさんの攻撃が、ピタリと止まる。正確には、刀の動きが止まっているのでゲンさん自身は動ける。だが刀は完全に止まっているので、刀を置き去りにして俺めがけて無防備に突っ込んでくることになる。


 当然、このタイミングは見逃さない。ここまでの間に、土弾の大半は落とした。意識と身体をすべてゲンさんに向け、剣を握る手に力を込める。

 土弾はまだ残っているが、もはや今から一発二発食らってもなお、お釣りがくるくらいのダメージを与えられる!


「せいやーッ!!」

「うおあ……っ!」


 完全に体勢を崩していたゲンさんの胴を、裂帛の気合を込めてすれ違いざまに一刀両断! 斬ると同時にその軌跡から炎が一気に燃え上がり、ゲンさんの肉体を包み込む! そして、ゲンさんのライフがガッツリ減る!


 よし、やった!


 だが、深追いは禁物。ここから何をされるかわかったもんじゃない。スキルもそうだが、俺は案外堅実な男なんだぜ。


 案の定、まだ残っていた土弾が執拗に俺を追ってきた。だが、もうその数は一桁だ。遠慮なく叩き落とさせてもらう。

 それに前後して絶対王権ロイヤルガードの効果が切れて、空中に残されていた刀が虚空を貫き、そのまま弧を描いて……ゲンさんの手の中に戻った。


 追撃を許されなかったのもあったが、したらしたで、きっと刀が戻ったタイミングで早速反撃されていただろう。やはり、深追いはしなくて正解だ。

 そうして手ごたえを感じながらも、反撃を警戒して俺はゲンさんから距離を取った。


「な……なンだ、今何をしやがった?」

「へへへ、秘密っす!」


 俺はにいっと笑ってごまかす。言ってたまるか、ってね。


 これはうちの四人の総意だが、相手にどう言われようと、俺たちの能力は言わないことにしている。これは、もし能力を言い当てられたとしても、肯定しないということまで含む。

 あくまで能力は秘密。少しでも情報は相手に渡さないようにする。そういうスタンスなのだ。


「秘密、秘密か……そりゃそうだろうな」


 それは向こうもわかっていることだ。あえて答えを教える必要なんてない。


「よくはわからンが、見事な攻撃だったのには違ぇねえや。若ぇのはやっぱ、頭がやわっこいんだろうな」


 いや……単にグロウロードが半端ない能力なだけのような。一番基本的な使い方をしただけなんだよね、これでも。

 ま、まあ、妙な方向に勘違いしてくれるならそれはそれでありがたい。ただ、警戒されるのもそれはそれでアレだ。


 俺としては、こっちから仕掛けたって反撃でやられるだけなのであまり動きたくない。だが、一度グロウロードを食らったゲンも、うかつに動きたくはないだろう。


 純粋な技術を警戒する俺と、トーナメントならではの能力を警戒するゲンさん。

 しばらく互いににらみ合ったまま、動けないでいると……。


「……なんだ?」

「地震か?」


 不意に、フロア全体が振動し始めた。それはだんだん激しくなっていき、遂に立っているのもやっとという勢いになる。

 互いに相手を気にしている場合ではなくなり、自分の状態を維持するのに手いっぱいだ。


 そして、これはやばいぞ、と俺が思い始めたその瞬間である。いきなり白い光が視界を見たし、思わず俺は目を閉じた。


 身に覚えのある、しかしまだだいぶ早いはずの転移の感覚を味わいながら、俺はひとまずいつ攻撃されてもいいように目を閉じたまま身構えるのだった。


当作品を読んでいただきありがとうございます。

感想、誤字脱字報告、意見など、何でも大歓迎です!


ようやく参加者同士のガチバトルです。

思考能力アップがチートくさい描写になってますが、基本各パッシブはレベル5を超えたあたりから人間じゃ絶対無理な領域になってきます。

思考能力アップはむしろレベル3くらいまで効果が実感できない程度の伸びしかないので、レベル8という状態が単純に強すぎるだけです。

しかしまだ互いにすべての能力は出し切っておらず、勝負もまた持越し。

せっかく事前に2回エリアが変わると説明してるので、もう二話ひっぱるかと思います……。

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