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詩『蝉』

作者: 游月 昭


『蝉』13/03/29



大きな家の回廊を

小さないとこ達が走り回っている

あの子達はちょっと前の僕ら


ちょっと後の僕らは

二階で何をしているのか知らない


だいぶ後の僕らは居間で高校野球

毎年高校野球

夏はいつも同じリズムに蝉の声が被さる


慌ただしいおばちゃんの声が

「スイカば食べんねえ、ほらあ、

早よ来んばなくなるよお」

せかす


ひとつ

僕はいかにも美味しいふりをする

「たくさん食べんばぞお」

おいちゃんもせかす


いとこが二階から降りて来て

大皿を出して人数分持って上がった


おばあちゃんが僕をしっかり見て

「美味しかでしょ」

端っこまで笑顔


おじいちゃんのあぐらにおさまると

オモチャのお札をくれた

「今度来た時に本物と替えるけん」


もっともっと後の僕らの写真が

天井近くでこっちを見ている


蝉がジッ、と飛んで、

また、次の蝉がなきだした





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