鈴木さん(台本形式)
登場人物
北島……男子高校生。彼女なし
鈴木……北島に手紙を出した女の子。話すのが苦手?
男1:女1の台本です。
北島Mは、北島の心の声と認識してください。
時間は5〜10分くらいです。
※ニコ生やこえ部での使用は自由です。
強制ではないですが、連絡くれるとうれしいです。
あと可能ならURLの記載をお願いします。
北島 「俺は学校の裏庭に呼び出された。手紙に名前は書いてなかったが、すごくきれいな文字が印象的。彼女がいない俺は、相手が女の子だと期待してるんだ……お、あの子かな? あの……」
鈴木 「あ、あの……」
北島 「下駄箱に手紙いれてくれたの、君?」
鈴木 「は、はい!」
北島 「えっと、何の用かな?」
鈴木 「あ、あの……好きです!」
北島 「え?」
北島M(お、これは告白!? 嘘だろ……この子のこと何も知らないけど結構かわいいし……)
鈴木 「間違った!」
北島 「へ?」
鈴木 「好きじゃなくて、鈴木です」
北島 「鈴木?」
鈴木 「はい。私、鈴木って言います。鈴木仁美」
北島 「ああ、鈴木さん……」
北島M(言い間違いか。でも、焦ってる様子とかかわいいな)
北島 「それで、鈴木さん?」
鈴木 「はい」
北島 「俺に何の用かな?」
鈴木 「あ、えっと、その……これ……」
北島 「これ……なくしたと思ってた学生手帳! よかったぁ。探してたんだよ。親や先生にバレたらどうしようってさ。これ、どこにあったの?」
鈴木 「あ、その……好き……」
北島 「へ? ああ、薄公園?」
鈴木 「あ、うん……薄公園のベンチ」
北島 「この前あそこで眠っちまったからそん時落としたのかな」
鈴木 「……あの」
北島 「ん?」
鈴木 「す、好きです!」
北島 「え? あ、ああ……鈴木さんだよね、わかってるよ」
北島M(ふぅ、勘違いするな俺。彼女は言い間違いしやすいみたいだからな)
鈴木 「……はい。鈴木です。前から北島さんのこと、知ってました」
北島 「え?」
鈴木 「……好き」
北島 「え、ええ、それ、まじ!? え、急に言われても、ええ!?」
鈴木 「……あ、そのそうじゃなくて……私、鈴木さんと知り合いで……それで、密かに」
北島 「鈴木さんって……鈴木マユ?」
鈴木 「はい」
北島 「へえ、マユの知り合いなのか」
北島M(勘違いするなよ、俺)
鈴木 「はい……」
北島 「へえ。そうだ、マユって料理好きじゃん? 鈴木さんは何か好きなものあるの?」
鈴木 「……あの、えっと……」
北島 「鈴木さん?」
鈴木 「私……好き、です」
北島 「好き……? ああ、すき焼き!」
鈴木 「え、あ、うん……すき焼き」
北島 「鈴木さんって、言い間違いしやすいんだね」
鈴木 「そ、その……」
北島 「落ち着いて話していいよ」
鈴木 「え?」
北島 「いや、ずいぶん誤解されそうなことばっか言ってるからさ。好きとか」
鈴木 「……そうですね。鈴木さんにもよく注意されます」
北島 「そうだよ。だから気をつけなよ」
鈴木 「……ごめんなさい」
北島 「いや、俺こそごめん。勘違いしそうになっちゃって」
鈴木 「勘違い?」
北島 「鈴木さんが『すき』って言う度、オレのこと好きなのかなって思いそうになっちゃって。馬鹿だよな。そんなのあるはずなくて、鈴木さんは俺の手帳を返そうとしてくれただけなのにさ」
鈴木 「……」
北島 「正直ドキドキしちゃったよ」
鈴木 「私が……鈴木だから」
北島 「そうだな。鈴木って、下手すると『すき』に聞こえちゃうんだよな」
鈴木 「私……好きです」
北島 「うん、鈴木さんだね」
鈴木 「……うん、鈴木です」
北島 「俺みたいな馬鹿に勘違いされないように、気をつけなよ。じゃあ、これ(手帳)ありがと」
鈴木 「あ……」
北島 「あと、勘違いされないようにするにはゆっくり落ち着いて話すこと。いいね?」
鈴木 「はい。……あの、聞いてくれませんか?」
北島 「ん?」
鈴木 「(深呼吸して、落ち着いて)あの……私、好き」
北島 「……鈴木さん、今度は何を言おうとしてるの?」
鈴木 「本当に北島くんが好きなんです」
北島 「……えぇ!?」
鈴木 「私いつもこうで……気持ちが上手く伝わらなくて。いざ告白しても、言い間違いなんだって思われたり、ついごまかしちゃったり……」
北島 「鈴木さん……」
鈴木 「だけど……だけど私は……薄公園でもない。鈴木さんでもない。すき焼きでもない。私は前からずっと北島くんが好きでした」
北島 「……鈴木さん」
鈴木 「だからもしよければ……あの、えっと、だから……」
北島 「鈴木さん……落ち着いていいよ」
鈴木 「はい。あの、私と……鈴木になってください!」
北島 「え!? 苗字変えるの俺!?」
鈴木 「あ、違う! あ、その……付き合ってくれませんか?」
北島 「……それは言い間違いじゃない? 本当の話?」
鈴木 「はい」
北島 「そっか……うん、俺でよければ喜んで」
鈴木 「ありがとう……ございます」
北島 「うん……」