三題噺 ハンガリー 苺 ファンタ
お題「ハンガリー」「ファンタ」「苺」
疲れた。
クーラーの聞いた飛行機の中で僕はそう思った。
僕は日本から「とある人」と会うためにヨーロッパにあるハンガリーに向かってる。
四季のある国ハンガリー。
人工は約1000万人、面積約93000kmの意外にも大きい国だ。
そんな事を思い出してると、時間は意外と流れていた。
もう着陸準備の段階まで着ていたのだ。
寝れなかったな・・・ま、いっか。
軽いノリで僕は受け流した。
着いた所は首都のブダペスト。
ハンガリーの人工およそ5分の1がここに集まる東ヨーロッパ有数のグローバル都市。
後は世界遺産のブダ城とかが有名かな?
まぁそんなこと置いといて。
まずはホテルを探さなきゃ・・・。
予め予約をとっていたホテルに向かう。
今の世の中インターネットがないと不便だよねぇ。
そして着いたホテルで手短にチェックインを済ませて、荷物を置き、すぐ外へ出る。
目的の場所はセーチェーニ鎖橋。
ここで僕は待ち合わせをしている。
日本から持ってきた飲みかけのファンタを飲もうと、橋にもたれながらフタを開けると
不意にそのファンタが奪われてしまった。
あ、と思うと、奪い取ったのは待ち合わせをしていた「とある人」だった。
「も〜らいっ!」
あどけない笑顔で僕のファンタを飲んでいるのは僕の好きな人なのだ。
「はいっ!あんがと!!」
返されたファンタを受け取るも、手が少し震えてる。
だがそれを気づかせないように頑張りつつ、それを紛らわせるように話しかけた。
「なぁ・・・何なんだよ、一々こんなとこまで呼んで見せてあげたいものって。」
彼女はふふっと笑いながら、僕の口を閉ざして指を当てた。
「ないしょ。ついてきてよ。見せてあげるから。」
また彼女の笑顔にドキドキしながら彼女の車に乗り、周りの景色を楽しんでいた。
彼女の車は都会を抜け、ちょっとした田舎道に入っていった。
「どこまでいくのさ?」
彼女は聞こえなかったのか、答えなかった。
それから何も話すことなく、僕はハンガリーの田舎ならではの景色などを楽しんでいた。
彼女の方は前を見据え、運転に集中していた。
「ついた!」
彼女の口からやっと言葉が出たかと思うと、目の前には綺麗に実が成っている苺畑があった。
僕は戸惑いが隠せないまま、彼女の顔を見続けてただけだった。
「これが・・・君の言ってた見せたいものかい?」
彼女は僕の好きな笑顔のまま、答えた。
「ふふ、見ただけじゃわかんないでしょ?一緒に苺狩りしようよ。ここ私の畑だから。」
彼女の言葉に僕は驚いた。
丁寧に整ったいちご畑。
恐らくかなりの努力がいただろう。
でもなぜハンガリーに着てまで苺畑をつくったのだろうか?
「ほら〜早くおいでよ〜!!」
僕は無邪気に呼びかける彼女の元へと向かった。
そこで彼女が摘んだ苺を食べてみた。
甘酸っぱいだけでなく、何か普通の苺とは違うおいしさがあった。
「すっごく美味しいよ!」
そしてその味が僕の感情だと気づいた。
だが、彼女は僕の表情を見て満足した後に僕に近寄った。
「ねぇ?あの約束覚えてる?」
僕は何の約束だかわからずに首をかしげた。
「高校生の時の・・・あの約束。」
思い出した。
僕は高校の時、彼女と同じクラスだった。
何の授業の時だったか、国のことについて調べる授業があった。
その時、みんなはアメリカや中国といった有名な国を調べた。
だが僕と彼女はクラスのみんながパッとしないハンガリーを調べた。
彼女がなぜ調べたのかはわからなかったが、僕はその時にハンガリーに興味があった。
その時に彼女の無邪気な笑顔を初めて見て、惚れたから初恋の人なのだが。
おっと、そんな話は置いておこう。
調べた後、お互いの調べてまとめたものは大差ない物だった。
そして「変わらないね」って笑いかけた彼女に
「いつかいっしょにハンガリーにいかない?」と
声をかけていた。
あの時の心境なんて今は思い出せない。
だがわかるのは彼女が
「私の夢があるからいいよ。」と答えていたことだ。
そんな事を思い出して笑ってしまった。
「思い出したよ。」
その一言に彼女の不安げな顔に笑みが戻ってきた。
「君の夢は・・・苺畑だったの?」
彼女は即答した。
「うん。それが夢だった。ハンガリーに苺畑を作った婆ちゃんの苺を自分で作りたくて。」
それが夢だったのか。
思い出してちょっとモヤモヤしてたが納得した。
そして僕はあの時伝えそこねた言葉を彼女に伝えた。
「急だけど・・・好きです。あの時から・・・多分今までずっと。」
彼女は満面の笑みで笑いながら喜んだ。
「また一つ夢がかなった。 もうひとつの夢はずっと好きだった優しい君に好きと言われること。」
僕は驚いた。
あの時に素直に好きと言えばよかったな。
「今度は一緒にいこうじゃなくて・・・」
僕は彼女が僕に言ってほしい事が何かを理解してその後の言葉を言った。
「ここでいっしょにくらさない?」
彼女は吹き出した。
「はは、君らしいね。話が早いよ。」
僕は焦った。
早とちりをしてしまうなんて。
「いいよ。君と暮らしたら楽しそうだもん。」
あの苺の味の秘密がわかった。
彼女のこの屈託の無い無邪気な笑顔だと思う。
「でも僕は一旦帰るよ。仕事もある。」
「だけどもう一度帰ってきたとき。そのときは、一緒にね。」
彼女に負けないくらいの笑顔で僕は言った。
「その時はまたファンタ持ってきてよ。」
「さっきの事、もう一回したいからさ。」
僕は笑いながら頷いた。
彼女は最後に僕の口に一つ苺を詰め込んだ。
さっきより甘酸っぱい味が口に広がった。
あとがき
初投稿です・・・。
なんかもう色々とアレですけど生暖かい目で見守ってやってください^^←
Twitterでお題募集した際に集まったお題で書いたものです。
なんかこう・・・主人公以上に書いた自分でモヤモヤしてますww
こういうのもっと上手く表現できるようになりたいですね(;´∀`)
お題募集してます。 三題噺ですので三つコメントなどにどうぞ!