闖入者
あ!!
ダバノン・セーラ「うわあああ!!!」
……
二人は地面いうずくまった。
「記憶?消えたのか?あれ??覚えてるぞ??」
そして、セーラの背後から違う叫び声が聞こえてきた——
「うわあああ!!!」
そこには、ダバノンとセーラのクラスメイトの——
ダバノン・セーラ「サイモン!!」
そう、そこにいたのは今朝、ダバノンに茶々を入れた、ダバノンの旧友、サイモンだった——
「どうして——?」
ダバノンは驚愕の色を隠せないようだった——
「驚かせて悪かったね、二人とも。そこの、サイモンとかいう若造を出し抜くために、少し演技をさせてもらった。セーラくんの方には知れても危険は無いと思っていたからね。」
セーラは改めて、キメラに謝罪した——
「すみません。ダバノンとキメラ教諭にどんな関係性があるかは全く知りませんが、ダバを尾けて、二人が親しいことだけは、今、知ってしまいました。ところでサイモンは?」
キメラは落ち着き払って——
「そのサイモンとかいう若造はおそらくきみ、セーラくんに興味を持って、セーラくんを尾けてきたようだ。きみはダバノンくんを尾けておきながら、自分が誰かにつけられている、ということに気が付かなかったのかい??これから、嘘じゃない、私たち三人の関係性を作っていくのに、きみら二人には用心深すぎるくらいに用心深くなってもらわねば困る。サイモンくんにはセーラくんを尾行した、という記憶も、わたしとダバノンくんを見た、という記憶も無くなって、目を覚ましたら、自動的に母校の教室に帰るだろう。きみ、サイモンくんに惚れられていたのかな?」
セーラは動揺して——
「え……?」
(わたしを尾けてたサイモンがわたしに惚れてたのか?って聞くっ、てことはダバを尾けてたわたしがダバに惚れてたのか?って聞かれているようなものだわ。恥ずかしい……。どうか鈍感であって、ダバ!)
心の奥で願うセーラだったが——
「ところで、セーラ、何しにきたんだ??」
(ばかでよかった〜〜)
セーラは胸を撫で下ろすのであった。
キメラは言った、
「セーラくん、きみは学業優秀だし、ダバノンくんとは親しいみたいだから、この秘密の同盟の有資格者であるし、ダバノンくんとの親しさゆえ、いつかバレることだと思い、瞬時にきみを合格にした。しかし——」
キメラは地面に伏せるサイモンをあごでしゃくり、
「サイモンはただの凡人であり、あまり仲間に加えても、良い影響があるとは思えず、瞬時に記憶をかき消させてもらった。大丈夫、この後の日常生活には支障はない」
「とりあえず、二人とも、わたしの家まで来なさい。話はそれからだ——」
取り残されたサイモンと、それを尻目に、キメラ宅へ向かう三人であった——
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