表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
コズミック・フロンティヌス  作者: 西島嵩人
〜先鋭たち〜
50/52

リーダスへの説得

 このままじゃラチがあかないと思ったダバノンは——


「待て!どっちと勉強がしたかったとかじゃなくて、単純に『文芸』というスタイルに魅力を感じただけだ!だからくだらないこぜり合いはよせ!!」


 リーダスは、


「でも、あたしは信じらんないだよ、ダバ!映画はあんたの体の一部、と言ってもいいほど、あんたが今まで時間、労力を使って極めてきた分野だろ!?それを簡単に捨てるなんて……。」


 セーラは、


「ダバはねぇ〜、……」


 言い始める前にダバが割って入った——


「セーラは一旦、黙っていてくれ。そうだ、映画は俺自身、って言っても過言じゃないほど、俺は映画にかけてきた。でもな、作る側に回った時、俺は思ったんだ。あ、これは『共作』であって、『個人制作』ではないな、と……。俺は、純度100パーセントの『自分』の創作がしたかったんだよ、一人でもできる形で……!」


 なんとも納得がいったのか、いってないのか分からない、っといった表情のリーダスは、


「そうか、なんとなく分かったような、分からないような……、でも、また気が変わった時があったら、……、その時には映画学科に帰ってきてくれよ?」


「分かった。」


 一方、セーラは心の中で——


(なあ〜んだ、まるくおさまっちゃった。つまんない。)


 と、少し意地の悪いことを考えていた。


 そして、リーダスは、


「でも、でもだぞ?確かダバ、お前は、お前の脳は宇宙人に筒抜けだったんじゃないのか?それに『文章』、という表現形式は宇宙人には攻撃力が低かったんじゃなかったっけ……?」


 ダバはキメラ教諭に埋め込んでもらった、脳内スキャンキャンセラーのチップの話をした。そして、自分の小説をネットにあげて、宇宙人への攻撃力を上げようとしている、ということも……


 ふむふむ、とリーダス。


「分かった。ちなみにあたしもそのチップ、腕に埋め込んでもらえるようにキメラ教諭に頼んでみるかな〜。あと、バズるといいな、ダバの小説。それと、セーラ。なんかお前、感じ悪かったけど、あたしも熱くなりすぎた、悪かったな。」


——セーラは、リーダスが、ダバとの仲をもっとこだわってくる、と踏んでいたが、リーダスの、じめじめしていない、カラッとした性格に呆気に取られて——


「わ、私もおかしかった。ごめんね、リーダス。」


 リーダスは女性だが、セーラはリーダスを、『男前』だと感じた——

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ