ダバノンの成長
ダバノンの、ピンチかチャンスか??
ある日のテェラー高校のホームルーム。
生徒たちは憂鬱そうな者、ワクワク感を隠せぬ者、さまざまな顔があった。
セーラだけがソワソワしていた———
(ダバ、今回帰ってくるテストで赤点取ったら、……留年、ってこともありえるわ。一緒に高校卒業したい……、頑張って、ダバノン。)
と、セーラは複雑な感情を抱いていたのだった。
そして、
「先月の化学のテスト、返すぞ〜〜、名前を呼ばれたら取りに来い、アイリーン!」
テストの返却が始まった——
「セーラ!」
「はい」
「やはり君は優秀だな。98点、エクセレント!素晴らしい!」
しかし、セーラはそんなことはどうでも良かった。
(ダバ、ダバ。確か赤点基準は38点。頑張って〜〜)
セーラは神頼みしていた——
「ダバノン!」
「は〜い」
周りの生徒は——
(あいつ、絶対留年だ。)
(かわいそ。セーラに気に入られてんのにな。)
と、寒々とした様子——
担任教諭は自分の目を見張った。
「ダバノン、お前、………、どうした?」
セーラは、
(ついに、0点やっちゃった?……やっちゃったか……。はぁ〜)
落胆していた。
「ひ、100点!!」
一同「えええ〜〜〜!!!』
ダバノンの旧友、サイモンが駆け寄った——
「おい、ダバノン、お前、ついにテストの点数を自在に操れる黒魔術を発見したんだな。オイ、マイピーポー、俺にも教えてくれ。」
とうのダバノンは、
「そんなんじゃね〜よ」
「そ、んなんじゃな〜い??万年ヒト桁点数のお前が満点なんて取れるわけね〜!俺はお前をよく知っているぞ?確かに地頭はいい、でも、『勉学』に興味を持たない限り、お前が満点なんてありえんのだ。二桁得点でも驚くところが……!満点??あ〜〜、信じらんねぇ〜〜!!!」
当然といった表情でダバノンは——
「“ある人”に『勉強』はこれからの研究に役立つって言われたから、まじでやってみた。そしたら意外と簡単なのね。後、実研究にも役立つとも言われた。今ではその意味が手に取るように分かる」
「“ある人”〜〜??お前、旧友の俺を差し終えて、どんなヤカラと手を組んだ?水くせ〜ぞ!?」
ダバノンは無視した——
すると、いきなり、ダバノンの視界に人影が飛び込んできた——
そしてぎゅっと、ハグされた。
「ダバ〜〜、うう、良かった、本当に良かったよお〜〜」
セーラだった。
「よせ、みんなの視線を気にしろ、セーラ」
しかし、セーラは聞く耳無しだった。
「やっぱりアンタはやればできるこだったのね、いい子いい子」
セーラは泣いていた。笑いながら泣いていた—
「オッホン!」
担任はざわざわした教室内をせきばらいで制した——
「と、いうことで、皆もダバノンのように頑張るように!!以上!!ホームルーム終了!!ではなっ」
セーラはまだ瞳を潤ませながら——
「ところで、」
「ん?」と、ダバノン。
「“ある人”ってだあれ??」
評価していただけると嬉しいです。