表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
コズミック・フロンティヌス  作者: 西島嵩人
〜先鋭たち〜
45/52

物理法則の有無と、新生ダバノン

「自由に文芸科に入って小説が書けるなら、チップの手術、受けたいと思います。」


 それを受け、嬉々としたキメラは——


「そうか!やってくれるか!こんなに早く決断してくれるとは意外だった!わかった。じゃあ始めようか。」


 え?とダバノン。


「ええ?こんなに早く手術って出来るものなんですか?だって開発が成功したの、さっきでしょう?それでもいいんですが、こちら側としても、また、意外でした……。」


 オホンッ、とおおきく咳払いをしたキメラは——


「もう、実証はできている。この邸内に埋め込んだチップは見事にその機能を果たしているよ。見てくれ。」


 と、キメラは何食わぬ顔で、ある折れ線グラフの上下するパソコン画面を指差した——


「こ、れは、折れ線グラフ、……ですね。真ん中に横線がひかれていますが、この横線より上にはいかないですね、どの折れ線も……」


 ふふふ、とキメラ——


「そうなんだよ。その折れ線グラフに接する、横線よりは上にはいかない。なぜなら、その横線を飛び越える時、我々の脳内、はなした内容、等がこの邸から宇宙人の惑星に届いている、という証明になるからだ。つまり——?」


 ダバノンは不思議そうな表情で——


「この邸からは宇宙人になんの情報も与えてない、という証拠……。」


「そう。チップをつける前までは、時には少量、また、時には大いに、この横線をグラフは突き抜けていたのだ。この、今の、横線から一切グラフが出ない、この状態を観察してわたしは研究の成功を確信した。どうだ?立証性もあるだろう。ちょっと注射みたいに埋め込むだけさ。痛くない。さっそく、やるか?」


 ———ダバノンにもう迷いは無かった———


そして、手術の終了後——


 ダバノンはチップの埋まった自分の手首を見た。外から見ても、どこにチップがあるかがわからない仕組みだ。ダバノンは次に自分の頭を両手で触れた。そのあと、自分の両手を見た——


「僕は、……違う人間になったんでしょうか?」


「ああ、君は新生、生まれ変わったダバノンくんだ。これからは好きなことを好きにやりなさい。」


「ほ、ほんとうに……?」


「そんなに疑わしいなら、君の脳波をこの脳周波観測ヘルメットで測ってみよう。」


 すると、ヘルメットがつながっているモニターには先ほどと同じグラフ映像。横線には近寄りもしない、低周波がそこにあった——


「これで立証されたな。ダバノンくん、君の脳に関しても、……、ってうわあっ!」


 ダバノンが、説明するキメラに抱きついていた——


「よかった〜、ほんとによかった〜、僕は真人間になれたんだあ〜。」


 ダバノンは泣きじゃくっていた。








✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎


一方、その頃、銀河系深くのある惑星——


「な、なに、目標物からの”命線”=シグナルが一切なくなったぞ!?どうなっている??」


「わ、わかりません。あまりにも突然消えたので。」


その者は、深く考えるそぶりを見せたあと、


「やはり、手先だけではなまぬるかったか……、時期にはわたしも地球へ——」






物事が大きく転倒しだした——

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ