ダバノン、君はどうしていつもそうなんだ…。
キメラ教諭の詰問に、半ば恐怖さえ抱いたダバノンだったが——
「わかりました。では、はなしますねっ」
「うむっ」
「たぶん、これはシェルドン学生科長から連絡があった、ということで、すでにご存知でしょうが、僕は学生科室に転科届を出しに行きました。もちろん、キメラ教諭のお墨付きで。映画監督科から総合芸術探索科へ……。総合学科はキメラ教諭に勧められたからそうしたんです。ここまではいいですね?」
「ああ」
「しかし、事はかんたんには運ばず、シェルドン学生科長が僕が総合芸術探索科に進むことに頑なに立ちはだかりつづけたんです。
話を聞いたら、総合学科は他の学科を受けて、試験に落ちた者たちの受け入れ皿になっている、とのことでした。」
「それは知らんかったな。初耳だ。」
「このまま僕が総合学科に入れば、優等生が劣等生の集団に入る、かんたんに言えば、腐ったみかんの中に僕が入っていくのと同じだ、と例えていました、シェルドン学生科長は。」
「それは、シェルドン氏も鼻白んだろうな。ついていけん。」
「そこで本題!!僕はひらめいたんです!ある固定観念を覆す案が!」
キメラ教諭はかちんときた。
「君!(わたしも確かにそういうところがあるが)、勿体ぶるのはやめて単刀直入に言え!心臓が持たん!」
「テェラー私立芸術大学、文芸科に転科することです!」