武器の原理
ど〜ゆ〜こと?
ところで——
「教諭が開発している武器ってどんなのですか?」
と、ダバノン。
教諭は——
「驚くなよ?ビームガンだ!」
一同は、「ビ〜ムガン〜〜!?」
と、困惑した——
「それこそ、SFだァ〜。凄い!どんな原理なんですか!?」
ダバノンはどきどきしながら、前のめりでたずねた——
すると、教諭は——
「きみたちに理解出来る範疇ではないよ。悪いがね。まあ、熱力学に関係している、とだけは言っておこうかな?
………………
と、いうのは嘘で、ちゃんと原理はある。きみたちの霊的エネルギーを照射するんだ。ま、これは一種のオカルト銃だな。こんど、卑弥呼の国、日本の霊媒師に一つ一つに霊魂の糸口を授けてもらう予定だ。」
「………………。」
一同は黙りこくってしまった——
キメラ教諭は、おほんッとせき払いをして——
「あまりに現実的に感じられず、皆、困惑しているようだな。ダバノンくんならわかってくれると思っていたが……、話が浮世離れしすぎていたかな?でも、ひとには、魂、霊魂があるんだ。それを“武器”として、照射するのが、一見オカルティックで、原理もなにも無い、と感じるかとは思うが、たしかにそうなんだ!!」
皆、まだ黙りこくっていたが、ダバノンが口を開いた——
「オカルト好きのぼくなら分かります。確かに人には“霊魂”がある。それこそ、僕の得意分野ですよ。でも、そんなどう再現したらいいか分からない、霊魂をビームガンで敵に照射するっていう、発想、そして、それを実現させる教諭の科学力に脱帽です。教諭の発明品は、まるでジャパニーズカートゥーンのドラえもんの秘密道具見たいです!!」
「ドラえもん??なんだそれ?美味しいのか?」
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そして、一同はおのおの、自己紹介やら、趣味のはなし、科学の話、どんな映画が撮りたいのか、等の構想、身の上話などをして、短時間で打ち解けた——
「これは面白い!!支部長の科学のはなしも、ダバノンの映画の話も、セーラの勉強がわかりやすくなる話も、全部おもしろかった!」
リーダスは興奮気味に話した——
「わたしも、リーダスが作っていた自主映画が全部青春恋愛モノだったなんて、ギャップに驚いたよォ〜。」
セーラも楽しんだ様子だった——
キメラ教諭は——
「わたしも大変楽しめた。いまのティーンエイジャーの等身大の活きた話を聞けるのはもうすぐ老害、(まだだが……)のわたしには大変貴重な体験を出来た。
ところで、そろそろ夜も更けてきた。皆、そろそろ帰った方がいいんじゃないか?」
ダバノンは——
「そうですね。名残惜しいですが、また四人、または、教諭が明らかにしていない他のメンバーで語り合いたいですね。楽しかったです!ありがとうございます!!」
一同は、「キメラさん、さよ〜なら〜ッ!」
「おお、気をつけて帰るのだぞ、じゃあな〜、また会おう!」
夜更けの街のキメラ邸の前でエイリアンバスターズの十代を見送るキメラの姿があった——
—続く—
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