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講義での抗議者

ま〜た、小競り合いが……。

「ちょっと昔の映画知ってたからってなんになんのよ!」


 女生徒の声が講内に響いた——


 ダバノンは面食らった状況で、言葉が出なかった。


 女生徒はなおも続ける。


「わたし、大っ嫌いなのよね、そ〜いう頭でっかちで映画のウンチクばっかりあって、肝心の映画を実際に撮ったこともない、そういうヘ理屈男。それがアンタよ!」


 ダバノンはすこし平静を取り戻して——


「まだ実際に映画を撮ったことがないのは、大体の生徒が同じじゃないか!お前なんかにけなされる筋合いはねーよ。お前は映画撮ったことあんのか?」


 女生徒はまだ自信ありげに、


「十本撮ったわ、高校の自主映画で。実際を知らない素人ちゃん?」


 ダバノンはとうとうイラっときた——


「好きな監督は?」


「マイケル・ベイ」


「ふふっ」


 ダバノンは特にマイケル・ベイ監督を下に見ているわけではなかったが、その時はなぜか笑ってしまった。


 女生徒はキレた——


「馬鹿にすんな!映画ウンチク男!絶対おまえにだけは負けないからな!!」


 ダバノンは軽くいなして——


「名前は?」


「リーダス。モーツァル・リーダス、アンタは?」


「オン・ダバノンだ。おれもお前には負けない」


———こうしてここでダバノンは、最初のライバル、リーダスと、初の苦々しげな邂逅を果たすこととなった———


✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎


———ダバノンの家———


 どうやらダバノンは今日、テェラー私立芸術大学で受けた最初の講義のことや、リーダスとの苦々しい初対面に関して、同じく同大学の文芸科で初めて授業を受けた、セーラとケータイで話しをしているようだ。


「そっかぁ、映画史はいい成績取れそうね。そんな失礼なオンナが!?許せない!!今度そいつと会わしてよ!ダバがいくらすごいか分からせてあげるから!!あ、でも……」


 セーラはちょっと戸惑って——


「もしも……、もしも、だよ?」


「ん??」


 ダバノンはぽかーんとしていた——


「そのォ〜、キメラ教諭が改良した本質メガネ、コンタクトレンズ、その日、着けてった?」


「え、あ、そうか。宇宙人さがすんだもんな。ああ〜、初日はあたふたしてて、着けてかなかった。で、それが、どうしたんだ??」


 セーラは心底がっかりした様子で——


「ばかね、その女生徒が宇宙人かも知れないじゃん」


「あ〜」


 ダバノンはまだ修行が足らなかった——

読んでくださり、ありがとうざいます。評価、ブックマーク等、していただけるとめちゃくちゃ嬉しいです。

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